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『虚構』

作者:零那
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『秘密』



『普通』ってのに憧れを抱いていた。
其の反面、憎たらしかった。
だってどんなに憧れたって掴めないって解ってるから。

湧き出る感情は真っ黒。
飛沫をあげる血液は真っ赤。
深紅の薔薇と黒薔薇が入り混じってるなんて綺麗。
あなたがそう言うからなんだか可笑しくて。

穢れてしまった私に、一体何の価値が在るだろう。
罵倒され続けて、闇雲に強がった。
負けたくなかった。
所詮、愚かな玩具にしか過ぎない私は其れ以外には成れない。

何の為に産まれたのか。
何の為に産んだのか。
何の為に生きてくのか。

このまま躰中の血液が流れ出たなら楽に成れる。
開きっぱなしの傷は永遠に閉じないだろう。
真っ暗な夜に連れてって。
秘密の入口に...。


 
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