オズのアン王女
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第四幕その五
「飛行船が通るまではね」
「いつもですか」
「そう、山脈に入ってね」
「跳ね飛ばされながらですか」
「向かい側に行ってたわ」
「痛くなかったですか?」
ジョージはドロシーのお話を聞いて怪訝なお顔で尋ねました。
「山の中に入って」
「痛くはないの」
「そうですか」
「ただ、スカートだとね」
「あっ、跳ね飛ばされる時にですね」
「めくれたりするから」
だからというのです。
「そのことを気をつけないといけないの」
「僕達は気にしなくていいですけれど」
男の子のジョージ達はです、彼と神宝、カルロスはくるぶしまでの長ズボンを穿いています。ですがドロシーだけでなくナターシャと恵梨香は。
「ドロシーさん達は」
「そう、スカートでしょ」
「だからですね」
「めくれてもね」
「大丈夫な様に」
「気をつけてるの」
そうしているというのです。
「ちゃんとね」
「そうですか」
「スカートの下にズボンを穿いてね」
「そのうえで山に入るんですか」
「そうしていたわ」
飛行船がない時はです。
「トトをしっかり抱いてね」
「僕だけであの中に入ったことはないよ」
見ればトトは今もドロシーに抱っこされています、そのうえでのジョージに答えます。
「ドロシーが危ないからって言ってね」
「実際にそうだしね」
「うん、だからね」
それでというのです。
「僕はそうしていたんだ」
「成程ね」
「今はズボンじゃなくてもいいわね」
ドロシーはあらためてです、ジョージ達に尋ねました。
「そうよね」
「はい、それは」
「今はスパッツや短パンがありますから」
「それを穿きますと」
「スカートの中は見えないです」
「安心出来ます」
「そうでしょ、それはね」
ドロシーは特にナターシャと恵梨香の女の子二人を見ています。
「貴女達はよくわかるわね」
「そうですね、体育の授業の半ズボンはいつも穿いてます」
「スカートの時は」
それこそと答えた二人でした。
「ズボンの時もそうしています」
「暖かいですし」
「そうよね、私もよ」
ドロシーもというのです。
「いつもスパッツも穿いてるわ」
「スカートの下に」
「そうしてますね」
「見えなくて済むから」
スカートがめくれてもです。
「しかもその分暖かいしね」
「女の子には欠かせないですね」
「もう必須ですよ」
それこそと言う女の子二人でした。
「スパッツがないと」
「いざって時に困りますから」
「だからです」
「私達もいつも穿いています」
「私は体育の授業は受けないけれど」
学校に通っていないからです、このことは。
「スパッツや半ズボンを持ってるから」
「それで穿かれてるんですね」
「そうですね」
「そうなの、ただ昔あったブルマとかはね」
こちらはといいますと。
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