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Three Roses

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第三十三話 落ちる薔薇その三

「私はです」
「あの方に何かあれば」
「その時はですね」
「どうされるか」
「そのことも」
「私は託されました」
 遠い目になってだ、マリーは側近達に話した。
「お姉様にこの国のことを」
「先日お話された時にですか」
「お二人でそうされた時に」
「その時にですね」
「マイラ様から託されたのですか」
「はい」
 その通りという返事だった。
「そうしてお話して頂きました」
「では、ですね」
「若し何かあれば」
「その時は」
「マリー様が」
「はい、摂政としてです」
 この国で一人になるそれにというのだ。
「私はこの国を導きます、そしてご結婚も」
「それもですね」
「為されますね」
「いよいよ」
「そのことも」
「そうなるでしょう、これまで考えていなかったですが」
 あまりにも政治で忙してくてだ、マリーはそこまで考えを至らせることが出来なかった。だがそれがなのだ。
「しかしです」
「はい、是非です」
「素晴らしき方を伴侶に」
「そうされて下さい」
「必ず」
「そうします、伴侶ですが」
 相手のこともだ、マリーは言った。
「この国の新教徒の」
「有力な諸侯のですね」
「その方を伴侶にお迎えする」
「そうされますか」
「それがいいと考えています」
 こう側近達に述べた。
「私としましては」
「私もそれが妥当だと思います」
 ロドネイ公は主に畏まって答えた。
「そのことにつきましては」
「公爵としても」
「はい、やはりこの国は新教を軸とすべきです」
「旧教を認めようとも」
「そうです、新教の優位を保つ為にも」
「私の伴侶も」
「新教徒の諸侯の中からお選び下さい」
 こうマリーに言った。
「是非」
「わかりました、それでは」
「伴侶の方を選んでいきましょう」
 大司教もマリーに言った。
「ただお力があるだけでなく」
「人としてもですね」
「優れた資質を持たれ」
 そしてというのだ。
「人格的にも素晴らしい」
「この国を支えようという心を持つ」
「そいうした方をです」
「伴侶に」
「そうされて下さい」
 必ずとだ、大司教もマリーに言った。 
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