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サイカイのやりかた #毎週投稿

作者:銀P
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第5章 VS???
  12 事件の前日まで…

 
前書き
「11話のあらすじ」
夾竹桃の理子並みにわがままな命令に逆らわずなんとか夾竹桃の依頼を終わらせるが、1年の強襲科火野ライカとの戦闘でさらに傷が悪化してしまう。 

 
「・・あーあ」

二度目の病室の天井。まさか抜け出した病院の同じ病室に入れられるとは思わなかった。
ただ違っていたのは目を覚ました後の先生の態度くらいか。抜け出すなら手続きはして行けと言われた。・・抜け出すことはいいのかよ。

目を覚まして4日が経ったある日、理子がやって来た。また前と同じようにお菓子をたくさん食べている。

「やっほー、しゅーちゃん」

「お前、来てくれるのはいいけどさ、暇なの?」

「せっかく来たのにそれはないよー! で?けがの調子は?」

「撃たれたあとに動きまくったんだぞ。もうあれだ。二か月は動きたくないね」

「くっふっふー。そんなしゅーちゃんに朗報でーす!新しい依ーー」

「嫌だ帰れ無理無茶もうヤダ辛い」

「…しゅーちゃんってホントにめんどくさいよねー」

「お前なあ現状見ろよコレ!Eランク武偵だよ!?もういやだって働きたくない仕事がつらい」

「キモイ。というか、なんだかんだ言いながらあの火野ライカ倒したらしいじゃん。あの子、一年女子で一番強いって噂よ?」

「ありゃたまたまあいつが接近戦で来たからだって夾竹桃にも言ったんだけど?」

「逆に言うと、接近戦なら一年最強にも勝てるってことだよね?」

「・・・お前、人のあげ足取ってうれしい?」

「理子のこと武偵殺しって決めたときのしゅーちゃん、理子におんなじことしてたよ?」

はあ、こいつもしかしてあのこと根に持ってんのか?めんどくさいやつだな。

「それはそうと、シューちゃんはお金のために、理子の言うこと聞かなきゃダメなんだよー♪じゃなきゃ借金返せないよー??」

「あ?それお前バスジャックのあれで終わったんじゃ・・」

「えー?理子『手伝ってくれたらお金を払う』とは言ったけど、あれ一回とは言ってないよー??」

「ッ!?おま、ふざけんな!」

俺がどれだけ頑張ったか・・!!あれで全部じゃないだと!?

「くふ。理子ってば悪い子だから使えるものは使う主義なんだよ」

「・・・ああ、変な奴と知り合いになっちまったなぁ」

「それは理子もそう思ってる」

うるさいよ。俺は普通の男子高校生だ。

「・・・はあ。わーったよ『女の嘘を、許すのが男だ』だもんな」

「そうそう!やっぱしゅーちゃんチョロい!」

「それは俺自身も理解してるって。・・というかコレ、少しもインターバルなしでどんどんやってくわけ?さすがに死ぬよ俺?」

「大丈夫だって!現に生き残ってるじゃん!」

「・・ほんと奇跡だよなぁ」

「そんなしみじみ言われても理子困るよ」



「・・で?依頼内容は?もうあんましハードなのはごめんだぞ」

「今回は簡単だ。キンジとアリアに決着をつけに行く。修一はそのフォローをしてほしい」

「なんだ。前と一緒じゃないか。また同じことするのか?」

「修一は芸術(アート)ってのがわかってないね。一回やった事件はもうしないのが武偵殺しだ。今回は、飛行機強奪(ハイジャック)。アリアが故郷に帰る便を奪う」

「・・すげーな。そんなこともできんのか」

「ま、理子だから。ただ、そこにはもちろんほかの乗客もいるし、あの便は他のセレブもいる。もちろんそのBG(ボディーガード)もね。それをこっちに来させないようにーー」

「おいおいおいおい。いきなりレベル高い事いうなよ」

え、まじ?次の対戦相手ボディーガードなの?それはあまりにも無茶だろ。BGの中にはもちろん元武偵もいる。ってことは先輩方ってことだ。・・ええ~無理ゲー。

「別に勝てとは言ってない。理子とアリアの対決を邪魔しないようにしてほしいだけだよ」

「・・・はぁ、そういや断るってことできないのよねぇ」

「うんうん、理解の早いチョロりんはモテるぞ!」

「恋愛要素が皆無だけどな。わーったよ。いつだ実行すんの?」

「4日後。よかったよ修一が目覚ましてくれて。理子、けっこう修一のこと期待してるんだから」

「はあ、人のご機嫌取りもうまいもんだ」

「ほんとだって、だってほんとの予定ではバスジャックだけで修一使うの終わりにする予定だったし。使えるから次も使うんだから!」

なんでだろう。うれしい事言われてるはずなのに、全くうれしくない。それ要は使いやすいから楽ってことだろうが

「・・うおおおおお、俺の平穏、カムバック」

「平穏なんてつまんないって思わなきゃ♡ んじゃよろしくー!また電話するからね!」

俺ってマジでこいつと付き合い続けてたら死ぬんじゃないかな。・・借金終わったら付き合い方考えることにしよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「・・で?その金髪ギャルの愚痴を言いにわざわざ私のとこまで来たの?」

「いやまじで人使い荒いのよあの子ーほんと失礼しちゃう!」

俺はガラス越しに愚痴をこぼし泣き崩れる。どうやら俺は精神が異常になるとちょっとオカマになるらしい。
あれから二日が経ったいま、俺は面会室にいた。相手は夾竹桃。愚痴をこぼせる相手はコイツしかいなかったのだ。もちろん警察の方が傍で聞いているので友達のお願いで無理な仕事をさせられるというような形でだ。

「はぁ・・もうそれはしょうがないと思いなさいよ。あの子、結構わがままだから」

「もうあいつわがままの個体なんだけど!助けてくれ夾えもん」

「だれが夾えもんよ。・・・私いま捕まってるから助けるもなにもないじゃない」

「・・・・たしかに」

「岡崎・・あなたね・・」

や、やめて、そんな絶望したみたいな目で見ないで!もう俺の精神やばいから!

「・・で、いつなの?そのお祭りは?」

「今週末。空飛びながらカーニバルだとよ」

「あの子もいろいろ考えるわね」

そう言った直後に面会時間が終わったらしい。
警察官が合図を言う。夾竹桃は立ち上がりつつ

「・・私のホテルにあるタンスの上から二番目を見て見なさい。カーニバルにあったらいいものが入ってるから」

「!!お前まじでこれから夾えもんって呼んでも・・」

「本気でやめなさい。じゃ、またね」

「またな、夾竹桃さんきゅ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その夜

ギシッ シュッ バシッ 

俺は柔道場にいた。Sランク武偵の武術を見るためにまた俺はアリアに頼み込んでやってもらっている。今回は木刀込でのアリアとの対決。最初は負ける気がしなかったのだが・・。

「ほらまた!!脇が甘い!!」

「・・・ごふっ!!」

だが何度挑戦してもまだ決定的なダメージを与えたことがない。やっぱSランクはレベルが違い過ぎる。

アリアに蹴られた脇を押さえながらもう一度立ち上がるとまた木刀を構え直す。

「もっかい」

「あのね、修一。どうしてそう急ぐのよ。その腕と足が治ってからのほうが絶対にいいと思うわよ?」

「おま・・ああ、せやな」

「おま?」

お前明後日帰っちゃうじゃんと言いかけて抑えた。なんで知ってると聞かれたら返す言葉がなくなるからだ。あっぶねー。

「でもほら、まあ興味あることは先にしたい性格なんだよ。治るまで待つなんて無理無理」

「まあ気持ちはわからなくはないけど・・今日はこのくらいにしましょ。私ちょっと用事あるから」

「えぇ・・。おまえ気持ちわかるっつったじゃん。やろうぜ続きー」

「毎日やってあげてるんだから文句言わない」

「ええーー。じゃああと一回!あと一回だけ頼む!」

「子供か!!」

「お前に言われたくーうごッ!?」

俺のツッコミは全部言えることなく、蹴り飛ばされてしまった。ほんとのこと言っただけなのに・・



ーーーーーーーーーーーーーー


実行日前日の夜

『いやー!でさ、結局アリアとキンジ仲たがいしたっぽいんだよね~。もー理子があんなにいいムード作ったてのにさー!!明日の仕事増えちゃったー』

「いいムードって・・自転車とバスに爆弾つけただけじゃねーか」

『くふふ・・りこりんの最新的恋愛補助だよ~』

「嫌な補助の仕方だな。俺に恋愛系のことがあってもお前には言わないわ」

『あっはっは!しゅーちゃんに恋愛とかありえなーい!!理子が捕まるくらいありえないよー!!』

「・・お前さ、ほんっと性格悪いよな」

『うわー、それ本人に言うー?』

「見てろよ!あっという間にお前が驚くような彼女つくってやるからな!!」

『おお!しゅーちゃん言い切ったね!ちなみに理子は無理だよ?金にセコい人ダメー』

「はなっから期待してねーよ金髪ギャル!じゃ、あしたな!」

『あいー!おやすみ、愛してるよ!しゅーちゃん』

「うるせーよ!男の純情もてあそぶな!!」

ああ・・疲れる。何のために電話してきたんだよこいつ・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こんな何も内容のない適当な話をしているときはまだ、思ってもみなかったんだ。


俺に・・


「あんたが武偵殺しね!!」


(ええーー!?!?違うんですけど!?!?)



俺に本気で死の危機がくるなんて、思ってもみなかったんだ。


 
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