『虚構』
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
『裁決』
ねぇ君、其の痣は何?
其処の怪我は何処で?
誰にされたの?
ただ静かに俯く君。
ニッコリ微笑み言う。
なんでもないです。
良く転ぶんです。
何故隠すのか。
本当は憎いだろう。
そいつを殺したいだろう。
同じ目に、いや、もっと酷い目に遭わせたいだろう。
本心を隠す本当の理由は...。
悲しみは解るだろう。
けれど其れを処理しきれないんだろう。
まだまだ幼い君には...。
大丈夫じゃないのに大丈夫って言う君。
其れは僕にじゃなく自分に言い聞かす言葉。
知らぬ間の自己防衛。
大丈夫じゃないでしょ?
何の為に誰の為に無駄な嘘を付くの?
何も守れないって解ってるでしょ?
悲しいよね。
淋しいよね。
悔しいよね。
殺したいくらい憎いよね。
いっそ夢だと思って。
ほら、好きなように捌いてみて。
其れが最高の裁きだから、ね。
ページ上へ戻る