カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
turn:35 タイガとリューズ
前書き
カンパニーを名乗る彼らはすべてを語り始めた
彼らの語る衝撃の事実
タイガと過去に起きた事件の関係
そしてリューズの秘密とは
全てを知るためアムは驚くべき方法に出る
江西に勝利したメグミは真っ直ぐ彼を見据えた
「それで、私たちに接触したのは何のため?わざわざ私たちと無関係な過去の事件のことを話して」
メグミの言葉に江西は小さく笑みをこぼした
「もし、無関係でないとしたら………そうだろう?本城タイガ君」
江西の言葉に全員の視線がタイガへと集まった
Turn:35 リューズとタイガ
「どういうことだ………俺があんたらと何の関係があるっていうんだよ!大体!それって俺らが産まれる前の話だろ!」
「いや、正確には違うな………君の持っているカード」
江西の言葉にメグミはハッとなった
「そう言えばさっき十二支刻獣って………それってクロノファングの事!?」
「正確にはそれを含めた12枚の特別なカード、ディペンドカードと呼ばれる特殊なカードによって呼び出されたユニットたち」
メグミの問いかけに答えたのはリューズだった
「私はかつてそれらの力で完全なる未来を実現しようとしていた、もっとも、今の私にその時の記憶はないが………」
リューズの言葉に訳が分からず困惑するタイガ達
「完全なる未来を実現しようとした戦いの中で、彼は肉体が退化してしまったの、自らの時間が巻き戻って………でも、そのことをあなたは知らないはず」
「偶然知ってしまったらしくてね、自分の名前が協会創設者の名前と同じこと、そして容姿さえも似通っていること」
アムの疑問に答えたのは東雲だった
「ちょっと待てよ、あんたはタイガともよく似てる………まさかその事も関係あるのか!?」
ハジメの問いかけにヒロキが頷いた
「その前にもリューズさんは一度記憶と知識を別の肉体に移し替えている、アニメやゲームでよく出てくるクローン技術っていえばわかるな?」
ヒロキの言葉にタイガたちは頷いた
「じゃ、それが簡単なことじゃないこともわかるな………」
「おい………まさか」
ヒロキの問いかけでハジメは何かに気付いた様子
それと同時にアムが慌てた様子でタイガに詰め寄った
「タイガ君!あなた!自分が保護された場所の事何か知ってる!?」
「えっ!?えっと………」
おぼろげながら昔聞いた自分の保護された工事現場の場所について答えるタイガ
そしてそれを聞いたアムの顔から血の気が引いていく
「ちょっとアムさん!?いったいどうしたっていうんですか」
「その場所には昔………カンパニーの研究施設があったの、計画の初期で使っていた廃棄された場所だけど………」
アムの言葉でもメグミとタイガはまだはっきりしないようだった
「そして、クロノファング・タイガーは元々明神リューズが所持していたディペンドカード………」
「えっ!?」
自身のカードについてアムは知っていた………いや、それよりもタイガが気になったのは
「クロノファングがあんたの………じゃあこれを俺に渡したのは………」
タイガの問いかけに明神は首を振った
「私ではない、だが………君が持つべくしてそのユニットが君の手に渡った………それは間違いないだろう」
「明神氏の新たな肉体を用意していたのはカンパニーの科学者だった若水ソウスケという男だ、彼の技術力は優れたものがある………そんな彼でさえ、明神氏の肉体を完成させるのにいくつもの試行錯誤を繰り返した」
江西の言葉でタイガとメグミもようやく納得がいったようだった
「この場所も明神氏と関係の深い場所だ、我々の計画の前身となった研究が行われていた場所だからな」
「本城タイガ君、おそらく君は明神氏の知識と記憶を移し替えるための器、その過程で生まれた存在だ」
東雲の言葉に戦慄するタイガ
だが、彼の言うことが本当だとすればすべて納得がいく
バインドタイム・ドラゴンを使うときに起こっていた頭痛
あれがかつての記憶のフラッシュバックだとしたら
タイガに流れ込んでいたのが明神リューズの記憶だとしたら
「すべての答えは、クロノファングが知っている」
ヒロキのその言葉にアムがため息を零す
「何かあったら責任取りなさいよ、タイガ君、クロノファングのカードを」
アムに言われるまま不思議そうに思いながらもクロノファングのカードを取り出すタイガ
「私の仮説が正しければ、彼の力を使えば負荷はほとんどかからないはずだ」
「本当でしょうね………まったく、最初からそのつもりで私を呼んだわね………」
リューズを疑いのまなざしで見ながらクロノファングを持ったタイガの手を握るアム
彼女が目を閉じて祈るように力を込めるとタイガとアムの体が虹色の光を放っていた
「えっ!?お袋………」
「いったい何を………」
「十二支刻獣寅の刻、クロノファング・タイガー、ライド」
アムの言葉と共に彼らの前にクロノファング・タイガーが姿を現した
NEO-GIRSの中でもないのにユニットが現れたことでメグミとハジメは驚き、タイガに至ってはその場で目を見開いていた
「だめ、長くはもたない」
「では私が代わりに聞こう、クロノファング・タイガー、あなたがタイガ君を一つの命として目覚めさせたのですね」
リューズが現れたクロノファングに声をかけるのを見て困惑したメグミとハジメだったが
「いかにも」
「「うわっ!?」」
クロノファングが突然しゃべるので声を上げてその場に転んでしまった
「ほ、本物………?」
「え………だって………」
「惑星クレイは実在するわ、かつてカンパニーが十二支刻獣の力で開こうとしていたのはその世界への扉、ストライドゲート、そのために必要だったのが十二支刻獣の召喚、私はそのための素質を持つ存在、ピースメイカーとして選ばれていたの」
大量の汗をかきながらハジメたちに説明するアム
「本来なら我らの召喚はそのものの肉体にかなりの負担がかかる、身を滅ぼしかねんほどな」
「ちょ!?お袋!?」
「大丈夫よ、彼の力を支えきれないだけ………この強大な力の源は………あなたの力ね」
そう言ってアムは横目に召喚されたクロノファングを見た
「いかにも………かつて完全なる世界をめぐる審判にて我がしてきたこと、その責任のため自らを長い間封じていたのだが………我に再び立ち上がるよう促すものがいた、そのものの言葉を聞いたわけではないが………興味がわいたのだ、人という存在に、この世界の行く末に」
クロノファングはそう言ってかつての出来事を思い返していた
自分に戻ってくるよう語り掛けた同じ十二支刻獣の小さなユニットの姿を
かつて最高のパートナーを得た彼のように
自分にも同様の存在がいてくれたら
「だが、我が声を聴くだけの力を持った者はいなかった、そこでこの少年の肉体に私の力の一部を注ぎ込み、命を与えた」
それによって覚醒したタイガが保護され、今に至ったというのだろうか
「けど、俺の名前は保護されたときに自分で言ってたって………あれ?待てよ………」
自身の名前はタイガ
そして目の前のユニットの名前はクロノファング・“タイガ”ー
「お前の名前かぁ!?」
「記憶の断片の中にあった我が名を咄嗟に呟いたのであろう、そこの二人」
クロノファングは次にメグミたちの方を見た
「えっと………」
「今までこの者を支えてくれたこと、感謝する、これからも頼むぞ………我が」
だがそこまで言ってクロノファングの姿は消えてしまった
それと同時にアムはその場に倒れてしまう
「アムさん!?」
リューズがアムに駆け寄って彼女の様子を見る
「心配ない、気を失っているだけだ、肉体にも何の影響もない」
「ならよかった………」
安心したタイガは先ほどクロノファングが言いかけたことが気になっていた
「気になるかい?」
「えっ!?えっと………」
リューズの問いかけに言葉に詰まるタイガ
「彼女の肉体に影響がなかったのは君の力によるものが大きい、訓練すれば君自身の力で今の様にユニットを呼びよせることが出来るが………」
「………いや、それはこの先、俺自身で見つけていきます、あいつが俺に何を求めたのか、俺がこの先どうするべきなのか」
そう言ってデッキを見つめるタイガ
「なんかいろいろ聞かされてびっくりしてるけど」
そう言ってタイガの隣にしゃがみ込むメグミ
「タイガ、わたしとあんたがクラスメイトでチームメイトだってことはこれからも変わらないわ」
「俺も………お前に負けっぱなしじゃいられねえからな」
「メグミ………ハジメ」
「ならさっそく………」
そう言って明神がデッキを取り出す
それを見たタイガもデッキを構えた
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
後書き
次回予告
自分がどうあるべきか、この先どうするか
その答えを知るべくリューズとのファイトに望むタイガ
リューズ自身もタイガを見定めるべく真剣にファイトに望んでいた
二人のファイトの行方は果たして
turn:36 タイガVSリューズ
ページ上へ戻る