大筒木異世界物語
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第1章 大筒木リュウグウ降臨
第1話 大筒木リュウグウ
前書き
大筒木リュウグウ、カグヤと対となる存在。大筒木一族の中でも飛び抜けて強い。
私は何をしているのだろう。何百年もの時を過ごしてきた。雨降るこの世界でカグヤに逃げられ、あまつさへ私はここに封印された。カグヤはチャクラの実なるものを食し神となった。私はカグヤを倒したい。しかし、今のままでは勝てぬ。チャクラの実を食べる前のカグヤなら倒せたが今では力及ばない。しかし、忍界にはすでにチャクラの実はない。ならば別の次元へと旅立ち対となる力を手にするしかない。この隔離された世界の封印さへ解ければ。
「あぁ。カグヤをまっておれ。必ずお前を・・・」
そうもらしたリュウグウの言葉は永遠に降り注ぐ雨の音でかき消された。現在リュウグウのいる世界はカグヤの力によって創造された雨の世界に隔離されている。この世界はどの世界とも繋がってはおらず、出れたとしてあるのは無のみ。だからこそ隔離された世界なのだ。永遠に降り注ぐ雨があるかぎり力は使えずあまつさへやる気さへも奪っていく。だが、リュウグウが問題としているのはこの雨のみ。隔離された世界だろうが彼にとっては問題ではない。だてにカグヤと対をなす存在と名のるほどである。その力は強大であり、カグヤも恐れる。だからこそ封印されている。リュウグウがこの空間に封印されて早600年がたっている。現在の忍界ではカグヤもまた封印されているとは知らない。ただ彼の目的はカグヤを倒し最強の存在へとなること。ただそれだけである。
「この雨さへなければ」
そう言った後、不思議なことに雨が止んだ。空を見上げるリュウグウの顔はとても素敵な笑顔だった。だが何故雨は止んだのか。その疑問はすぐにとけた。
「ヤァ、ヒサカタブリダネ、リュウグウ」
見た目が真っ黒なその存在がリュウグウの前に現れた。その姿に覚えはないが力の存在で分かった。
「ずいぶんと姿が変わったのだな」
黒い存在を見つめるリュウグウの目はすでに変化が起きていた。
「ナニ、オマエトオナジク、フウインサレタノサ。マァトリアエズハナノッテオクヨ。カアサンガウミオトシタカアサンノイシゼツダ。ヨロシクタノムヨ」
「そうか。私のとこに来たのはそういうことか。いいだろう。協力してやる。」
リュウグウの顔は今までにないほどにやけており、ゼツも宿敵に頼らなければいけないという苦い顔をしている。
「だが忍界にはいかない」
ゼツは今の言葉に疑問を持つ
「ナンダト、オマエハカアサンをタオスノガモクテキナノダロウ。ナゼカアサンノイルモトヘイカナイ」
「簡単さ。カグヤを倒す力を取りに行く。それだけだ」
「カアサンヲタオスチカラダト?チャクラノミトドウトウノモノガアルトイウノカ」
「あぁ1つだけ心当たりはある。私はその次元へと旅立つ。カグヤが封印されているということは私も同等の力を得なければその封印を破ることはできないだろう。故に聞こう。カグヤの封印を破るために共に来るかい?」
ゼツは考える。カグヤの封印を解くのには六道の力を持つ存在が無限月詠を発動しなければならない。その存在が今後現れるともわからない。故にカグヤは封印される直前に自分の持つ隔離された空間にいる大筒木リュウグウのもとへゼツを送った。大筒木一族のしかもカグヤの対となる存在のものであれば封印は解けるであろうと。だがリュウグウはチャクラの実と同等の力を別次元で得ると言っている。もしそうなれば封印は解けるだろうがカグヤが危うい。ここは長い年月をかけてでも六道仙人が現れるのを待つしかない。そう考えたゼツはリュウグウに悟られないようまた雨を降らそうとする。だがリュウグウがこの好機を見逃すほど甘くはない。
「封印などさせない。逆にお前を取り込もう。」
リュウグウが手をかざすとゼツは一瞬にして消えた。そしてリュウグウのもつペンダントにゼツは封印されてしまった。
「安心しろ。ちゃんとカグヤの封印は解いてやる。だがそれまでの間はそこでおとなしくしていろ。」
リュウグウは輪廻眼を発動するとカグヤと同じように空間に穴を開けてそこに入っていった。その先には紅世の徒とフレイムヘイズがいる世界である。フレイムヘイズや紅世の徒にとっては最大の敵になるであろう大筒木リュウグウ。果たしてその世界で何をなすのか。それはまだ誰にもわからない。
後書き
第1話でした。次回から灼眼のシャナの世界に入っていきます。
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