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Three Roses

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第三十一話 論戦その三

「外交のことは」
「王国がある限りは」
 侍女の一人が言ってきた。
「そうなりますね」
「あの国は強大です」
 マリーは決して王国を侮ってはいない、敵と認識しているからこそ冷静に見ている。そのうえで国力を分析して外交を考えているのだ。
「非常に」
「はい、確かに」
「あの国は強いです」
「単独で帝国とも渡り合える程です」
「強い国です」
 このことは事実だ、それ故に帝国もこの国も長年手を結んで王国と争ってきたのだ。
「教皇庁とも懇意ですし」
「何かと策略も仕掛けてきます」
「強いだけでなく頭も回る」
「そうした国ですね」
「ですからあの国が内乱の間にです」
 丁度今だ、長年に渡ってそうしている。
 しかしだ、王国がその状況でもというのだ。
「論戦はこの数日で決着をつけ」
「例え時間がかかろうとも」
「そうしてもですね」
「数日で終わらせる」
「そのうえで」
「四国の統合も進め」 
 そうしてというのだ。
「王国の内乱が終わり再び動く時は」
「こちらもですね」
「既に守りを固め」
「そしてそのうえで」
「対するのですね」
「そうです、まずは国内です」
 四国を含めたというのだ。
「国内をまとめることです」
「そのうちの一つが、ですね」
「今日の論戦ですね」
「今日からはじまる」
「それですね」
「そうです、では」
 それではと言ってだ、そのうえでだった。
 マリーは食事の後実際に神と主、精霊に祈ってからだった。自室で聖書を読んだ。暫くそうして時を過ごしていたが。
 時が来るとだ、自ら席を立ってだった。
 ロドネイ公達が詰めている部屋に来てだ、こう言った。
「学者の方々は」
「はい、既にです」
「用意をされています」
「そしてそのうえで」
「時を待たれています」
「そうですか」
 マリーは確かな声で答えた。
「あの方々もですね」
「これからのことに備えてきました」
「では、ですね」
「我々も場に出て」
「論戦に参加しますね」
「そうなります、全ての手筈通りです」
 まさにというのだ。
「進めていきましょう」
「はい、わかりました」
「では我々もです」
「場に赴き」
「そうして」
「この国の将来を決めましょう」
 こう側近達に言った。
「是非共」
「あちらはです」
 ロドネイ公がマリーに言った。 
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