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Blue Rose

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第四十一話 確信された事実その三

「その先生についても調べないといけないしね」
「衝夫先生のことも」
「そう、どんな先生かね」
「そのこともお話させてもらいますね」
「大体どんな先生かわかるけれどね」
「とんでもない先生ですね」 
 優花はまだ編入して間もないがそれがわかるというのだ。
「暴力にセクハラにって」
「うん、その話もね」
「お話させてもらいます」
「それじゃあ明日ね」
「お邪魔します」
 こうしてだった、優花は次の日の朝早くだった。療養所に向かった。そして当直だった岡島と彼から連絡を受けた副所長に優子との話、そして衝夫のことを話した。
 三人は当直室で話した、その話を聞いてだった。
 岡島は腕を組んでだ、まずは衝夫のことを話した。
「僕の予想通りだったよ」
「衝夫先生は、ですか」
「うん、よくいるタイプの教師だけれど」
 そのうえでの言葉だった。
「最低の奴だね」
「学校で皆から嫌われてます」
「嫌われて当然だよ」
 岡島は優花に目を顰めさせて答えた。
「そんな奴は」
「皆近寄ろうとしません」
「当然だよ、近寄ったら何されるかわからないから」
「私もそう言われてます」
「けれどだね」
「何かこの前私の方見ていまして」
「今来てよかったわね」
 副所長も優花に言う、三人が座っている席のテーブルには紅茶があるが今は手をつけてはいない。紅茶から出ている湯気はもうない。
「遅かったらね」
「危害を加えられていましたか」
「ええ、セクハラの常習犯よね」
「そうです」
「セクハラをしても何もされないのならね」
 そうした状況ならというのだ。
「もうやりたい放題だから」
「そうしたことをする人は」
「そうよ、無法地帯は無法者が栄える世界よ」
 アンタッチャブルというがこれが悪い意味に働いているケースだ、つまりエリオット=ネスではなくアル=カポネに都合のいい状況ということだ。
「その無法者こそがね」
「衝夫先生ですか」
「とんでもない人間ね、そしてね」
「そして?」
「多分だけれど」
 視線を右に、鋭くさせたうえでやってだ。副所長は話した。
「その先生か関係者がね」
「療養所の周りをですか」
「うろうろしててね」
 そしてというのだ。
「君のことを探ってるわね」
「そうなんですね」
「これは早く手を打つ必要があるし打ててよかったわ」
「あっ、それじゃあ」
 岡島はすぐにだ、副所長に尋ねた。
「もう」
「そうよ、探偵さんにはね」
「お話をされたんですか」
「手を打ったわ」
 探偵に連絡をして、というのだ。
「うろうろしているのがいたら調べてもらうし」
「そしてですね」
「その先生のこともね」
 衝夫、彼のこともというのだ。
「調べてもらうわ」
「そして、ですね」
「ええ、悪事をね」
 まさにそれをというのだ。
「警察に通報するわ」
「そうすればですね」
「終わりよ」
 そうなるというのだ。
「社会的にね」
「流石にそうしましたら」
「学校の先生じゃいられなくなるわ」
「学校の中で守られていても」
「学校の外まで話がいくとね」 
 そうなればというのだ。 
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