Three Roses
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十話 論戦に向けて八
「二番目だ、そしてだ」
「王国への剣ですね」
「あの国の喉元に突き付ける」
「そうして王国を牽制し」
「そのうえで」
「そうだ、王国を動けなくしてだ」
そしてというのだ。
「まずは異教徒の帝国へ守りを行い彼等に攻めさせず」
「その間にですね」
「内政を徹底し」
「そのうえで力をつけ」
「帝国に対する様になる」
「そうしますか」
「異教徒達を攻めることはない」
決してというのだ。
「私は戦いは好まない」
「太子はそうですね」
「戦いはお好きではないですね」
「ロートリンゲン家の方はそうですが」
「戦いを好まれませんね」
「王国を見るのだ」
帝国の宿敵であるこの国をというのだ。
「あの国は戦いばかりしているな」
「今は内乱ですが」
「他国との戦争も多いです」
「南の半島にも介入してきましたし」
「とかく何かとです」
「戦争をしていますね」
「そうしていますね」
側近達も言う。
「我が帝国ともこの国とも」
「この国とは百年以上争ってもきています」
「そうしたことを考えますと」
「このくには戦争ばかりです」
「やたら戦争をしています」
「しかも大きく負けが込んでいます」
王国はこの国とも帝国とも争ってきている、しかし実は大きく負け越しているのだ。勝つより敗れる方が多いのだ。
それでだ、太子の側近達も言うのだった。王国のことから戦いについて。
「そのことからも考えますと」
「戦争はすべきではないですね」
「やはり婚姻ですね」
「それを軸とした外交ですね」
「それを進めるべきですね」
「出来るだけです」
「戦争は避けてです」
「そしてそのうえで」
「得るべきものを得ていくべきですね」
「ロートリンゲン家が武力に訴えるのは最後の最後だ」
まさにというのだ。
「全てが整ってその最後の段階かそれしかない時にだ」
「戦争ですね」
「それを選びますね」
「しかしそれ以外は」
「そこまで至るかそれしかない場合以外は」
「私も同じだ、この国でも武力は用いない」
またこう言ったのだった。
「その必要がないのだしな」
「だからこその論戦ですね」
「それを挑むのですね」
「軍隊でこの国を奪うのではなく」
「そちらで」
「若しこの国を奪おうとする」
ロートリンゲン家の軍事力でだ、ロートリンゲン家は武装と数においては大陸随一の陸軍と海軍の両方を持っている。
その軍事力をこの国に使う、そうなるとというのだ。
「多くの海軍の船が必要だ」
「この国は島国ですし」
「海軍は必ず必要ですね」
「船に多くの陸軍を乗り込ませ」
「そのうえで攻め込ませますね」
「それだけでも大変だ」
海軍まで使っての大規模な侵攻、まさにそれだけでもというのだ。
ページ上へ戻る