歌集｢春雪花｣

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　闇雲の

　　星の絶へなむ

　　　冬空の

　仰ぐも虚し

　　　夜もすがらかな

　何も見えない…闇だけが支配する…｡

　星は雲に隠され､幽かな月明かりさえない冬の寒空…｡

　そんな空を見上げても…ただ虚しくなるだけで､彼のことを考えれば考えるほど…自らの愚かさしか浮かばない…｡

　無分別…そう言われても仕方無い…｡

　夜通し…淋しさに苛まれるだけ…｡

　久方の

　　晴れ間に見ゆる

　　　日と空に

　心痛みし

　　　　君なかりせば

　久々の快晴…寒さも和らぎ､屋根から落ちる雪解け水の滴りさえ軽やかに聞こえる…｡

　太陽は輝き､青空は広がる…そんな春を垣間見せる日和だと言うのに､私の心は晴れることもない…｡

　太陽も青空も…彼のことを思い出させ､ここに彼がいないことを強調するかのようで…｡

　後どれだけ…堪えれば良い…?

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