転生とらぶる
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ガンダムW
1596話
何だかんだと、凛が交渉術……というか半ば脅しに近い感じでデュオを仲間に引き込むと、次に問題になるのはどこで合流するかという事だった。
いやまぁ、いつの間にか覗き魔の称号を得ていたデュオに関しては、色々と不憫に思わないでもないが。
恐らく……これから凛にはその件について色々とからかわれる事になるのは間違いないだろう。
色んな意味で哀れに思うが、デュオとデスサイズは間違いなくシャドウミラーの戦力になるので、俺も無理には止めなかった。
『はぁ……で、俺はどこに行けばいいんだ? ハワードのサルベージ船って今どこにいる?』
何もかもを諦めたような声音のデュオの声。
もしこの通信が音声のみではなく映像も出るタイプであったら、恐らく気力が尽きた状態のデュオの顔がモニタに映し出されるのだろう。
「そうね、ちょっと待って。……サリィ、ここは……」
満面の笑みを……相手に完勝したといった感じの笑みを浮かべている凛が、サリィとデュオが待ち合わせに使える場所について情報交換をしている。
そんな2人の様子を見ながら、俺は改めてデュオに尋ねる。
「凛に交渉させておいて尋ねるのもなんだけど、本当にいいのか?」
『交渉ってな。あれはどっちかと言えば脅迫だろ』
うんざりしたといった様子のデュオの声だったが、それに俺が何かを告げるよりも先に再びデュオが口を開く。
『ま、シャドウミラーに所属するってのは、考えてみればそんなに悪い選択肢じゃないしな。さっき言われたように、本当に連合軍がコロニーに対して宥和政策を行うのかどうか……それが本当ならば、よし。けど、もし嘘だったりした場合……』
最後まで言わずに言葉を濁すデュオだったが、それでも何を言いたいのかは明らかだ。
つまり、そうなったらシャドウミラーを内部から食い破ると。そう言いたいのだろう。
シャドウミラーを率いる俺にそんな事を前もって宣言するのはどうかと思うが、これはデュオなりの誠意なのだろう。
いざという時に裏切るかもしれない自分を、それでもシャドウミラーとして迎え入れるのか、と。
その気持ちは分からないでもない。
だが、ノベンタが元帥である以上、その心配はいらないと言ってもいい。
連合軍のトップ3の中で最も強硬的な性格だったセプテムも、今はOZの相手で手一杯といった状況で、コロニーに対して原作のように強硬姿勢で接する事はまずないだろうし。
寧ろ、そうしようと思った場合、ノベンタとベンティに排除されるだろう。
「ま、その辺を確認する意味でもシャドウミラーの中で見ていけばいいさ。それより、他のガンダムのパイロットに連絡を取るのはやっぱり無理なのか?」
『無理じゃないけど、多分あいつ等は俺と一緒には来ねえぜ? ヒイロの奴はどうか分からねえけどよ』
色々とエキセントリックな性格をしているヒイロだが、MSの操縦技術という意味では間違いなく一流だし、工作員としての腕も文句はない。
……問題となるのは、何気に常識が微妙になかったりするところだが……その辺は日常で生活をしていれば、その内どうにかなるだろう。
まぁ、そのヒイロもデュオによるとこないらしいが。
もしかして、リリーナの側にいたりしないだろうな?
というか、この歴史のリリーナはどうなってるんだろうな。
原作だとピースクラフト家の人間として動き出す頃合いだと思うんだが。
「アクセル、デュオ。話はその辺にして頂戴。早速だけどデュオにはこっちと合流して貰うわ」
『へいへい、もう好きにしてくれよ。それでいいなら、幾らでも従うからさ』
半ば自棄っぱちといってもいいようなデュオの言葉。
だが、そうでありながら。間違いなくデュオはその飄々とした態度の裏でこっちの様子を窺っているのだろう。
本当に連合軍がコロニーに対して宥和政策を行うのであればよし。だが、それが嘘なら……
実際にそれを行動に移せるかどうかはともかく、そう狙っているというだけで俺達も……そして監視されている連合軍側も、迂闊な行動には出られない。
「そう。じゃあ、今から言う座標にガンダムで移動してきて。ああ、トレーラーで運んできても構わないわよ?」
凛の言葉にデュオが頷き、合流についての話し合いが行われる。
それを見ながら、俺がやるべき事は余計な口を出さずに眺めているだけだ。
ここで迂闊に口を開けば、また妙な方向に話が飛んでいきかねないし。
「そう言えば、アクセル。現在トールギスの改修作業をしているという話をしておったが……」
俺が暇そうにしているように見えたのか、ハワードがそう話し掛けてくる。
「ああ。関節部分に結構疲労が溜まっててな。それに、ガンダムが持っているような頭部バルカンがないのは痛い」
「ふーむ……お主の操縦技術を考えれば、それは当然かもしれんな。ちと悔しいが」
「悔しい?」
「ああ。あの機体は、儂が……いや、儂等が当時持っている最高の技術を集めて開発した機体じゃ。実際、当時はトールギスを十分に操縦出来るだけの者はおらんかった程にな。じゃが……今のトールギスでは、アクセルの操縦技術についていけんのじゃろう? それは技術者として不満を持つのは当然じゃ」
サングラスを掛けているので正確なところは分からないが、それでもこうして話していると悔しいという雰囲気は伝わってくる。
一流の技術者だけに、どうしても自分の過去の作品が俺の操縦技術に遅れを取るというのが許せないのだろう。
「けど、ハワードが改修してくれたスーパーバーニアは、今のところ全く問題ないぞ?」
実際現在のトールギスは、MSとして考えればかなりの性能を持っている。
それこそ機動力を活かして戦闘をすれば、ガンダム3機を相手にしても負けない戦いくらいは出来る程に。
だが、それでもハワードは我慢が出来ないのだろう。
……もっとも、ハワードの専門はあくまでも推進機関……トールギスで言えばスーパーバーニアだ。
それ以外の専門外の件でハワードの手を煩わせようとは思っていない。
「他のガンダムの開発者に連絡が取れれば、また違うのかもしれないがな」
「そうじゃな。じゃが、それが無理なのはアクセルも知っておるじゃろう?」
ハワードの言葉に、無言で頷きを返す。
実際、OZにとってガンダムの開発者というのはガンダムを開発した憎むべき存在であり、同時にその技術を得る為に喉から手が出る程に欲している存在だ。
原作でもレディ・アンは5人の科学者の素性を半ばOZの関係者だと予想していた。
だとすれば、この世界でも恐らく元OZの技術者だという予想はしているだろう。
つまり、裏切り者を放っておく訳にもいかないという事もあり、より必死に5人の技術者を探すだろう。……まぁ、正直なところを言えばハワードもその5人の仲間なのだから、同じ地球上にいるハワードが一番危険な筈なんだが。
その辺りは灯台もと暗しって奴か?
「だろうな。だからこそ、こっちで出来る改修作業を連合軍の整備員に頼んでいるところだよ」
そう告げると、ハワードも納得した様子で頷く。
その表情が若干苦々しいものに感じられたのは、やはり自分がトールギスを開発したという強い自負があるからか。
「アクセル、そろそろ帰るわよ」
デュオとの間で話が纏まったのか、凛が俺に向かってそう告げる。
「もういいのか?」
「ええ。デュオは私達に合流するのを快く納得してくれたわ」
……快く? と一瞬疑問に思ったが、ここで何かを言えばそれは俺にも被害が出そうなので、大人しくデュオを生贄に差し出して口を噤んでおくとしよう。
経緯はどうあれ、デュオがシャドウミラーに所属する事になったのは明らかなのだから。
視線をサリィの方へと向けると、何故か誤魔化し笑いを浮かべられたが。
うん、気にしたら負けだな。
「分かった。……なぁ、ハワード。お前達もシャドウミラーに来る気はないか?」
「儂等もか?」
「ああ。お前達の持つ能力は、シャドウミラーとして是非欲しい」
ガンダムを作った5人の科学者は、能力はあれどもあくまでも個人だ。
いや、実際にはガンダムを作る際には色々と協力している者もいるんだろうが。
実際原作でもバートン財団でヘビーアームズを開発している時に何人も科学者や技術者らしいのがいたし。
だが、それはあくまでも協力関係にあるというだけだ。
それに比べると、ハワードの部下は少なからずその能力を受け継いでいるというか、弟子的な扱いというか。
少なくても以前トールギスの仕上げとスーパーバーニアの改修を頼んだ時の事を思えば、連合軍の整備員達よりも腕が立つのは明らかだった。
だからこそ、シャドウミラーに欲しい。
もしハワード達がいれば、現在行われているトールギスの改修も間違いなく早く終わるだろうし。
それに、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、ホワイトスターと連絡が出来るようになった時、そのまま技術班に……という可能性もある。
「……いや。儂等は遠慮しておくよ」
だが、ハワードはあっさりとそう告げてくる。
「随分とあっさり断るんだな」
「いや、勿論悩んだ。じゃがな。儂は大きな組織に雇われるというのは、もう真っ平なんじゃ」
なるほど。
当然その理由としては、以前OZに雇われていた事だろう。
そしてトールギスの設計をしたのはいいが、結果として他の5人の科学者と逃げ出した、と。
「けど、今のOZはガンダムを開発した技術者を探している。そうなれば、当然お前に辿り着く可能性もあるぞ?」
ハワード自身はガンダムの開発に関わってはいない。
だが、それでもトールギスの開発に関わった技術者として、有能なのは間違いない。
それにデスサイズの整備もしてるのだから、少なからずガンダムの技術についても詳しいだろう。
ウイングガンダムは……ヒイロが自分の機体は他人に触って欲しくないという主義だから、ハワードも詳しくはないだろうが。
ともあれ、ハワードは現在地球にいる人間の中でトップクラスにガンダムの技術について詳しいのは間違いないのだ。
そんなハワードを、OZが……レディ・アンが知ってしまえば、決して見逃すとは思えない。
連合軍に協力している立場のシャドウミラーとしても、OZにハワードが捕まるような事態は歓迎出来ない。
ハワード1人だけであれば、原作と違ってメルクリウスとヴァイエイト……そしてビルゴとビルゴⅡが開発されるような事はないだろう。だが、逆に原作に全く存在しないMSが開発される危険すらあった。
……それはそれで面白そうな気もするけどな。
今のOZに俺の侵入を探知する事は出来ない。
いや、監視カメラの類を駆使すればどうにか侵入を探知する事は出来るかもしれないが、生身の俺に向かってどうにか出来る筈もなかった。
何しろ、物理攻撃が通用しないのだから。
「ぬぅ。お主の心配も分かる。分かるが……今更誰かの下に付くというのは、儂の性に合わないんじゃよ。儂が出来るのは、こうして頼ってきた相手に手を貸すくらいじゃ」
「そうか」
何かを口にしても、それは決して受け入れられないだろう。
アロハシャツにサングラスという軽そうな見かけとは裏腹に、ハワードは何気に頑固だしな。
「なら、何かあったらすぐにシャドウミラーに連絡を入れてくれ。お前達がOZに捕まると、こっちにとっても不利益だからな」
「うむ。……すまんな」
心の底から申し訳なさそうに告げてくるハワード。
だったらシャドウミラーに所属してくれれば……と思うが、それは無理なのだろう。
シャドウミラーは実際には傭兵団という扱いであり、必ずしも連合軍の傘下にある訳じゃないんだが。
まぁ、ハワードの中に色々としこりがあるのは仕方がない。
「別にいいさ。ただ、そのうち気が変わってシャドウミラーに所属してもいいと思うようになったら、連絡をしてくれ」
「うむ。そのような時が来るのかどうかは分からんが、そうなったら連絡しよう」
しっかりと頷くハワードに、それ以上は何も言わない。
ここでこれ以上何かを言っても、それは寧ろハワードの態度を頑なにするだけだろうし。
「凛、じゃあ、そろそろいいか?」
「ええ、こっちは大丈夫よ。アクセルがハワードと話していたから時間が掛かったんでしょう?」
「そうか? ……お前がデュオをいぢめてたから時間が掛かったんだと思うけどな」
「そんな訳ないでしょ」
「……サリィはどう思う?」
サリィに視線を向けて尋ねてみると、そっと視線が逸らされる。
それは、答えたくないのか……それとも答えられないのか。
ともあれ、俺達はそんなやり取りをしながらもサルベージ船から出ていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1309
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