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ラヴ=ソング

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第三章

 そのうえでだ、柔道部との合コンに私なりに着飾って合コン場所の居酒屋に行った。すると柔道部だけあってだ。
 大柄な人が一杯いた、私はその柔道部の人達を見て友達に囁いた。
「皆大きいわね」
「柔道部だからね」
「柔道も体格必要だからね」
「柔よく剛を制すっていうけれど」
「うちの大学の柔道部大きい人ばかりよ」
「そうよね、皆一八〇はあるわね」
 一番小さそうな人でもそれ位ある様に見えた。
「巨人みたいよ」
「あんた日本ハムファンだけれどね」
「確かに柔道部は巨人揃いね」
「いや、実際に大きな人ばかり」
「巨人がずらりね」
「圧巻ね」
 私はこうも言った。
「じゃあ今からね」
「ええ、食べ放題飲み放題だからね」
「どんどん食べてね」
「それでお酒もお料理も楽しみながらね」
「楽しみましょう」
「それじゃあね」
 私もその言葉に頷いてだ、それでだった。
 合コンに入って楽しくお喋りをしながらお酒もお料理も楽しんだ。その中で向かい側の席の一九〇はあるフランケンシュタインみたいな人と特に話をした。
 学年は私より一つ上だ、声は低くて。
「へえ、趣味はラジコンですか」
「そうです」
 生真面目な調子で答えてくれた。
「小学校の時からしています」
「それで、ですか」
「今も造って動かして楽しんでます」
「造ってるんですか」
「プラモと同じです」
「それは凄いですね」
「後は柔道をして」
 柔道部だけあってだ。
「家が花屋なんで手伝いもしてます」
「実家は、ですか」
「そうです、花屋です」
 そうだというのだ。
「だからお花も好きで」
「何か」
「違和感ありますか」
「すいません、かなり」
 内心かなり戸惑いながら彼に答えた。
「想像出来なくて」
「そうですか、やっぱり」
「ですが趣味は」
「はい、ラジコンに柔道にです」
「お花ですか」
「そうしたものです」
「それで好きなお花は」
 私から聞いた。
「何ですか?」
「色々ありまして」
「あっ、そうなんですか」
「お花はどれも好きです」
「嫌いなお花はないんですね」
「はい、どれも」
「じゃあ一番好きなお花は」
 さらに聞いた、ここで。
「何でしょうか」
「薔薇ですね」
「薔薇ですか」
 そう聞いて意外な気がした、人は外見で判断出来ないけれどどうも薔薇が好きには見えない感じだからだ。
「そうなんですか」
「特に赤い薔薇が」
「お好きですか」
「そうなんです」
 私に照れ臭そうに言ってきた、そのはにかんだ顔がやけに愛嬌があった。
 その愛嬌を見てだ、私は彼にさらに聞いた。
「じゃあいつもお店には赤い薔薇も」
「あります、よく見て楽しんでます」
「そうですか、それでお店は何処にありますか」
 自分でもここで踏み込んだと思った、自然とそうしてしまった。 
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