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Blue Rose

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第四十話 ならず者共の暗躍その六

「痛めるだけじゃない」
「それを生徒にやらせてるのよ」
「そんな意味のないことさせるって」
「この前は連帯責任とかで生徒に三十分正座させたりね」
「そんなことばかりして」
「自分はしないし」
 生徒に強要はするがだ。
「それで出来ないとそれでも男か、だし」
「普通にそう言うしね、あいつ」
「運動会でも威張り散らすしね」
「そうそう」
「そして今日は兎跳び」
「部員の足腰痛めさせて何になるのよ」
「あの、兎跳びって」
 優花もその話を聞いてだ、先輩達に驚いた顔で尋ねた。
「今時そんなことやらせる先生がいるんですか」
「それが衝夫よ」
「あいつなのよ」
「体育教師なのにスポーツ学の知識ゼロだから」
「そんなこと全然知らないのよ」
 先輩達は優花にもこう話した、実に忌々しげな顔で。
「それでそういうことさせるの」
「稽古じゃ生徒床の上で背負投げするしね」
「剣道部員も大変よね」
「そうよね、あんな馬鹿が顧問で」
「よくクビにならないですね」
 優花はこのことが不思議で仕方なかった、話を聞いていて。
「そんな指導と暴力で」
「私達も不思議だけれど」
「あいつクビにならないの」
「ずっと学校の先生やってるの」
「それであちこちの学校で酷いことしてるのよ」
「それでうちに来てもね」
「そんな調子なのよ」
 馬鹿げた指導に暴力、セク八ラとだ。
「バックにヤクザより酷いのいるらしいし」
「変な市民団体とか新聞記者とか」
「だから変に手を出せないのよね」
「教育委員会が話を聞いても」
「それに教育委員会も似た様なものらしいし」
 腐敗しているというのだ、一人の腐敗しきった教師がいれば教育委員会もまた腐敗している可能性がある。そうした教師を野放しにしているからこそ。
「この辺りの教育委員会はね」
「何かの漫画のイタリアの警察みたいに」
「もう腐りきってててね」
「変な先生がクビにならないらしいから」
「教育委員会もそういうのと付き合いあるらしくて」
「酷いみたいよ」
「そうなんですね」
 優花は先輩達の話を聞いて俯いてしまった、自然に。
「じゃああの先生は」
「クビにならないから」
「少なくてもそう簡単にはね」
「だから蓮見さんもね」
「気をつけてね」
「絶対に」
「はい」
 優花もこくりと頷いて応えた。
「そうさせてもらいます」
「そうしてね、あいつとにかく酷いから」
「頭も悪いしね」
「下品だし」
「そうそう、言葉とかが」
「動きもね」
「人間としてね」 
 それこそというのだ。
「体育会系か何か知らないけれど」
「それでもね」
「その中でも下品な方よ」
「人間の屑っていうか」
「屑と呼ぶにも値しない屑?」
「そんな感じよね」
「モラルもないし」
 このことも言うのだった、優花に。 
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