| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

意味☆不明なまま転生譚

作者:御門
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 次ページ > 目次
 

 
前書き
そろそろARC-Vも終わってストーリーや設定も大体わかったからこっちVerでリメイク。 

 
唐突でなんだが、一つ聞いて欲しい。

なんだかの理由でファンタジー、パラレル、SF、恋愛系、エ○ゲー系とかジャンル様々に異世界で別人として転生とかするのは昨今の創作では珍しくないどころか食傷気味ですらあるこのパターン。

この設定はリアル世界の知識やら何やらでチートもどきの設定を自在に扱えたり、キャラを動かしやすいとかの利点がとてもとてもありがたいのだ。

もちろん逆に欠点もあるが、それを気にするなら元々使わないだろうから気にする必要はないと断言しよう。

だがまぁ、これは現実だとまずありえない、というかあったらこの世界からはバイバイしてるため経験した事があるとか言う人は妄想癖が限界突破しているか別世界出身のソウルを宿したお人以外居ないからこそある意味何でもアリな感じで読めるんだと思う。異論は認める。

だが一つここで想像してみよう。

仮にもし自分が実際に何かしらのトラブルでそうなったらと。

これが主人公属性を覚醒した人なら自分以外のコミュニケーションの取れる知的生命体となって物語を紡いでいくに違いないが、下手したら人間外のになって軟な文明人ソウルが耐え切れずに発狂とかもあり得るのだと考えれば躊躇するだろう。

というか知的生命体になっても戦争とかに巻き込まれるとか下層民になって一日上流階級の大量消費を支える人柱とかになるのは個人的には真っ平御免と訴えたい。

喜ぶ人がいるとしてら、生粋のM、英雄願望が心に輝かしく光ってる熱狂的ギャンブラー、どんな内容でもいいからとにかくブラック規模で仕事をしないと落ち着かないワーカホリック、もしくは快適な空間でコーヒーでも飲みながらサイフの重量を重くできる立場の人間になったラッキーマンで間違いない。

それを踏まえて考えれば、今の自分は比較的恵まれていると自己暗示出来ない事もないのだ。

ただ仕事から帰ってすぐにベッドに転がって意識が途絶えた記憶を最後に脈絡なく見知らぬ若い女性にだかれ謎性転換で女の子の赤ん坊となっていても!

しかもその世界?の常識が自分の知ってる常識とズレてて、テレビではカードゲーム関連の大会やら何やら野球中継並みに流れててバラエティでもそのカードゲームに関するネタが溢れてて、カードを機械に置くだけでそのカードの絵柄のモンスターを立体映像で投影してくれる超技術がカードゲームなんぞに普通に使われたりしている程度ならば!!

ちゃんと人類として産まれて平和な日々とある程度裕福らしい生活環境であるのだから一切合財ノープログレム、オールオーケーであると!!!

「は~い、雛ちゃん。どうしたんでちゅか~?」

「バブっ!?」

舌足らずにバブバブと隣に転がっていた妹?に当たるだろう赤ん坊に鬱憤を払う様に熱弁に演説をかましていたら、母親に当たる美人に抱き上げられてゆっくり丁寧に揺られてしまう。

ちょっ、やめて!

寝ちゃう!赤ん坊は睡眠耐性、が皆、む……なの………



Zzz Zzz……









おはよう、見も知らぬどころか存在自体がオレの空想な諸君。

今回はキンクリして赤ん坊から成長した小学1年生になっていますよ。

もしや一般教育にもカードゲームの魔の手が伸びてるんじゃないかと戦々恐々としてがそんな事はなかったぜ!

代わりに予想以上に一般社会にこのカードゲームが蔓延ってるけどな!!

というか、このデュエルディスクとかいうカードゲーム用機械でカードに書かれているモンスターとかが立体投影できるんだけど、これが子供の腕に付けれる大きさ・重さで普通に売り出されてるんだよ。

更に最近ではこの立体映像に質量を持たせる事に成功したとかいう話だし、そんな超技術をカードゲームなんぞの為につぎ込むとか、どんだけカードゲームに本気なのかと言いたい。

いやさ、確かに元々の世界でも外国なら数万、数十万ドルとかの賞金が出るカードゲーム大会とかもあるって聞いた事があるけどさ。

それでもこれは異常じゃないかな?

ネット統計でもこのカードゲームのプレイヤーが全体の90%以上いるって話だし、これを売り出してる会社はどんだけ儲けてるんだろうね。

地元だとさっき言った立体映像に質量を持たせる事に成功した会社がデカい本社ビル建てたとかニュースで言ってたし。

まぁ、そんな事を考えてる内にふと思ったんだよ。


『この世界でこのカードゲームをしてないのは色々と不味くない?』


と。

何だかんだと街中でデュエルだとかデュエルモンスターズだとかの名前が跋扈しているのに、元々の世界の常識に引っ張られて気付くのに7年近くも掛かるとか自分でもどうかと思うが、過ぎた事はしょうがない。

ルール自体はネットで簡単に説明されてるのがあったし、実際にカードを揃えて子供のうちになれとけば所詮はカードゲーム、何とかやってける筈。

そうと決まれば善は急げと、親にねだると驚くほど簡単にカードをデッキ一式分買ってくれた。それこそ文房具を買ってくれる様に。

こんなあっさり子供に買い与えていいのかしらとかも思うが、都合が良いので気にしないのが人生のコツということでカードを確認していく。

『雛』とかいう今の俺の名前に合わせたのか、鳥獣族とかいうモンスターのカテゴリでまとめられたデッキみたいで描かれてるイラストも中々にいい。

まぁ個人的には機械系のが好みな訳だが、それは後々お金に余裕ができれば自分で集めればいいか。

情報サイトにあったエクストラデッキとかに入れるカードは無いけど、一先ずこれでゲーム自体は出来る様になったわけだ。

早速学校に持っていって、やっている連中に「まぜてー」と加わったんだよ。

やるのは初めてだがネットで書かれていたルールは一通り覚えたし、相手は小学一年。

慣れてくためにゲームをするのは必須だけど、その過程で泣かさないように注意してかないとなー、とか考えてた俺を戻れるなら殴りたい。

カードゲームしてたグループの輪に入った俺は、夜空ちゃんっていう子と対戦することになった。

「ひなちゃんからせんこーでいいよー」

「ありがとう。じゃあドロー!」

手札は《サイクロン》《ハーピィ・レディ1》《バードマン》《炸裂装甲》《強者の苦痛》《万華鏡-華麗なる分身-》

中々にいい手札な気がするな。

《ハーピィ・レディ1》は風属性を強化できるし、《万華鏡》でモンスターを追加で出す事も出来る。

けど先攻は攻撃出来なかったはずだし、単純に攻撃力が高いの出しとくのがベターだろう。

「《バードマン》を召喚して《強者の苦痛》を発動!更に二枚伏せてターンエンド!」

《サイクロン》は魔法とかを破壊できる上に相手のターンにも使える魔法カードで、《炸裂装甲》は俺に攻撃してきたモンスターを破壊できる罠カード。

更に更に《強者の苦痛》は相手モンスターの攻撃力をそのレベル×100分下げる永続魔法。

万が一にも《バードマン》が破壊されることは無い鉄壁の布陣!

ああ、自分の才能が怖い!

「じゃあつぎはあたしねー。かーどをひいてー、てふだをすてて《わん・ほー・わん》をつかうねー。でっきかられべる1の《れべる・すてーらー》をだすよー」

レベル1モンスターね。

そんな低レベルモンスターを態々手札1枚を犠牲にしてまで出そうなんて微笑ましいなぁ。

攻撃力も《バードマン》の3分の1の600、《強者の苦痛》で更に下がってたったの500。

せめて守備表示で出してたら壁ぐらいにはなってたんだけどなぁ。

「《しさそせい》でー、さっきすてた《じんぞうにんげん-さいこ・しょっかー》をだすねー。このこがいると、わたしもひなちゃんもわなはつかえないよー」

おっと、さっきのはこれの為の下準備だった訳か。

いやはや、小学1年生にしては良く考えたコンボだな。

でも攻撃力は2400と高いけど、レベル6だから下がって1800

罠カードが使えないのはキツいけど、出来て《バードマン》と相討ち。

次の俺のターンでハーピィコンボで一気に―――――

「おたがいにもんすたーがいるから《きょうせいてんい》はつどー。ひなちゃんのもんすたーといれかえるよー」

……おいぃ?

相手の場に上級モンスターがいるのに、レベル1で攻撃力が600しかないモンスターと☆4攻撃力1800(交換したら1400)を強制交換?

絶対にお断りにきまってんだろ。

「ならセットしてた《サイクロン》で《強制転移》を破壊するよ!」

「ほえ?」

すまない幼女よ、勝負は非情なのだ……ってアレ?

「交換、されてる?」

Why!?何故に!?

「《さいくろん》はー、かーどをはかいできてもこうかはむこうにはできないんだよー?」

なん、だと……

カードを破壊したらフィールド上に無いし効果も無効になるんじゃないのか!?

あの情報サイトめ!こういう重要な情報はしっかり書いとけバーカ!!

「つづけるねー。《バードマン》をりりーすしてー、《じゃていがいうす》をしょうかんするよー」

「うっ、また攻撃力2400の上級モンスター……」

《サイコ・ショッカー》と同じくレベル6で攻撃力2400だから下がって攻撃力1800。

《レベル・スティーラー》が攻撃表示だから両方通れば差引3000、いきなり初期点の3分の1が吹っ飛ぶのはキツい――――

「しょうかんした《じゃていがいうす》のこうかでー、《れべる・すてーらー》をじょがい。《れべる・すてーらー》はやみぞくせいだからー、ひなちゃんに1000のダメージだよー」

雛 LP4000→3000

えっ?なにそれ怖い。

場ががら空きになっただけでなく、何で追加ダメージまであるんだよ!?

闇属性限定っぽいけど、鬼畜過ぎだろう!?

しかも立体映像のがやたらとリアルで恐いし!!


「じゃあ、ばとるだよー」

はっ、や、ちょっと待って。

今俺の場にモンスターがいない―――

「《じんぞうにんげん-さいこ・しょっかー》でひなちゃんにだいれくとあたっくー」

雛 LP3000→1200

「うわっ!?」

ARヴィジョン怖っ!

リアル過ぎて怖い!

「《じゃていがいうす》でとどめだよー」

「ぎゃーーーーーーーーーー!!!!」

雛 LP1200→0



「あたしのかちだねー」

「…………」


このゲーム、怖い。

ルールもなんかよく分かんないアレだけど、とにかく怖い。

まさか小学生、しかも一年生がこれとかどうなってんの?

えっ?

これをつづけてかないといけないの?


……マジで?

 
< 前ページ 次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧