MS Operative Theory
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内部図解
メガ粒子砲①
——ミノフスキー物理学が生んだ宇宙世紀最強の「矛」——
宇宙世紀において、「ビーム砲とされる兵器のほぼ全てが、メガ粒子ビームを発射する「メガ粒子砲」となっている。メガ粒子砲の最大の特徴は、実体弾式の火砲やレーザー砲に比べ圧倒的に威力が高いことである。実体弾式兵装の問題点は、炸薬・装薬がどれほど大きなエネルギーを発揮できても、それらの燃焼速度(液体炸薬を用いても3000m/秒程度が限界とされた)や搭載量の都合上、砲弾やジェット噴流に与えられるエネルギーに限界があり、更に熱や音によって周囲にエネルギーを逃しやすいため、装薬が持つエネルギーの30%~40%程度しか威力に反映できない。レーザー砲についても同様で、エネルギー変換率こそ火砲に比べ20%強とされるが、これは発射に使用するエネルギーが実弾系よりも大きいため、最終的に実弾系兵器より高い威力を発揮するからである。これに対し、メガ粒子砲のエネルギー変換率は85%にも達しており、仮に使用されたエネルギー量が同じだった場合、メガ粒子砲の威力は実体弾の2倍以上となる。この点だけを見ても、メガ粒子砲がどれほど強力な兵装であるかは一目瞭然である。
次はメガ粒子砲の構造について見ていこう。ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉やガンダリウムγ(ガンマ)、その集大成であるMSなど、ミノフスキー粒子の発見以後に出現した軍事技術は、多かれ少なかれミノフスキー物理学の恩恵を受けていると言える。そして、ミノフスキー物理学そのものがより直接的に反映されたものが、メガ粒子砲なのである。ミノフスキー粒子には、正の電荷と負の電荷を帯びた2種類の粒子があり、この二つが対となって存在している(このミノフスキー粒子対が複数集まって立方格子状になったものが、ミノフスキー粒子立方格子、つまりIフィールドである)。このミノフスキー粒子対に負荷を掛けると、正と負のミノフスキー粒子が縮退・融合して電気的に中性な「メガ粒子」となる。メガ粒子は縮退時に与えられたエネルギーを見かけ上の質量に転換して蓄え、更にその一部は運動エネルギーへと再転換される。高エネルギー状態となったメガ粒子は「弾」として充分な量となるまで蓄積された後に発射されるが、そのままでは無秩序に拡散してしまう。そのため、Iフィールドで形成された「砲身」内で収束と加速が繰り返された後、発射される(Iフィールドはメガ粒子を遮断する特性があるため、フィールド内のメガ粒子は、唯一の逃げ道である「砲口」に向かうことになる)。
U.C.0075.05、ジオン公国において、このプロセスを安定して行えるメガ粒子法が開発され、艦艇などの大型プラットホーム用の主砲や副砲として採用された。一年戦争期には連邦軍内において初めてMS携行用メガ粒子砲、つまりビーム・ライフルが実用化され、グリプス戦役にはMS用の標準的火器として定着。これにより殆どの機動兵器にメガ粒子砲が装備可能となり、宇宙世紀の戦場はメガ粒子砲に支配されることとなった。
補足事項
——ビーム・サーベルとメガ粒子砲——
ビーム・ライフルと対を成すビーム兵器といえば、ビームサーベルなどのビーム系格闘兵装を思い浮かべる人も多いだろう。確かにビーム・サーベルがミノフスキー粒子を利用したビーム兵器の一つだが、実際にはメガ粒子を放出しているわけではない。ビーム・サーベルのビーム刃を構成しているのは縮退寸前のミノフスキー粒子であり、その状態ではメガ粒子になっていないのだ。
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