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ひまつ部し。

作者:橘びす
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開幕とリア充と失禁。

南神山高校本校舎。
活気に満ち溢れ、どの教室からも楽しそうな笑い声が聞こえる。
「ねー、どこも人いるみたい…どこでお昼食べよっか」
「そうだな……困った」
食事場所を見つけられずうろうろと校舎を歩く
1組のカップル。と、
「ん?ここ…」
1つの教室の前で彼氏が足を止めた。
「どうしたのー?」
「いや、ここだけ声がしないから。
もしかしたら空いてるかもと思って」
彼女が扉の前で耳をすます。
「………ほんとだすっごい静か」

「入ってみようか。人いたら謝ればいいんだし」
そう言って彼氏がドアノブに手をやる。
「じゃあ私、人いないに1票。当たったらジュースおごって!!」
「お前なぁ……じゃあ俺は人いるに1ぴょ………」

バンッ!!!!!!!

言い終わらないうちに、ものすごい音をたてて開くドア。
とっさに手をひっこめなければ怪我をしていただろう。
それほどに強い力だった。
『うるさいんですけどぉ………?』
すぐに人が出てくる。
ゆらり……と柔らかい動きで金髪の少女が
カップルを睨んでいた。
「「ひいッ!?」」
愛らしい顔に似つかわしくないとんでもなくドスの効いた声、そして
全身血塗れでズタ布のような制服。
あまりの事に顔面蒼白で固まるカップルに少女は
追い討ちをかけるように一言。

『さっさとどっか行ってくれない……?』

「きゃああああああああああああ!!!!!!!」
「すいませんでしたああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
大泣き、逃走。
可哀想な二人の背を見つめながら、少女が忌々しそうに呟く。
「バカップルまじうぜー」

「どーしたんですか里奈部長…」
室内から彼女を呼ぶ声。
「あーごめん何でもないよー。
リア充が入ってこようとしたから撃退しただけ」
「全身血糊まみれで?
絶対七不思議とかにされますよソレ」
里奈と呼ばれた少女はえへへーと苦笑。
「だよねー迂闊」

「律を驚かせるためにやってんのに… あいつ遅いなー」

昼食後の男子部員が部室のドアを開け、
絶叫して恐怖で失禁してしまうのはこの10分後の話。

残念で最低でめちゃくちゃで……
ひまつ部しは今日も平和です。 
 

 
後書き
拙いなんてもんじゃない、
こんな物を最後まで読んでくれた方がいるのなら
本当にありがとうございます。
ひまつ部しは元は私の創作漫画で、
今回初めて小説にしてみました。
これからも細々と続けていくので
良ければ次回以降も……お付き合い下さい。
暇潰しになりますように。 
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