Blue Rose
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第三十九話 認識その七
衝夫は優花のことを個人的に調べだした、彼女のクラスには一切関わっていないがそれでも構うことはなかった。
そして優花を調べてだ、あることに気付いてだ。
鍛冶元と飲んでいる時にだ、こう言ったのだった。
「この前に佐世保に行った帰りに可愛い娘見ましたね」
「ああ、電車の中でな」
鍛冶元も応える、長崎のバーで二人で飲みながらの話だ。金の出所は鍛冶元と衝夫が知っている怪しいルートだ。
「会ったあの娘か」
「あの娘うちの生徒でしたよ」
「あんたの学校のか」
「はい、二年生で」
「十七歳か」
「そうです、ただ」
衝夫は普通の教師の給料なら滅多に飲めない様な酒をごくごくと飲みつつ言った、鍛冶元も記者の給料としては、という酒だった。
「おかしいんですよ」
「おかしい?」
「最近こっちに転校してきたんですが」
衝夫は優花のこのことも調べていた。
「しかし」
「しかし?」
「何かそこまでがわからないんですよ」
このことをだ、衝夫は鍛冶元に話した。
「どうも」
「わからない?」
「はい、こっちの療養所から転校してきたのはわかってます」
このことはというのだ。
「けれどそれまでが」
「わかっていないんだな」
「そうなんですよ」
飲みながら話した。
「これが」
「じゃあ療養所に秘密があるな」
「はい、そうですね」
「その娘に関してな」
「それで秘密を握れば」
下卑た笑みでだ、衝夫は言った。
「そこから」
「脅しかけてな」
「出来ますよね」
「あの娘可愛かったしな」
「はい、自由に出来れば大きいですよ」
「よし、俺もあの娘はいいと思ったからな」
鍛冶元も下卑た笑みになった、山羊髭のその顔は悪魔というよりかは餓鬼の様だった。これは衝夫も同じだ。
餓鬼の顔でだ、鍛冶元は餓鬼の笑みの衝夫に言った。
「調べてみるな」
「それで調べて」
「二人で楽しむか」
「そうしましょう」
「やっぱり女子高生はいいな」
ロックで最高級のスコッチを飲みつつだ、鍛冶元は言った。
「中学生や小学生もいいがな」
「肌が違うんですよね」
「おばさんとはな」
「まあ俺はおばさんでも隙があれば、ですが」
つまり見境がないというのだ、モラル的にも。
「鍛冶元さんはそうですか」
「いやいや、俺もおばさんもいいがな」
「女子高生は女子高生で」
「またいいからな」
だからだというのだ。
「楽しませてもらうか」
「そうしような」
「はい、じゃあ調べてくれますか」
「調べてな」
そしてというのだ。
「脅すか」
「若しあの娘の家が金持ちなら」
「金も脅し取れるな」
「はい」
このことについても話した。
「身体も金も」
「楽しめるからな」
「教師は生徒の個人情報も握れますからね」
だからこそというのだ。
「強いんですよ」
「そうだな、相手の個人情報はな」
「手に入れたら強いですよ」
「俺もだ」
鍛冶元にしてもというのだ。
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