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オズのビリーナ

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第十二幕その三

「それでもだよ」
「不安なのね」
「何が起こるかってね」
「心配性ね、本当に」
「否定しないよ、それで」
「種ね」
「種も手に入れてるんだね」
「二十粒程ね」
 持って来たとです、ビリーナはご主人に答えました。
「蒔くわ」
「そうするんだね」
「ええ、そうするわ」
 実際にというのです。
「これからね」
「じゃあね、これから外に出て」
「蒔くわよ、いい場所はもう見付けてるから」
「そこは何処かな」
「公園よ」
 お国のというのです。
「まずはそこに蒔くわ」
「そしてだね」
「そこからオズの国全体にね」
「お花が広まっていくんだね」
「そうなるわ、けれどそれは後のお話で」
 それでというのです。
「まずは蒔くことよ」
「それからだね」
「そう、蒔きに行くわ」
「では私も同席させてもらうよ」
「どうぞ、蒔きに行きましょう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆で国の最も立派な公園に出ました、そこは草木それに花々が咲き誇っている実に奇麗な場所でした。
 そこに入ってです、そのうえで。
 ビリーナは公園の真ん中、花壇の何もないところでした。そこにです。
 ビリーナは取り出した種をお口で一粒一粒蒔きました、そのうえで言いました。
「よし、これでね」
「後はだね」
「種から芽が出てね」 
 ここではキャプテンに応えるのでした。
「お花が咲くのを待つだけよ」
「それだけだね」
「そう、待つことよ」
「お水をあげながら」
「ここの土は栄養がたっぷりあるから」
「だからだね」
「肥料をやる必要はないの」
「そういえばオズの国って作物もよく育ってるわね」
 ナターシャはここでこのことに気付きました。
「枯れることもないし」
「ええ、肥料もあるし」
「土の養分が元々いいから」
「どんな作物も自然に育つ位なのよ」
「そうしたお国なのね」
「だから農業をしてもね」 
 多くの人が楽しく農業をしていますが。
「肥料をあげて農具を使えば」
「もうどんどんなのね」
「作物が育つわ」
「気候もいいし」
「そのこともあるからね」
「種もなのね」
「すぐに芽が出てね」
 そしてというのです。
「お花も咲くわ」
「そうなるのね」
「世話は私がするわ」
 ビリーナ自身がというのです。
「そうするわね」
「そういえば貴女言ってたわね」
「お花を咲かせることが得意だってね」
「ガーデニングが趣味なの」
「趣味の一つよ」
 実際にというのです。
「そのことはね」
「だからなの」
「そう、だからね」
 それでと言うのでした。 
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