IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
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26話『闇の暗躍』
「う、あ……」
IS学園の医務室、ロードナイトモンの力を借りた四季によってルーンレックスより助け出され、そこで寝かされていたラウラが目を覚ました。
何時も着けていた眼帯も無く、左右で違う……彼女にとって忌むべき物であったオッドアイが露になる。
「気が付いたか?」
彼女のベッドに側に座っていた千冬がそう彼女に声をかける。それによって彼女の意識が完全に覚醒した。
「私……は……?」
「全身に打撲と無理な負荷による筋肉疲労が有る。暫く動けないだろう、無理をするな」
「私……は……っ!?」
思い出してしまうのは巨大な怪物に成す統べなく取り込まれる己の姿……ルーンレックスに取り込まれた時の事を思い出すと恐怖で体が震える。
軍人として生きてきたラウラでもルーンレックスに取り込まれた時の事は、今まで感じた事のない恐怖だ。想像を絶する怪物……当然だろう、天地を作り変えるだけの力を秘めた聖機兵の片割れにして全てを滅ぼす『滅びの選択』と言うべきルーンレックスを前に、耐性のない者では恐怖に負けるしかない。一夏達が立ち向かえたのは現実のルーンレックスが意思以外本物では無かった事が大きい。逆にラウラが対峙してしまったのは本物のルーンレックスと言うべき意思の部分なのだ。
「な、何が……何が起きたのですか……?」
「これは機密事項なのだがな。VTシステムは知っているな?」
震える声で己の中の恐怖を振り払おうと千冬に問いかけるラウラ。そんな彼女の様子に触れない様に千冬は言葉を続ける。
「はい……。正式名称は『ヴァルキリー・トレース・システム』……。過去のモンド・グロッソ受賞者の動きをトレースするシステムで、確かあれは……」
「そう、IS条約で現在どの国家・組織・企業においても研究・使用・開発、全てが禁止されている。それがお前のISに積まれていた。巧妙に隠されていた様だがな」
そう言って千冬は首を振ると、
「お前のISは四季の奴がお前を助ける時に粉々に破壊してしまったから、既に調べようがない」
「奴が……」
ルーンレックスに変貌した状態のあのISはラウラを失ったとは言え破壊しなければ危険だった可能性もある。可能性の問題では有るが、確実にあれを放置するのは危険だっただろう。
「あまり四季を責めないでやれ、あれはああしなければ危険だった。……あれはVTシステムとしても異常だった」
「……異常……」
千冬の言葉に納得せざるを得ない。あのルーンレックスと名乗った巨大な怪物、あれと直に遭遇したラウラだからこそ理解できてしまう。
「操縦者の精神状態、機体の蓄積ダメージ、そして何より操縦者の意思……いや、願望か? それらが揃うと発動するようになっていたと推測される」
「…………」
「現在学園はドイツ軍に問い合わせしている。……二度目の変化も含めてな。近く委員会からの強制捜査が入るだろう」
VTシステムは兎も角、ルーンレックスの事については本当に身に覚えの無いドイツ軍にとってはいい迷惑だろう。ルーンレックスの意思はデータとして外部からVTシステムを乗っ取ったのだから……。
「私が……望んだからですね?」
―貴女になる事を―
ルーンレックスの事を知らないラウラは『だったらあの怪物は?』と言う疑問を抱くが、その小隊に行き着く手段が無い彼女にとって、その応えに辿り着く事はできなかった。確かにルーンレックスは圧倒的な力だろう。だが、
(あんな物は私は望んでなど居ない!)
かすかに覚えていたルーンレックスに取り込まれていた頃の記憶。ルーンレックスへと取り込まれた彼女の目に映る蒼い勇者はルーンレックスと言う“怪物”に挑む英雄に見えた。
そんな彼女の姿に千冬は苦笑を浮べる。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」
「はっ、はい!」
「お前は誰だ?」
「わ、私は……。私……は…………」
千冬の問いに彼女は答えることができなかった。意味が分からなかったと言うのも有るが、『ラウラ・ボーデヴィッヒ』と答える事も戸惑ってしまっていた。
「誰でもないなら丁度いい。お前はこれからラウラ・ボーデヴィッヒになるが良い。…………四季の様にな」
何処か諦めに近い感情を抱きながら千冬は最後に聞えないほど小さな声でそう呟く。
「教官?」
「いや、なんでもない。それに考える時間は山の様に有るぞ。なにせ三年間はこの学園に在籍しなければいけないからな。その後も、まあ死ぬまで時間は有る。たっぷり悩めよ、小娘」
千冬の脳裏に浮かぶのは別れの日の四季と、再開した日の四季の姿だ。
「あ…………」
千冬の言葉に何処か晴れやかなものが浮かぶラウラ。医務室を後にしようとする千冬の背中を見送りながら、別の姿へと変わったヴレイブによってルーンレックスから救い出される瞬間の光景が思い浮かぶ。
「ああ、それから。お前は私にはなれないぞ。アイツ等の姉はこう見えて心労が絶えないのさ。それに……」
千冬の脳裏に浮かぶのは幼い日の四季の姿。……一夏や秋八の影に隠れてしまう平凡な少年だった。家でも篠ノ之流の道場でも何時も一夏の影に隠れていた印象しかなかった。唯一驚かされたのは、弟達の中で一番早く束と仲良くなった事くらいだろう。
(どこで私は選択を間違えたんだろうな)
“血の繋がりがある他人”……それが今の四季と千冬の関係だ。
「私になっても後悔するだけだぞ」
ラウラにもその言葉の意味は理解できた。……四季の事だろう。だが、そんな四季へも以前ほど負の感情を感じることは無い。
自宅が開発元で有る為に予備パーツも豊富に有る事で修理が完了したヴレイブと、使用者の居ない兄弟機のパーツを使う事で修理が完了した白式と、ルーンレックスとの戦闘で傷付いた二機も無事修復され、ルーンレックスの一戦の傷も癒えてきている。
トーナメントも一回戦だけは全試合行なわれた。元々トーナメント自体が生徒達の将来の為のプロモーションも兼ねているので行なわれるのは当然だ。特に専用機持ち、代表候補生と言った立場に有る者達は其処で十分な結果を出す必要も有る。
最も、四季としては既に家の企業の企業代表と言う立場と後継者と言う立ち居地に有る為にトーナメントの結果も将来に繋がる事も無く、トーナメントの結果は……勝利を捧げると言う詩乃さんとの約束以外には価値は無いが。
「……優勝……チャンス……消え……」
「交際……無効……」
「うわああああああああああああんっ!」
多くの一年の生徒達の間にそんな落ち込んだり、絶望したり、号泣したりする声が響き渡る。トーナメント中止の結果に安堵しているのは他でもなく四季だろう。
組み合わせ的には正に一年最強と言った四季とラウラのペアだったが、それで油断するほど四季は甘くない。試合である以上、何が起こるか分からない以上は中止と言う結果は幸いだった。
(……まあ、結果的に束姉からの依頼も達成できたな……)
束からの依頼であるVTシステムの破壊。ルーンレックスが介入してくれたお蔭で粉々に破壊する口実が出来たのは、敵の行動が四季に味方した結果である。結果的にはそうなったが、二度はゴメンだと言うのが四季の心情だ。
そんな事を考えつつ、席に着くと意識を思考へと廻す。……考える事はシャルロット・デュノアの事だ。流石に何時までも黙っているわけにも行かず、トーナメント終了後には両親の逮捕とデュノア社の一件は伝えられたらしい。同時にフランス政府からの代表候補生の認定の取り消しと専用機の没収等の処遇も含め、彼女の保護を兼ねてのDEMフランス支社へのスカウトも伝えられた。
彼女自身迷ったようだがそれを受け入れ、現在の彼女はDEMフランス支社の企業代表と言う立場になった訳だ。データが少なく開発が間に合わない為に正式な専用機はもう少し先になるが、それまでの仮の専用機として『νガンダム・ヴレイブ+』のカラーを塗り替えて暫定的な専用機として渡されるそうだ。
「皆さん、おはようございます。今日はですね……皆さんに転校生と言うか……ええっと……」
疲れ切った様子の真耶が教壇に立ちながらそう言うが隣に立つ少女に視線が集まっていた。転校生……と言われれば転校生だが、彼女の場合は事情が特別すぎる。見れば千冬も疲れ切った様子だ。余程彼女の手続きに手間取ったのだろう。
「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてお願いします」
流石にDEMフランス支社の企業代表になったと言うのは言わなかったが、臨海学校までにはヴレイブ+の彼女用のカスタマイズも終る事だろう。ヴレイブ+も元は四季のヴレイブの前身となった機体、第三世代に分類される高スペックの機体だ。
「え? デュノア君って女……?」
誰かが呆然とした声を上げた瞬間、何人かの生徒が泣き崩れている。彼女等はシャルルFC(ファン倶楽部)と言う非公式団体を結成していた生徒達だ。他にも一夏のファン倶楽部やら、秋八のファン倶楽部やら……四季のファン倶楽部まで存在していると噂では聞いている。
……何故か本人だけでなく、一年生の専用機持ち+箒も噂でしかその存在を知らないらしい。流石に当人に近い位置に居る彼女等に態々誘いの声をかける物好きは何処のファン倶楽部にも居ないと言うことだろう。活動も日時と集合場所だけが所属者だけにチェーンメールで送られているらしく、正にIS学園の秘密倶楽部。
「可笑しいと思った! 美少年じゃなくて美少女だったわけね!?」
勘が鋭いのか、可笑しいと思っていた者もいたらしい。
「って、織斑君、同室だから知らないって事は……!?」
当然知っていた。
騒然となる生徒達を落ち着かせようとしている真耶の姿に苦笑を浮べながら、何か苦労を労おうかと思っていると、一人の生徒があの種の爆弾発言をしてくれる。
「ちょっと待って! 昨日って確か男子が大浴場使ったわよね!?」
……大浴場。元々この学園の生徒は全て女子だけであり、当然ながら寮の住人も女性である。……元々ISを扱える者が女だけである以上、学園建設当時確認されていない男性用の施設等態々作るわけが無い。そもそも、普通の学生寮でも共有スペース以外は基本男女別だ。故に大浴場は今まで一夏と秋八は使えなかった訳だが、当然ながら男子として入学していたシャルロットも使えなかった。
丁度先日、男子が仕える時間が決まったらしい。そして、昨日の段階では一応生徒からの認識ではシャルロットは男と誤認されていた。
「そう言えば、一夏兄さん、昨日デュノアさんと一緒に大浴場から出てきたよね?」
最後に秋八がトドメとなる一言を投げつけてくれる。普通、大浴場から一緒に出てくれば一緒に入浴していたと考えるのが普通だ。
「……一兄、否定するなら今だけだと思うよ」
そして、四季も呆れた目を一夏へと向ける。否定する材料は無いだろうが、と心の中で付け加えておくのも忘れない。
「お、おい、ちょっと……」
『イチカァァァァァァァァァア!!!』
弟二人の言葉に何とか反論しようとしていた矢先、怒りの咆哮を上げて教室の扉を蹴破って鈴が入ってくる。
寧ろ、彼女はシャルロットの事情を知ってしまった為に、普通に怒っているのだろう。
「シャルと一緒に浴場から出てきたってどう言うことよ!!!」
間違いなく、そっちに怒っていた様子だった。そんな二人の様子に苦笑を浮べていると、
「四季さん、一つお聞きしてよろしいでしょうか?」
「え、えっと……何?」
其処には綺麗な笑顔だが妙に威圧感を感じる笑顔を浮べているセシリアが立っていた。
「四季さんはその事をご存知でしたの?」
「一兄から相談を受けて。まあ、基本特例で寮生活じゃないからな。早めの自首を勧めておいた」
まあ、結果的にデュノア社が倒産した事で自首の必要もなくなったが。黒いオメガモン……オメガモンズワルドがデュノア社の本社を壊してくれた上に、何者かによってデュノア社が近日中に国に返却予定のISコアが全て奪われていたのが倒産の決定的な一撃になったらしい。
オメガモンズワルドの行動はISコアの奪取を隠すためなのかと言う疑問も沸くが、其方は引き続き遊撃部隊が調査してくれている。流石に一夜にして瓦礫の山となったデュノア社からは有益な情報は得られないだろう。
「それより、一兄……女の子と一緒に浴場からって……何をしたんだ?」
「そうよ! あんたまさか破廉恥な事してないでしょうねぇ……?」
「してない! 何もしてない!」
鈴の言葉を必死になって否定する一夏。内心、その姿に何もしていなくても“何かあった”と言っている様な物だろうと思う。
注目を一夏へと押し付けると、ふと秋八の姿が視界の中に入る。……憎悪に満ちた視線を一夏へと向けている姿が映る中、今までの秋八の行動の幾つかの疑問点が浮かぶ。
(……そう言えば、無人機やVTシステムについて何か知っている素振りが有ったな……。無人機……シャッフルガンダムより前に出てきたのは束姉関係だろうし、VTシステムはドイツ軍……原因も違う二つの事件を、何で知っているんだ?)
四季が未来を一部だけとは言え知っているようにも見える秋八の行動に疑問を抱く中、四季へと一つの影が近付いていく。
「っ!?」
何時の間にやら教室に入ってきていたラウラにキスされる四季の図。突然に事で思考停止になる中、唇に感じる感触で我に返り、現状を理解して顔を赤くしつつ、詩乃に知られたら本気で拙い事に顔を青くする……を僅か数秒で繰り返す。
「な!?」
そんなラウラの行動に叫び声を上げるセシリア。声こそ上げていないが箒や鈴、シャルロット、一夏や秋八と言った周囲のメンバーも驚いている。
「い、いきなり何を!?」
笑顔で怒る恋人の姿を幻視しつつ、天井で此方を除いている隠密ガンダムの姿が目に付いた。……詩乃にしられる危険を本気で理解した四季だった。
「五峰四季……お前は私の嫁にする! 異論は認めん!」
「嫁? なんで……そこは婿じゃ……?」
ラウラの発言は兎も角、疑問点は其処である。明らかに間違っているのだが……
「二本では気に入った相手を『嫁にする』と言うのが一般的な慣わしだと聞いた。ゆえにお前を私の嫁にする」
(ちょっと待て、そう言うのは和人の役回りだろう!? いや、それ以前に……)
“シリカ”と言う愛称で呼んでいる少女……和人に片思いしている子なのだが、かなり年下である。外見年齢は兎も角、ラウラの場合は一応同級生なので法的な問題は無いだろうが。
『誰だ、そんなでたらめを言った奴は?』
約一名を除いた全員の思考が一つになる。……隠密ガンダムを含めてだ。天井へと消えていく隠密ガンダムは最後に四季へとサムズアップをして行くが……。
(それって、覚悟しておいたほうが良いぞって事かぁ!? 農丸さん!!!)
思わず心の中でとは言え隠密ガンダムの本名で絶叫してしまう四季だった・
「……四季さん、私に詳しく説明していただけますか?」
「は、はい」
暗い影を纏っておほほと笑っているセシリアさん。直視すると随分と恐怖を誘う姿である。その威圧感は間違いなく、デジタルワールドを冒険した頃に遭遇したヴァンデモンにも匹敵するだろう。そんな混沌とした状況が授業の時間に入っても続いていた。
なお、
「四季、私以外の相手とキスしたって聞いたんだけど……説明して貰えるわよね?」
「スミマセンでした!!! なんでもお聞きください!!!」
帰宅後本妻相手に土下座している四季の姿があったそうな。当然ながら情報元は隠密ガンダム。その後、怒った彼女を宥めたり慰めるのに朝まで掛かったと追記しておく。
寧ろ四季にはルーンレックスよりも強敵だったのかもしれない。
???
『ルーンレックスが敗れたか』
『紛い物の体とは言え伝説の聖機兵が同じ聖機兵無しで敗れるとはな』
巨大な円卓の有る広間で無数の声が響いていたが、不思議な事にその部屋の中にある人影は数えるほどしか存在していなかった。
『闇の化身』……スダ・ドアカワールドや天宮の国でそう呼ばれていた者達が実体を失った精神体の姿で存在しているが故に、其処で肉体を持っているのは既に肉体を再生している僅かな者達しか居ない。
「だから力押しでは無理だと申したのですが」
「確かに、忌々しいが流石は奴等の教えを受けた小僧と言った所か」
「人間を侮っているからそう言う事になるのだ」
一つは真紅の鎧を身に纏った単眼の軍師の言葉に黒い鎧を纏った二人は頷く。
「それでは魔刃様、魔星様、次は奴等を使って様子を見る事としましょう」
「ほう、仲達、ヤツラか? 我等で作りあげたISと言うこの世界の武器を与えたらしいが」
『仲達』と呼んだ軍師の言葉に最初に答えたのは『魔星』と呼ばれた者だった。ガンダム達と同じ顔をした……光の象徴たる『大将軍』の名を持った闇の支配者の一人『魔星大将軍』。
「なんならワシの配下の三羅将を付けても良いぞ」
「いえ、魔星様の配下の将を付けては様子見にはならないでしょう。それに、今回は有人機の試験も兼ねております」
「様子見か? 上手く行けばそのままあの小僧を始末してしまおうと考えている癖にな」
ゆっくりと魔刃と呼ばれた男は手の中に在るワイングラスに入った赤ワインを飲み干すのは、かつて天宮の国で鉄器武者を操り内乱を起させた闇の支配者の一角『魔刃頑駄無』。
「人間の想いとやらを侮るなよ」
「分かっております。だからこそ……人間を使うのですよ。この世界のね」
その言葉になるほどと言う表情を浮べる魔刃。かつて人間の想いが鍵となって敗れた異常、魔刃にとって人間を侮る事はできない。
他の闇の支配者達が好んで精神体で居るのに対して、逆に好んで実体を持っている者達が彼ら三人である。また、彼らがこの世界で作りあげた組織のトップとして姿を見せてもいる。
「なるほど……ワシ等の配下が相手なら存分に戦えても、同じ人間が相手ならば、と言う事か?」
「ええ、デジタルモンスターとやらを捕えるのも中々骨が折れる以上、人間を使った方が早いでしょう」
配下を復活させるのも楽では無く、同時に必ずしも全盛期の力を持っているとは言い難い。ならば、人間を使って戦わせれば良い。そして……その為の丁度いい道具も有る。
「VTシステムだったか? 有人機の改造に役に立つと言っていたシステムは?」
「ええ、研究所ごと消えて貰ったので我等の足取りを知られることは無いでしょう」
その頃、某天災がその惨状をみて『先を越された』と地団太を踏みながら怒っていたりする。
「意識を乗っ取る昨日も使えますが、基本は補助に留めるべきでしょう。そして、核のコントロールには魔刃様のお力が有ってのことですね」
「ああ。鉄器武者と違って手間取ったがな」
「あとは手の者を使って彼女にも渡してもらいましょう。彼女が望んだ……力をね」
そう言った三人の視線の先に有るのは『篠ノ之 箒』の写真であった。
後書き
取り敢えず、箒さんに不穏フラグ。とんでもない連中に目を着けられてしまいました。
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