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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  なのはStrikerS ~魔法少女、戦闘~


ゆりかご、聖王の間、前部分


そこでなのははヴィヴィオに向かってレイジングハートを向けなければならなくなっていた。
目には涙を、杖には魔法を


止めるためには、戦わねばならないこともある。

しかし、それがこんなにもつらいとは





「私のママを・・・・・返せぇぇえぇえええええええええええ!!!!!!」





蒔風と分断されてからすぐに、ヴィヴィオを異変が襲った。
拘束は解け、玉座から解放されたのはいい。

しかし、そこから立ち上がったのは、いつものヴィヴィオではなかった。




クアットロによる強制覚醒。
レリックを埋め込まれたヴィヴィオは、見た目の姿がなのはとそう変わらないところまで成長させられ、強固な洗脳によって目の前のなのはが自分の大切なものを奪ったという認識をとらされているのだ。



「ママを返せ・・・・・パパをどこに連れて行った!!!!」

「ヴィヴィオ!!私・・・・なのはママだよ!!!わからないの!?」

なのはは懸命に呼びかけるが、ヴィヴィオは頭痛のしているような顔をして頭を振り、違う違うと叫び続けた。



「私のママは、あんたなんかじゃない!!!パパだって、あの人じゃない!!本当のママとパパはどこだあああああああああああああああ!!!!」




狭くなった聖王の間で、ヴィヴィオが叫ぶ。
その声はビリビリと壁に反響し、なのはの肩を竦み上げさせた。



そして一歩、また一歩とヴィヴィオが壇上から降りてくる。
その歩みを進めるごとに、全身からは七色の魔力光が吹き出し、部屋の中に充満していく。

基本、ゆりかごの中にはAMFが発動している。
否、そもそもAMFもガジェットも、もとはといえばゆりかごの一機能にすぎないのだ。

スカリエッティはそれを見つけ出し、再現したのであって、何もオリジナルではない。


だが、この場のみ、聖王の間だけは、AMFが発動していなかった。

『あははははははは!!!ほら!!ハンデはなくしてあげましたよ?全力で止めたらいいじゃないですかぁ~ウッフフフフフフフ・・・・・あなたの言葉、なんでしたっけぇ?ほらほらほらほら!!!言葉の通り、全力全「壊」!!しちゃえばいいじゃないですかぁ!!それで全部終わるんですから!!あっははははははははははははははははは!!!!!』



クアットロの笑い声が聞こえてくる。
彼女のは分かって言っているのだ。なのはにヴィヴィオを斃せないことなど。

攻撃はできても、痛めつけることなんてできないことを。




だから笑う。







それが所詮は限界なのだと。
醜悪で、世界の真実を携えているかのように、残酷な声で。








「返せ・・・返せ返せ返せ!!!返してくれないなら・・・・・」



ゴォッ!!!!




「殺す!!!!」









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金色の魔法が放たれる。
水の奔流が押しつぶす。

しかし、それらの大質量の攻撃は、地獄の番犬によって粉微塵にまで弾き飛ばされた。




スカリエッティアジト内、フェイト陣VSケルベロス

現在無事だといえるのは――総じて戦闘続行可能なのは――フェイトと玄武の一人と一体のみとなってしまった。




ヴェロッサはすでに気絶して壁にぐったりと寄りかかっている。

本来、彼のレアスキルは偵察や諜報に本領を発揮するものだ。
もちろん、ガジェットを相手取ったところから戦闘もできないわけではないが、このような相手と戦闘をする機会はないに等しい。



一方、シスターシャッハはそのヴェロッサを守るためにバリアを張り、その中にいる。

彼女は聖王協会での巡礼の際、過酷な道を信者とともに歩き、時には危険な獣から彼らを守ることもあるため、防御魔法にも心得があった。


もちろん、彼女の本分は戦闘である。
シグナムとサシで戦える実力に、偽りはない。

だが、このケルベロスを相手取る場合、人数が多すぎると、一気に薙ぎ払われる可能性のほうが大きいのだ。



腕の振りかぶり、連続火球、コマのように回転しての突進



それを食らって全員が一撃でやられるわけにはいかない。
そのために、シャッハはヴェロッサのそばについた。



そして何より、フェイトが「これを倒してスカリエッティのところに行くとき、捕まえるだけの体力がないかもしれないから」と、その後をシャッハに託した。
そう言われては、シャッハはこの場で倒れるわけにはいかない。


ゆえにこの場は、フェイト、玄武の二人でケルベロスを撃破しなければならなかった。





「とは言ったものの・・・・これはきついのぅ!!!!」

「でも、やるしかないよ!!ハーケン、セイバァッ!!」




フェイトが魔力刃をケルベロスに向かって数個飛ばして攻撃する。


だがそのすべてを跳躍してかわし、そのままケルベロスは天井や壁をぐるぐる回って疾走し、玄武に体当たりをしてそれでフェイトも押しつぶそうとしてくる。




「舐めるな!!!十五天帝使役獣玄武、最硬の座は、伊達ではないわ!!!!」


ガゴンッ!!!!という重い一撃が玄武を少し後退させたが、何とか踏みとどまってそれを止める。



『が・・・うう・・・・フェイト嬢、これからあ奴の動きを止める。そのうちに、きつい一撃をぶち込んでくだされ!!!』

「げ、玄武!?」



『ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』




ケルベロスと体を押し合いながら、玄武が息吹を吹き出していく。
と、同時、玄武の甲羅の下から、大量の水が流れ出てきた。


それはそのまま下には流れず、グルリと上に向かって伸び、二体を球型に閉じ込めた。


その巨大な水球の中で、ケルベロスの体がコポコポと、浮き、地に足がつかなくなる。




『今じゃ!!ブチ込めェ!!!』


「くっ・・・避けて、玄武!!!トライデント・・・・スマッシャーーーーーーーーーー!!!!」






フェイトの砲撃が、水球中のケルベロスに向かって伸び、命中する。





ケルベロスの咆哮と、水球のはじける破裂音が、ドーム内に木霊して、ゆっくりと消えていった。

辺りには雨のように水が滴り、弾けたそれは霧となって、水球のあった場所を覆い尽くした。





「ぐ・・・・ゲハッ・・・・・あいつにはしっかりと・・・・当たりましたな・・・・これは」

「玄武!!!」




と、水の落ちてくる雨の中、玄武がヨロヨロと霧の中から歩いて出てきた。



腕を抱えて、足を引きずり、いかにもつらそうな表情だ。




「避けなかったの!?」

「あそこでワシが動けば・・・・ケルベロスには逃げられてしまうのでなぁ・・・・・あれだけの事をして、失敗しましたじゃあ・・・・取りかえしつかなんだ」


「じゃあ・・・あいつは!?」

「・・・・・・憎たらしい奴じゃて・・・・・・どうやらまだ先には行けないようじゃぞ」


「え?」





玄武が振りかえって霧の中を見る。







その霧の中に、ギラリと光る目があった。



霧をかき分け、ケルベロスが出てくる。
しかし、攻撃のかいあって、その頭は一つ潰れており、真ん中と右の頭が怒りに狂ってガチガチと牙を鳴らしていた。



「そ、そんな・・・・ここまでやって・・・・・」

「ここまでやって、ようやく来たのじゃから、頑張らないといけないのぉ」

「え?あ・・・・」


苦しそうにしながらも、玄武の目には諦めなどはなかった。
単体では遥かに力負けする相手を前にしても、この余裕。

玄武は間違いなく、あの男の使役獣だった。



「ケルベロス一体になーにを怯えておるのじゃ?相手は手負い。こちらはまだまだ、戦えますからな!!!」

玄武が意気揚揚をよそおって言う。
だが、そう高々に宣言したところで、玄武の身体はかなり限界に近いのは確かなのだ。


フェイトの一撃だけではない。



今まで玄武はその防御力を以ってケルベロスの周囲を回り、攻撃を弾き、防いできた。
だが相手はケルベロス。たとえ防御をしたとして、いかに玄武でも耐えられるのは二、三撃がせいぜい。そこから先は、鈍く重い攻撃が、玄武の身体に浸透、蓄積されていく。

そこにあれだけの大質量の水を出し、フェイトの攻撃をケルベロスもろとも食らったのだ。
これだけ摩耗していて、まだこれだけ声を張れるだけでも十分だった。





一方フェイトも、全く無傷、というわけではない。


ケルベロスの攻撃の大半は玄武が受けてはくれたものの、それとて完全にではない。

どうしてもこちらに攻撃は来るし、それを避けるにも最大動作を要した。
紙一重なんかで捌こうとすれば、その勢いによる風圧に引っ掛けられ、次の攻撃で落ちてしまうからだ。

更に言うなら、ここはAMFの濃度がゆりかご周辺ほどではないが、濃い。



そんな中で回避に全力を注ぎ、その間を縫って攻撃し、最後にあの一撃を叩き込んだのだから、体力、魔力共にかなり削られている。



大体全快時の40%程は残っているが、六割使って頭一個なら、すべて潰すのには、さらにその三倍。

この敵は厄介だと、フェイトは改めて思い知った。



攻撃、疾走、広い視界


そのどれもが面倒この上ないくせに、更には二回までは頭を犠牲にできる。




これを厄介と言わずなんというのか。






「やあやあ、どうしたんだい?もうおしまいかな?フェイト・テスタロッサ・ハラオウン?」

「!?」



と、そこにいきなりドームの扉が開いて、スカリエッティが戦闘機人、ウーノとトーレをひきつれてやってきたのだ。



それに伴い、ケルベロスが大人しくスカリエッティの後ろに下がって行った。
おそらく、「奴」からある程度の権限はもらっているのだろう。



いきなり現れたスカリエッティに、驚きを隠しきれないフェイト。




なぜこのタイミングでやってきたのか。









だが、フェイトは自身の身体を以って、その理由を思い知る。
スカリエッティの方へと視線を向けていたフェイトは、一瞬のうちにバルディッシュを弾き飛ばされ、地面に倒れ伏し、トーレに押さえつけられていたからだ。




少し離れた場所では、すでに玄武が倒れていて、赤い糸のような魔力糸で縛られている。
おそらくはヴェロッサもシャッハも同じ状態だろう。





トーレのIS「ライドインパルス」





不可視の高速移動による一撃で、疲弊していた彼らは瞬時にして撃破されてしまったのだ。

「ふむ・・・・ここまで弱らせてくれるとは、さすがは「彼」の使い魔だね。いや、厳密には違うらしいが・・・まあいい。今はこっちの方が重要だ」


そう言いながら、コツコツとスカリエッティがフェイトに近づいてくる。
トーレに抑え込まれて、地面からスカリエッティを睨みつけるフェイト。




その目を見て、スカリエッティがにやりと笑う。
やっぱり駄目なんじゃないかと。




「どうだい?君らの力はこの程度さ。それでよくすべてを救うなんて言えたねぇ?それになんだっけ?次にそんなことがないようにだったかな?面白い事を言う。次がある現実なんて、本当にあると思ったのかい?」

「くっ・・・・このっ・・・・・」

「だから言ったんだ。無駄なことはするな、とね。まあ、安心したまえよ。次に目覚めたときには、なによりも強い身体にしてあげるからね。もうそんな後悔しないで済む。そうだ・・・・私の力と、あそこの技術さえあれば、すべての人間をそのように出来る」

「あそこ?・・・・・いったい・・・・貴様はどこに向かおうというんだ!!!答えろ、スカリエッティ!!!・・・ぐっア!!!」



フェイトが怒声を上げて、それを押さえさせようとトーレが押さえつける手に力を込める。
だがそんなことはお構いなしに、スカリエッティが話を進めた。



「そうさ!!私がすべての人類を改造し、一つ上の段階へと引き上げる存在となる!!!どうだい!?私は・・・・世界を格上げする者となるのだよ!!!」

「狂ってる・・・・・」


「そうかい?そうでもないさ!!!成長と発展は世界の常じゃないか!!!そしてそれを成し遂げるのは、いつだって偉大な天才たちによってだ!!今はキミらも私を悪だと思うかもしれない。だがね、そういった歴史の転換点にいる人物は、いつだって当時は悪役扱いだったのだよ!!!そもそも、世界をより高次なものにしようとする事の何が悪い?それならすべての科学者は、犯罪者なのかい?うん!?私は、世界を改造する!!!|彼女ら(ナンバーズ)のように、より強く!!逞しいものへとね!!」

「それは!!!」

「反論するならなにが悪いのか、はっきりしてからにしてくれたまえよ?私とそこらの科学者は、なにが違うのか!!!」







「貴様が悪いのは決まっとるじゃろうが。歪な進化などに、未来はないからじゃ」






と、そこに割り込んできたのは、玄武だった。
スカリエッティはうん?という顔をして玄武の方を向く。

玄武は地面に倒れ、身体を縛られているため、顔もこちらに向けられないが、ハッキリとした言葉は伝わっていた。



「進化・・・・・否、進歩とは、書いた字が如く「歩」んで「進」むことじゃ。一歩一歩、しっかりと踏みしめていく事。貴様がしているのは、登山と言いながらヘリコプターで山頂を目指そうとしている、ただのバカと同じじゃて」

「・・・・・・ほう」

「そんな登頂になんの意味がある?そこまで行けたとて、次に行くことはできん。真に高い山を登るには、いつだって自分の足で歩むしかないのじゃからな」




それを聞いて、フェイトは思い出した。
そうだ、自分だって、生まれた時から強かったわけじゃない。

一つ一つ、積み上げてここまで強くなったんだ。




母さんは自分を作ってくれた。

ならば、その時さらに強化した個体を作ろうと思えば作れたのではないか?
否、そもそも、戦闘機人という技術の研究自体は昔からあったのだから、あの人ならば簡単に実現したはず。自分にそれをしてしまえばよかったのでは?




だが、あの人はそうはしなかった。

まっとうな手段で、私を強くしてくれるように、使い魔に指示を出していた。




こいつが育てたという、一足飛びの強さと、母さんが私にしてくれた、厳しくも丹念に行った鍛錬。





母さんも確かに、歪んでしまっていた。



だけど!!!





こいつの言う強さが、母さんがくれたモノよりも、勝っているわけがないじゃないか!!!!






「よくもまあ・・・・ここまで言えたものだね・・・どう言おうとももう変わらないよ。ここは・・・・・・・・私たちの勝ちだ」

「それを言った悪役の行く末を、ヌシは知っておるのかな?」

「なに?」





バツンッ!!!



その言葉と共に、いきなり玄武の身体が弾けるように寝たままの状態で浮き上がった。
スカリエッティによる魔力糸を強引に引きちぎった反動によるものだ。

そしてそのまま地面を転がり、落ちているバルディッシュを手に握ってスカリエッティの足を打つ。



「ぐあぁ!?」

それが脛に命中し、もんどりうって倒れるスカリエッティ。
その事態に一瞬気を取られたウーノとトーレの視線が、玄武からスカリエッティへと向く。



と、その隙に玄武が三角形のデバイスモードに戻ったバルディッシュをフェイトの手元に投げつけ、自身はたたずんでいたケルベロスに向かって跳びかかって行った。


しかし、その時にはすでにケルベロスは動いており、人型の玄武を噛み砕こうと、その巨大な顎が開かれていた。




だが玄武はあえて、そこに飛び込んだ。



玄武が飛び込んだのは真ん中の首に
そして飛びこんだ瞬間、その牙が閉じられて玄武の姿が一瞬消える



しかし、直後その顎から、獣神体として顕現した玄武が、その堅固な甲羅で顎と牙を砕いて飛び出してきた。
だがその体中からは血を噴き出し、甲羅も所々砕けている。


そんな状態でも玄武は、仰け反ってから俯くケルベロスの最後の頭に向かって押しつぶそうと、巨大な足を振りあげた。
それと同時に、ケルベロスもまた前足を振るって玄武の甲羅を砕き、その内部を抉りだそうと、猛威を振るう。





ゴキャッ、ズガァ!!!!!


そうして玄武の足はケルベロスの頭を捉え、ケルベロスの爪は甲羅を砕いて玄武の脊髄を引き裂いた。

二体の獣が同時に倒ながら、姿が消えていく。
そうして最後にカラーン、という音を立てて、二本の剣が地面に落ちた。



ここまでに要した時間は、わずか三秒と端数。

だが、何が起きたのかを理解するには十分だった。



「あああああああああああああああ!!!!!!バルディッシュ!!!!!」

《stand by ready.set up. 真・ソニックフォーム 展開します》


それを見たフェイトがバルディッシュを手に、上にのしかかるトーレを力任せに押しのけ、その刃で攻撃する。
トーレはそれをとっさに回避、フェイトから離れるが、その右の二の腕にはしっかりと切り傷が刻み込まれていた。




そして、金色の魔導師が、真の姿を解き放つ。





すべてにおいて最速で、ただそれのみに特化して

誰をも守り、駆け付けると言う、彼女の願いを表した、電光石化の雷神が、大剣を手に、眼前の敵と対峙した。






その背に、最も頼れる男からの、贈り物を宿して。









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「うっしゃあああああああああああ!!!!!これでいけるでぇ!!!!」





ゆりかごの右方


そこではやてがガラにもなく大声で歓喜していた。





目の前には迦桜羅。

だが、動きはとうに止まっている。




はやてのある魔法で、空中に射止められているのだ。





はやてによる迦桜羅との戦闘。
それはかなり熾烈を極めていた。



先にも言った通り、何より相性が悪かったのだ。



まあ、だからこそ迦桜羅を送り込んできたのだろうが。




しかし、そこは機動六課部隊長、八神はやて。
普通の人とはまた違う策を出し、実行に移したのだ。



その策とは





「あーーーもううっとおしい!!!滅茶苦茶にぶっ放して逃げ場無くしたる!!!!覚悟しろやぁ!!!!」






迦桜羅のヒット&アウェイ・・・いや、この場合、飛び去るからヒット&ランになるのか。
その攻撃についにキレてしまい、周辺空域には近づかないよう全局員に通達し、それが済み次第、はやては空間魔法をぶっ放し始めた。


それに何より焦ったのは、迦桜羅ではなく局員たちの方だ。



このAMFフィールド下において、こんだけの魔法ぶっ放しても大丈夫なのかと。



しかし先の戦闘の事を考えなければ、問題など、一切なかった。





はやての魔力量は、管理局でも指折りである。



つまり、どれだけ撃ったところで、全力の砲撃でも撃たなければ魔力切れなんてことはないのだ。

そうして撃っていくうちに、迦桜羅の動きは徐々に制限され、はやてに翻弄され始めてきていた。
そうしてしまえばこっちのものである。場所さえ分かれば、はやての魔法はその空間ごと巻き込むのだから!!




バシィ!!!!と、何かを縛りつけるかのような音が聞こえて迦桜羅の動きが止まった。



それこそ、さっき言った迦桜羅を止めていた「ある魔法」である。



その魔法は、拘束魔法。つまりはバインド。

だが、ただのバインドではない。
はやての魔法は、何度も言うが空間魔法。

で、あるならば





周囲の空間そのものごと、対象をバインドしてしまう事もまた、応用次第では可能なのだ。






「舜君との模擬戦でもしかしたら~~って思ってたら負けてしまったからなぁ。ちゃんと使えてよかったぁ・・・・・」

はやてが汗を流しながらも、不敵に笑みを浮かべながらシュベルトクロイツを、空中で周囲ごとバインドされた迦桜羅に向ける。


「これで・・・しまいや・・・・ようゴツゴツとやってくれたなぁ!?遠き地にて、闇に沈め・・・・・・デアボリックゥーーーーーー!!!!!エミッション!!!!!!」





空間魔法が、迦桜羅を完璧に捉え、膨れ上がって爆破する。




その魔法に、迦桜羅はついに沈黙し、一本の剣がどこかへと消えていった。
それをすぐに追おうとするはやてだが、今はこの場を離れるわけにはいかない。

最後の方こそ迦桜羅の相手ははやてのみだったが、最初の方では管理局員もかなり落とされているし、攻撃からの旋回によってゆりかごの反対側の方の局員もかなりの数が落とされていたからだ。

現状、局員とガジェットの対比は4:6と言ったところか。




ゆりかご外部の脅威はひとまず沈めた。
しかし、驚異がなくなったわけではないのだ。






戦いは、終わらない。









to be continued
 
 

 
後書き

アリス
「次回、スーパーおっちゃんタイム?」

ではまた次回

















いつでもそうだ…俺はいつも遅すぎる…



いえいえ、今回はそうはしませんよ(悪笑)

 
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