Three Roses
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第二十九話 食事その四
「医師の言葉なら従う」
「贅沢なお薬でも」
「そこはそなたが誤魔化すか」
「若しくは」
「私が言う、何としてもな」
「飲んで頂きますか」
「そうしてだ」
もっと言えばそこまでしても、だった。
「子を為してもらう」
「そうなるのですね」
「子はかすがいだ」
太子はこの言葉も出した。
「家にとっても国にとってもな」
「それでは」
「うむ、薬を持って来させる」
帝国からというのだ、太子の国から。
「ではな」
「わかりました」
典医も応えた、そしてだった。
太子はこちらにも力を入れていた、そうして論戦の用意を整えていたがこれはマリー達もであった。マリーのところにだ。
セーラとマリアからこの日もそれぞれ文が出て来た、そこにはこう書かれていた。
「それぞれの国の学者の中でもです」
「とりわけ、ですが」
「学識と弁舌に優れた者をですか」
「論戦の時に送る」
「そうさせるとのことですか」
「はい、そう書いてありました」
二人の文にはというのだ。
「その様に」
「それではですね」
「両国の学者も交えて」
「そしてそのうえで」
「論戦を受けて立ち」
「分けるのですね」
「はい、しかしここは」
マリーは彼女の側近達にこう話した。
「それは論戦の時ではなくです」
「と、いいますと」
「何時来て欲しいのでしょうか」
「論戦の時でないとしますと」
「一体」
「はい、論戦は近いですが」
それでもというのだった。
「出来ればです」
「今すぐですか」
「今すぐにですか」
「この国に来て頂く」
「そうして欲しいのですか」
「そうです」
こう言うのだった。
「そして今から論戦がどうなるか考えていき」
「相手の動きをですか」
「どう言ってくるかも考えていく」
「両国の学者の方々も含めて」
「そのうえで」
「はい、この度のことはこの国を決めます」
その命運をというのだ。
「新教か旧教か」
「まさに」
「そうしたものですね」
「だからこそ、ですか」
「早いうちに来てもらいますか」
「そのうえで論戦に備えますか」
「そうします、一つにならなければ」
半島、そして島国から来る学者達も含めてというのだ。
「目的を達成出来ません」
「新教有利のまま論戦に引き分け」
「そして信仰の儀礼を新旧折衷として」
「この国の宗教の融和を進めていく」
「そうしていくことを」
「それがはじまるのがです」
まさにというのだ。
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