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カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション

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turn:32 秘密を知るもの

 
前書き
全国大会予選を戦い抜いたタイガ達
決勝トーナメントに向けそれぞれ準備していた
そんな中アムのもとに思いもよらぬ人物から連絡が
彼女に連れられタイガたちがやってきた場所
そこで待っていた人物とは……… 

 
全国大会の予選を終えタイガたちは来週の決勝トーナメントに備え思い思いに過ごしていた
タイガは一人でクエストに、メグミはカードキャピタル3号店で店の手伝い
そしてハジメは………
「灼熱の獅子 ブロンドエイゼルでナイトローゼにアタック」
ブロンドエイゼルの振り下ろした剣がナイトローゼに決まりアムのダメージゾーンに6枚目のカードが置かれた
「っしゃあ!」
喜びのあまりその場で飛び上がるハジメ
「ふぅ、本気だったんだけどね」
ため息をこぼしながらハジメを見るアム
ふと、懐にしまったスマホに着信があることに気付く
「っと、メールみたいね………え?」
届いたメールを見たアムは驚いて目を見開いていた

Turn:32 秘密を知るもの

タイガはバインドタイム・ドラゴンのカードを手に取ってしばらく考え込んでいた
時々起こる不可解な頭痛や頭の中に流れ込んでくる記憶
その正体がわからず悶々としていた
「ま、今に始まったことじゃねえけど、やっぱ気になるよな」
そう言ってタイガが横になると彼のスマホに着信が届く

「えっ?明日?」
タイガはハジメからの電話に驚いて声を上げた
「ああ、お袋がなんか話があるとかで一緒に来てほしいって」
「アムさんが俺に?いったい何の話なんだ?」
「さあな、ただ、あんな表情のお袋は初めて見る」
電話を受けた直後のアムの表情を思い出しながらハジメはそう告げて電話を切った

その日の夜、ハジメとミツキが寝入ってからアムはシオンと晩酌をしていた
「で、何か僕に話したいことがあるから誘ったんじゃないのかい?」
シオンの問いかけにアムは自身のスマホを画面が彼に見えるようにして渡す
「どう思う?」
「今更何かしようってつもりではないと思う、けど何を考えているかまではわからない」
アムの問いかけにシオンは真剣な表情でそう答えてグラスを傾けた
「………ハジメは、本当の事を知ったらなんて思うかな」
暗い表情でそう告げるアムにシオンは眉をしかめるとデコピンを食らわせた
「いまさらそんなことで家族の関係が壊れたりしないさ、信じてあげよう」
シオンの言葉に額を抑えながら頬を赤らめるアム
「あいつの事だからただからかいたいだけかもしれないしね」
「それはない、と言い切れないのが怖いわね」

翌朝、リビングでそのまま寝てしまったらしいアムにはシオンの上着がかけられていた
「んっ」
目を覚ましたアムはそれに気づくと小さく笑って起き上がった

アムの案内で廃墟のような場所へとやってきたタイガ達
「なあお袋、ここに何があるんだ?」
ハジメの問いかけにアムは真剣な表情で振り返った
「ついてくれば解るわ」
母親の初めて見る表情にハジメは唖然としている一方
メグミは先ほどからタイガが頭を抱えて辛そうにしていることに気付いた
「どうしたのタイガ?大丈夫?」
「わかんねえ、さっきから妙な感じがするんだ、けど………」
そう言って廃墟を見上げるタイガ
「この感じ………もしかしたら俺は………この場所を知ってる」
「まさか………あんたが保護された場所って………」
「いや、それはもっと別の場所のはずだ、だとしたら一体………」
タイガにはもう一つ感じていることがあった
この心の奥でつかえるような感覚は時々ファイト中に感じるのと同じ

廃墟の内部にやってくるとアムはあたりを見回した
「どういうつもり?今更私なんかを呼び出して」
アムの呼びかけに対して廃墟の奥から誰かが歩いてくる
思わずタイガたちも身構える………

「征天覇竜 コンクエスト・ドラゴンでトレイリングローズにアタック」
カードキャピタル2号店ではミライとマコトがファイト
丁度マコトの勝利で決着したところだった
「それにしても、今日はネオネクタールなんだね」
「ええ、まあ、ギアクロニクルは今ちょっと調整している最中だから」
デッキを片付けながらマコトの問いかけに答えるミライ
「ま、どっち使っても強いからミライはすごいよ、今のも結構ギリギリだったし」
マコトの言葉に照れるミライ、ふと、マコトは思い出したかのように呟いた
「そう言えば、彼、全国大会は今までと違うデッキを用意してきたね」
タイガは全国大会、クロノファングを軸にバインドゾーンを活用した新しいデッキを組んできていた
「ずいぶんいろんなカードを投入したみたいだけど、一体どこで手に入れたんだろう………」

「やあ、久しぶりだね」
陽気にアムにあいさつする眼鏡をかけた男性
彼を見たタイガたちはいっせいに首を傾げる
「誰?………」
男性はハジメに歩み寄るとその姿をまじまじと見た
「へえ、これが君の息子か、確かにシオンにそっくりだけど、髪と瞳は君に似たみたいだね」
そう言ってハジメの頭を強引に撫でる男性
「で、あんた誰なんだよ」
「俺は東雲ショウマ、君のお父さんとは昔色々あってね」
「いろいろじゃすまないでしょ、あんたの場合」
東雲の言葉に頭を抱えため息を零すアム
「あんたが俺たちをここに呼んだのか?」
タイガの問いかけに東雲はしばし考えるしぐさを見せる
「んー、正確には少し違うな、俺たちが、といった方が正しいかな」
そう言って奥から入ってくるのは先日タイガに接触してきた守山ヒロキ
そしてタイガたちの試合を見ていた赤い髪の男性と髪の長い男性の3人
「あれっ!?あの人」
その中心にいた若い男性をみてメグミは驚き目を見開いた
「似てる………タイガに」
「彼は明神リューズ、名前くらいは知っているんじゃないかな?」
東雲の言葉にメグミたちは驚き声を上げた
「普及協会創設者の!?でも、見た目若いし………何よりもう何年も前に死んだって」
その名前を聞いたタイガは頭を押さえながら困惑して目を見開いていた
「(明神リューズ!?何でだ………初めて聞いた感じがしない………俺は…………その名前を“知っている”?)」

「いったい何者なんだ………あんたら」
「俺たちはカンパニー、ある目的のために同志として集った者たち、ちなみにそこの彼女も元々その仲間だったんだよ」
そう言ってアムの方を見る東雲
それを聞いてハジメはかなり驚いたようだ
「今の話本当なのかよお袋!」
声を荒げて問いかけるハジメを見て観念したかのようにため息を零すアム
「………本当よ、もっとも、私は途中で抜けたんだけどね」
驚いた様子のハジメの目の前にデッキを持った東雲の手が現れる
「俺なら君の知りたいことについて答えてあげられる、真実を知る資格があるかどうかは、君次第だ」

互いのファイカをテーブルにして向き合うハジメと東雲
「全部聞かせてもらうからな!俺が勝ったらあんたたちとお袋の間に何があったのか、なんで俺たちにそれを話したのか!」
「ああ、すべてはこの審判に委ねられる」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」 
 

 
後書き
次回予告
東雲にファイトを挑むハジメ
母への思い、仲間への思い
様々な思いを胸に向かっていくハジメ
東雲はそれを確実に対処していく
turn:33 東雲ショウマ 
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