Blue Rose
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第三十九話 認識その四
「魔女の」
「そうそう、黒猫ってね」
「魔女の使い魔っていうわね」
「魔女っ子ものでもあるわね」
「お婆さんも連れてたりするわね」
尚日本では魔女は別に怖い存在ではない、むしろファンタジーの世界に住んでいる非常に楽しい存在である。
「楽しい使い魔ね」
「何かそっちの方がいいわね」
「佐賀のお話に比べたら」
「それとはね」
「また違うわね」
また言った優花だった。
「私もそう思うわ」
「魔女と黒猫はね」
「楽しい組み合わせで」
「全然怖くないわ」
「実際ね」
優花も笑って言う。
「魔女はね」
「そうそう、何が怖いのかね」
「私達には全然わからないわね」
「魔女狩りとかする位にはね」
「全然怖くないわよ」
「黒猫も」
こちらもとだ、優花は言った。
「怖くないわ」
「まあそこはね」
「こっちの事情だから」
「佐賀のあのお話は根付いたから」
「どうしてもね」
「そうなのね、本当に関西だと」
特に大阪ではだ。
「黒猫は喜ばれるから」
「特に、なのね」
「怖くなくて」
「むしろ商売繁盛のもとで」
「喜ばれるのね」
「そうなの、私もね」
優花自身もだ、黒猫についてはだ。
「黒猫好きだし」
「まあ最近は佐賀でもね」
「黒猫は昔程怖がられなくなったわ」
「昔は本当に忌み嫌われていたけれど」
「今は昔程にはね」
「黒猫って可愛いと思うけれど」
優花はまた言った。
「黒い毛も金色の目もね、特に太ってたら」
「あっ、デブ猫ね」
「太った黒猫は特になの」
「可愛いっていうのね」
「そうなのね」
「そう、凄く可愛いと思うわ」
優花の見たところだ。
「だから大人になったら飼いたいわね」
「それで商売繁盛」
「そういうことね」
「黒猫については」
「優ちゃんはそう思うのね」
「ええ、本当に何時か飼いたいわね」
家庭を持ってとだ、優花は将来のことを夢見ながら語った。そうした話をしながらそのうえで青春を謳歌していた。女の子としてのそれを。
だが優花が今通っている学校には衝夫がいる、衝夫は職員室では受けがよかった。
下品な冗談を言い同僚達を笑わせている、しかし。
その彼を見てだ、生徒達は言うのだった。
「あいつ何で先生達には受けがいいんだよ」
「それわからないよな」
「俺達には威張り散らしてるのにな」
「校長とか教頭には頭下げてな」
「目上の人には逆らわないんだよな」
「先生は同僚で対等だからか?」
「それで俺達は下かよ」
生徒である彼等はというのだ。
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