オズのビリーナ
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第十一幕その八
「私の国に飾りたいの」
「それはいいことだね」
「色々な奇麗なお花を飾ってるけれどね」
「あの菫もだね」
「飾りたいの」
そうだというのです。
「だからよ、手に入れるわ」
「よくわかったよ、じゃあ僕はこれでね」
「ええ、また機会があったら会いましょう」
「その時はまた宜しくね」
「お肉ご馳走するわね」
笑顔で、でした。トロットもドラゴンに言うのでした。
「その時はまた」
「今度は皆で食べようね」
「生肉を?」
「いやいや、君達は調理したのを食べたらいいよ」
そうしたお肉をというのです。
「僕は生肉だけれどね」
「私達はステーキやシェラスコを食べて」
「お肉を食べることは同じだからね」
それでというのです。
「そうしようね」
「じゃあまたお会いした時はね」
「またね」
こう笑顔でお話してでした、そしてでした。
ドラゴンは皆と笑顔で別れて穴の中に戻りました、そして穴をすぐに埋めてから姿を消したのでした。それからです。
ビリーナは皆にです、再び言いました。
「それじゃあね」
「今からね」
「いよいよ種を手に入れるわよ」
「何かそう言われると」
ナターシャはビリーナの今の言葉を聞いて頷きました、そのうえでの言葉です。
「本当にいよいよね」
「ナターシャもそう思うでしょ」
「貴女の国に行ってね」
「それで地下に入ってね」
「エルフ族とドワーフ族の揉めごとも終わらせて」
「カリフ王ともお話してね」
ノーム族の王様のです。
「色々あったわね」
「オズの国らしいわね」
「オズの国はね」
それこそと言うのでした。
「いつも言ってる通りいつも何かある」
「そうしたお国だから」
「今回の冒険もいつも通りよ」
「色々とあったのね」
「むしり何もなくてスムーズに目的まで達することが出来たらうれしい?」
「そう言われると」
ナターシャも言います。
「あまりね」
「そうでしょ、目的地まで色々あってこそよ」
「面白いのね」
「それが世の中ってものでね」
「オズの国なのね」
「そう、オズの国は特にそうなのよ」
まさにというのです。
「何かがある国なのよ」
「それで楽しいのね」
「そういうことよ、そのこれまでのことを楽しく思い出しながら」
そしてというのです。
「種を手に入れるわよ」
「それじゃあね」
「今から行きましょう」
「それならね」
こうお話してでした、そのうえで。
皆はあらためて前に進みました、すると。
広場に出てそこはでした、一面虹色の菫が咲いていました。皆はその菫達を見て満面の笑顔になりました。
そしてナターシャ達五人もです、笑顔で言うのでした。
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