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Blue Rose

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第三十八話 忍び寄る悪その八

「そうしなくていい、しかも一人じゃどうしようもない時はね」
「誰かにですか」
「助けてもらうこともいいことだから」
 それでというのだ。
「困った時はね」
「この療養所にもですか」
「来てね」
 そして頼ってくれというのだ。
「そうしてね」
「それじゃあ」
「その教師が来てもね、ただね」
「ただ?」
「そうした奴は類は友を呼ぶでね」
 世の常の一つだ、質のいい人間の近くには質のいい人間がいて質の悪い人間の近くには質の悪い人間がいる。
「碌な奴と一緒にいないからね」
「そうした先生のお友達はですか」
「そう、大抵とんでもない人と一緒だから」
 それでというのだ。
「気を付けてね」
「そうした人にもですね」
「うん、学校の教師にプロ市民に弁護士に」
 そうした輩に多い社会的立場である。
「それとジャーナリストだね」
「そうした仕事の人に多いですね」
「活動家みたいなのはね」
 岡島はここではこの表現を使った。
「過激派くずれとも言っていいかな」
「赤軍派や中核派ですね」
「それと同じ連中がね」
「どうしてそうした人達に多いんですか?」
 過激派がとだ、優花は岡島にこのことも尋ねた。
「そもそも」
「あと組合にも多いけれどね」
「労働組合にもですか」
「マルクス主義、というか実際はスターリンとか金日成とかの考えがね」
 全体主義である、共産主義というが共産主義が元々強く持っていたジャコバン派的思想が肥大化したというか正統に継承したものか。
「日本にも入っていて学生運動があったね」
「安田講堂とかの」
「暴力革命だとか言って暴れていたんだ」
 大学においてだ、学生運動の実態はただの暴動であった。
「そうした人はまともに就職出来なかったからね」
「共産革命とか言っていて」
「そう、社会的にどうかって認識されてね」 
 言うまでもなく企業は資本主義の産物だ、その企業側として共産革命の為に暴力も平然と行う人間が採用しにくいことは言うまでもない。
「一般企業に就職しにくくて」
「それでなんですか」
「そうした仕事に就いたんだ」
「学校の先生やジャーナリストや弁護士に」
「そう、そして組合にはね」
「そうした人達がですか」
「影響を及ぼしたりしていたんだ、それに」
 さらに話す岡島だった。
「過激派でも就職出来た人間がいて」
「そうした人達が組合に入って」
「活動しているんだ」
「何かとんでもない話ですね」
「そうだね、よくこうした人達はリベラルと言うけれど」
 自分達自身で、である。
「実態はね」
「そうじゃないんですね」
「そうだよ、正体はそんな連中なんだ」
「やりたい放題をしている人達なんですね」
「過激派の残党でね、あれでもソ連が崩壊してかなり減ったらしいよ」 
 共産主義の本丸がだ、このことは歴史にある通りだ。
「あれでもね」
「そうなんですか」
「数も勢力もね」
「数自体は少ないんですか」
「とてもね、声は大きいけれど」
 ソ連崩壊まではそれなりの勢力があった、日本の政党で言うと社会党だ。この政党が北朝鮮一辺倒で他にどうした主張だったかは戦後日本政治史の愚劣な一面そのものだ。 
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