ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第十一幕その二
「沖縄については」
「他に知らないのかな、沖縄のこと」
老馬もそこが不思議です。
「こんなに楽しい場所なのに」
「何かやたらウチナンチューが、って言う人いるけれど」
ジップも首を傾げさせています。
「平和とか言ってね」
「そうした人達って実は」
トートーが見ている分にはです。
「自分のことだけしか見ていない気がするよ」
「そうそう、何かね」
チーチーはトートーのその言葉に頷いて応えました。
「そんな感じだよね」
「民意とか言うけれど」
ホワイティも言います。
「自分と違う意見は聞かないし」
「基地の前で凄かったわね」
ポリネシアは自分の目で見たその光景を思い出しています。
「暴動みたいで」
「全然平和じゃなかったね」
「目でも合っていればどうなっていたか」
チープサイドの家族もこのことを指摘します。
「暴徒そのもので」
「凶暴だったわ」
「ああした人達って沖縄のこと知ってるのかな」
「基地以外のことに興味があるのかな」
オシツオサレツは二つの頭で考えています」
「先生みたいに」
「色々なものに興味あるのかな」
「何で基地しか言わないんだろう」
ダブダブはこのことを悲しくさえ思っています。
「こうして素晴らしいものが一杯あるのに」
「僕はそうしたことは好きじゃないから」
だからと言う先生でした。
「色々なものをね」
「沖縄の」
「そうしたものを」
「学んでいるんだね」
「今回もそうで」
「そうなんだ、本当にね」
さらに言うのでした。
「こんなに楽しく学べる場所なのにね」
「残念だよね」
「基地しか観ないっていうのは」
「生きものや文化とか」
「本当に素晴らしいところなのに」
「基地しか観ないのなら」
それこそというのです。
「来ない方がいいかもね」
「最初からね」
「沖縄には」
「そういうことしか観たくないのなら」
「最初から」
「そうも思うよ、基地だけじゃないってことはね」
心から思う先生でした。
「忘れたらいけないよ」
「全くだね」
「先生の言う通りだと思うよ」
「そんなことしか見られないのなら」
「来ても仕方ないし」
「そもそも楽しくもないだろうし」
「あの人達は何もわかっていないし」
先生はとても残念なお顔で言いました。
「何も見えていないんだ」
「基地のことすら」
「全く」
「僕はそう思うよ、僕は観光は好きだけれど」
それでもというのです。
「運動家じゃないからね」
「だよね、先生は運動家じゃないよ」
「学者さんだよ」
「何よりもお医者さんだよ」
「だからね、学者であり続けるよ」
絶対に運動家にはならないというのです、こうしたことをお話してでした。先生はこの日の夜の晩御飯も楽しみました。
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