Three Roses
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第二十八話 再会した薔薇達その四
「私達がです」
「いるから」
「例え別の国にいましても」
「手紙を送ってくれたら」
「その時はです」
「すぐに動くわ」
このことを約束するのだった。
「ですから何がありましても」
「心配しないで」
「すいません」
マリーは二人の心、言葉として出されたそれを受けて礼を述べた。
「では」
「はい、それでは」
「何かあったその時は」
「すぐにです」
「私達の出来ることをするわ」
「ですからこれからもです」
「お手紙のやり取りは頻繁に」
行おうとだ、二人で言った。そしてマリーもだった。
葡萄酒、三色の薔薇の花びらが入っているそれを飲み干した。そうしてから二人にあらためて言った。その言った言葉はというと。
「私達が飲んでいるこの葡萄酒は」
「はい、私達のですね」
「絆そのものね」
「これを飲むということは」
まさにというのだ。
「絆そのもの、ですから」
「お手紙のやり取りも」
「それも」
「そうしていきましょう」
こう言うのだった。
「これからも」
「はい、それでは」
「私達はね」
「何かあればお互いに」
「助け合っていきましょう」
セーラとマリアも葡萄酒、薔薇達が入ったそれを飲み干した。今しがたマリーがしたようにだ。そのうえでの言葉だった。
「是非」
「そうしていきましょう」
「お互いに何かあれば」
まさにだ、その時はというのだ。
「命を捨てて助け合いましょう」
「私達の絆に誓って」
「永遠に」
三人で誓い合う、そしてだった。
後は三人での談笑になった、おかわりの葡萄酒も頼みそちらも飲みつつだった。三人は再会を祝い近いも立てた。
そのうえで二人はそれぞれの国に帰った、だが国に帰ってからだ。
セーラはマリーについてだ、傍の者達に暗い顔で話した。
「マイラお姉様とのこと、旧教とのこと」
「国政の他のこともあり」
「大変な状況ですね」
「少しでも油断されると」
「それで」
「はい、大変なことになります」
まさにというのだ。
「あの方は」
「では、ですね」
「何かあれば」
「その時はです、誓いを立てましたが」
「では、ですね」
「その誓いのままに」
「王妃様は」
側近達も応えた、セーラも既に王妃になっているのだ。とはいってもそうなってまだ日が浅く権力基盤もまだ磐石ではない。
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