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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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夏休み 後編

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「行くぞミト。足引っ張んなよ? 」

「カグラこそ」

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Model Damage level Set to C』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

『Field 1 space』

フィールドは、宇宙だ。

『Please Set Your GUNPLA』

『BATTLE START』

「カグラ レイ!アルケオニスガンダム!やるぞ!! 」

「ミト アキラ!エクストリームガンダムtypeレオスⅡvs!行くぞ!! 」

二機共勢いよくバトルフィールドへと飛び立ち、敵機を探す。

「そういや、イチノセの機体はどんなのなんだ? 」

「イチノセ先生はインパルスガンダムの改造機、アンリミデッドインパルスだ。
アンテナ変更や肩バーニアの大型化。フロントアーマーを除く腰全体には赤いマント。サイドアーマーとリアアーマーには短剣を計四刀装備。
脚部にはバーニアを増設している機動力強化の機体。カラーリングは赤黒だったな」

「バックパックは? 」

「俺がバトルした時は、標準のフォースシルエットだったな。武装も標準。ははっ…………明らかに手を抜かれていたな」

「そんなに強ぇのかよ…………」

「少なくとも、一度も勝てたことはないからね。けど、徐々に差は縮まってる感覚はある。イチノセ先生に追い付くのも、そう遠くない気がする」

練習試合の時はミトと互角の勝負を繰り広げたが、そのミトが一度も勝てねぇ相手か…………。

「ま、頑張れよ」

「そういうカグラは、イチノセ先生を破ったことのある人達から指導を受けているんだろ?その中でも、エースであったサオトメさんからもこうして指導を受けている。冬の大会が楽しみだ」

「…………そっちは負けたのか? 」

「いや、勝った」

「じゃあ全国の事を考えてろよ…………」

「正直、カグラ達と全国を競いたかったからね。残念であるよ。君達と冬、全国で会えることを望むよ」

「舐めんな。会えるところか勝ってやるよ」

「それは頼もしいな」

会話をしていると、目の前からアラート音が鳴り響いた。二人はすぐに会話を止め、意識を目の前に集中させる。

「…………来ない? 」

「いや、多分これは…………」

そう口にすると、メガ粒子砲クラスのビームが迫ってきていた。二機は攻撃をかわし、砲撃元を見つめる。

「やっぱりパワーゲートか! 」

「カグラ!変形して一気に距離を縮めよう!俺を乗せてくれ! 」

「任せろ! 」

スザクモードに変形し、その上にエクストリームガンダムtypeレオスⅡvsが乗る。バーニアを全快にし、敵機がいるであろう場所へと向かう。

「…………見えてきたな」

レーダーに敵影を二つ確認する。一機はアカツキガンダムフラガ、もう一機はミトが言っていたインパルスの改造機に、ソードシルエットを装備していた。

「接近はイチノセ。その援護にムウってところか。どうする? 」

「俺がイチノセ先生と相手しつつ、ムウさんを攻撃する。カグラはムウさんを相手しつつ、二機の連携を分断してくれ」

エクストリームガンダムtypeレオスⅡvsはアルケオニスガンダムの上から飛び降り、アンリミデッドインパルスへと接近していく。

「分かった」

返事をしてすぐにバスターライフル改で砲撃しようとするが、ヤタノカガミの事を思いだす。MS形態に変形し、シールドからビームサーベルを抜刀してアカツキガンダムフラガに向けて投擲する。

アカツキガンダムフラガはビームライフルで撃ち落とし、左手に双刀型ビームサーベルを構え、ビームライフルで攻撃しながら接近してきた。

それに対しバスターライフル改からビームサーベルを発生させ、ビームライフルによる的確な攻撃を旋回しながら回避し、アカツキガンダムフラガとの距離を詰めていく。

「おおおぉぉぉぉぉぉっ! 」

バスターライフル改とビームサーベルが衝突し、お互い瞬時に次の行動を取る。
アカツキガンダムフラガはビームライフルを突き出しながら攻撃してきたが、ウイングシールドで防ぎ、そのまま胴体目掛けてシールドチャージを繰り出す。

アカツキガンダムフラガはそれを読んでいたのか、右肘をウイングシールドに入れ、その反動で機体を回転させてウイングシールドへとビームサーベルを水平に斬り払う。

『おーおー。疲れてるくせに速いな』

「まだだっ! 」

マシンキャノンでアカツキガンダムフラガに牽制を入れ、バスターライフル改を振り下ろす。
シールドでマシンキャノンを防いだアカツキガンダムフラガは、ビームライフルをリアアーマーに収納し、エクスカリバーを抜刀してバスターライフル改の攻撃を防ぐ。

『ぬるい、ぞ! 』

エクスカリバーをそのまま振りきられ、後退させられる。

「ちぃっ! 」

体勢を立て直しアカツキガンダムフラガを見ると、既にドラグーンを七基射出し、更にオオワシのビーム砲で攻撃してきていた。

「ぐっ…………! 」

ウイングシールドで攻撃を上に受け流すように防ぐと、その隙にドラグーンが攻撃してきた。

「プロテクトピット! 」

アルケオニスガンダムの前面にプロテクトピットが四基割り込み、ビームシールドを展開してドラグーンの攻撃を防ぐ。

「っ───ミト!! 」

エクストリームガンダムtypeレオスⅡvsがこちらにプロテクトピットを射出した瞬間に、アンリミデッドインパルスがエクスカリバー二刀で斬りかかろうとしていた。

頭で考えるよりも先に体が動き、アンリミデッドインパルスを引き離すためにバスターライフル改で砲撃する。

「すまない!助かった! 」

「こっちもだ!けど、まだだ! 」

スザクモードに変形し、ドラグーンの攻撃を潜り抜ける。ドラグーンある程度引き付けたあとにMS形態に変形し、バスターライフル改の出力全開の砲撃を放つ。
それでも僅か二基しか破壊出来なかったが、そのままギロチンのようにアカツキガンダムフラガを狙う。

『やらせるか! 』

アンリミデッドインパルスはビームブーメランを、アルケオニスガンダムに投擲する。

「俺もだ!イチノセ先生! 」

エクストリームガンダムtypeレオスⅡvsは高純化兵装エクリプスでビームブーメランを撃ち落とし、更にアンリミデッドインパルスに砲撃する。

『ちっ! 』

アンリミデッドインパルスは砲撃を回避し、エクスカリバーを構えてエクストリームガンダムtypeレオスⅡvsに接近する。

その間、アカツキガンダムフラガはバスターライフル改の砲撃を回避し、反撃にビームライフルとドラグーン、オオワシのビーム砲で攻撃してきた。

すぐに回避行動を取るが、避けきれない攻撃はウイングシールドで受けたため破壊された。
だがアカツキガンダムフラガとの距離を詰めることはでき、バスターライフル改からビームサーベルを発生させて斬り下ろす。

それをシールドで受け止められたが、左手で刀を逆手抜刀し、追撃を加える。それを瞬時に察したアカツキガンダムフラガは後退するが、ビームライフルが切断される。

『少しはやるようになったな! 』

「当然だ!まだまだこれからだ! 」

刀を逆手から持ち変え、水平に斬り払う。 ビームサーベルで防がれ、反撃にエクスカリバーを構えて斬り下ろしてきた。
バスターライフル改のビームサーベルで衝撃を受け流しつつ防ぎ、互いに一度距離を取り、また接近する。

「アサルト…………! 」

バスターライフル改を肩にかけ、突き出しながらアカツキガンダムフラガに突撃する。

『っ!? 』

アカツキガンダムフラガはバスターライフル改のビームサーベルを半身でかわし、ビームサーベルで切断する。そして反撃でエクスカリバーを振り上げたが、機体を翻して回避する。

「ツヴァイ!! 」

懐に潜り込み、左手に構えた刀を四角形を描くように斬り払っていく。決まったと思ったが、それでもアカツキガンダムフラガはきちんと反応し、四撃中三撃は防がれてしまった。
一撃はエクスカリバーを切断したのみで、ダメージを与えることは出来なかった。

「くそっ! 」

『ヒロヤの技を使ってくるか!けどな。一年の時のヒロヤの方がまだ早かったな! 』

アカツキガンダムフラガはビームサーベルを二つに分け、両手に構えて斬り落としてきた。刀で防ごうとするが間に合わず、両肩の付け根から切断された。

「ぐっ…………! 」

「カグラ!…………がぁっ! 」

『よそ見してる場合じゃないぞ! 』

エクストリームガンダムtypeレオスⅡvsはアンリミデッドインパルスと接近戦を繰り広げていたが、一瞬の隙を突くように武装と両腕を切断されていた。

『これで…………』

『終わりだ!! 』

二機の攻撃が、無防備の俺達に炸裂し、バトルは終了した。

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「くっ…………また負けた」

「くそっ…………強すぎんだろ」

「甘いなお前ら。技をかけるんだったら、かけた後のことも考えて行動しろ」

「まあ、前回よりは幾分マシになってはいたな。精進しろよミト、カグラ」

二人からの励ましを受け、俺達は大きくため息を吐きながら頷く。

「で、どうだイチノセ?一応及第点には届いてるんじゃないか? 」

「そうだな…………ギリギリ勝ち進めるかどうかだ」

「?なんの話だよ? 」

「ああ。イチノセ達に来てもらった本当の理由は、お前達にある大会に参加してもらおうと思ってな」

「「ある大会? 」」

「ああ。その大会っていうのは────」

サオトメの口から大会名を言われ、俺とミトは目を見開いた。

 
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