聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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794部分:第百二十三話 サガの素顔その一
第百二十三話 サガの素顔その一
サガの素顔
小宇宙が湧き上がる中で。またポポスは言ってきた。
「ジェミニよ」
「闘いのことか」
「貴様が闘いの先に見ているものは平和だな」
これを問うのだった。
「そうだな」
「それは何度も言っているな」
「確かにな」
ポポスはあえてそれを聞いたかのようであった。
「それはだ」
「しかしあえてか」
サガは彼が何故それを問うたのかを考えて述べた。
「あえて問うたというのだな」
「その通りだ。確かに貴様は平和を見ている」
「だが、か」
「そうだ。何を見ている」
また問うポポスだった。
「もう一人の貴様は」
「平和ではないとでもいうのか」
こう返したサガだった。
「それでは」
「いや、おそらく平和だ」
「それは同じか」
「しかし貴様はその平和は何によってもたらされると思っている」
「何によってか」
「そうだ、何によってだ」
それを問うのだった。
「それは何によってもたらされると思っているのだ」
「愛だ」
返答は一言だった。
「愛によってもたらされる」
「それが貴様の考えだな」
「人の心によってそれがもたらされる」
そう言ってそれであった。今度はだ。
ポポスは彼を見たままだ。また言ってみせたのである。
「しかしもう一人の貴様はだ」
「平和は何によってもたらされると思っているというのか」
「力だな」
それだというのだ。
「力によってもたらされると思っているな」
「力による平和か」
「そして力による正義だな」
「力か」
力と聞いてだった。サガは少し考える顔になった。そのうえでの言葉だった。
「力による正義か」
「それは違うというのか」
「力による正義はデスマスクもシュラも言っている」
彼等がだというのだ。
「そしてアフロディーテもだ」
「黄金聖闘士達にもそうした者がいるのか」
「いる。しかしだ」
「しかしか」
「それは人としての正義だ」
それだというのである。
「人としての正義だというのか」
「そうだ、それ以外の何者でもない」
「人として、アテナの聖闘士としての正義か」
「それに全く変わりはないのだ」
こう話すのであった。
「ではもう一人の貴様もか」
「そうだ、もう一人私がいるとすればだ」
サガはポポスにあえて話を合わせていた。そのうえでの言葉だった。
「その私もまた同じだ」
「同じだというのか」
「人としての正義を見ているのだ」
「野心や覇権があってもか」
「それでも人としての正義を見ているのだ」
また言うサガだった。
「それが極端であり逸脱するかも知れないがな」
「その逸脱が問題だな」
「問題か」
「そうだ、それが問題だ」
「だがそれがだ」
「それがか」
ポポスの言葉を問う。
「それがだというのか」
「それが貴様が持っている運命の一つであり」
ポポスの言葉が続く。
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