ソードアートオンライン 〜黒の旅立ち〜
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アインクラッド篇
1話 始まりの日
前書き
1話!誤字脱字あれば教えてください!
「リンクスタート!」
主人公:桐ヶ谷和人はそう叫んだ。五感がどんどん切断されていくのを感じる.............、気付けばそこはもうソードアートオンライン第一層「始まりの街」だった。
「帰ってきた........この世界に!」
桐ヶ谷和人:キャラクター名「キリト」はお得な武器屋に早速走っていく。
「おーい!そこの兄ちゃーん!」
「え、俺のこと?」
見ればそこには悪趣味なバンダナを巻いたおっさんが立っていた。
「おーうよ!その迷いのない走りっぷり、あんたベータテスターだろ?」
「あ、あぁ。まぁ........」
「ちょうどよかった!ちょいとレクチャーしてくれね?」
「んー.........」
「頼むよ!俺の名前はクライン!よろしくな!」
「しょうがないなぁ.......、俺の名前はキリト、よろしく」
2人はフレンド登録をし武器屋に歩いて行った。
〜始まりの街 周辺フィールド〜
「ぬおっ.........とりゃっ........うおぉ!!」
無茶苦茶に繰り出した剣が見事に空気を切り裂いていく。
その瞬間、図体のわりに素早い青イノシシがクライン目掛けて猛烈な突進を見舞った。吹っ飛ぶクラインを見て俺は思わず笑い声をあげた。
「ははは.......、そうじゃないよ。大事なのは初動のモーションだ、クライン。」
「ってててて.........にゃろう」
毒づきながら立ち上がったクラインは俺を見ながら情けない返事を返す。
「んなこと言ったってよう、あいつ動きやがるし.....」
「動くのは当たり前だろ、練習用のカカシじゃないんだぞ。でも、ちゃんとモーションを起こしてソードスキルを発動させれば、あとはシステムが技を命中させてくれるよ。」
「モーション.........モーション.............」
呪文のように繰り返し呟きながら右手に握った曲刀を軽く振った。
青イノシシ、正式名「フレンジー・ボア」はレベル1の雑魚モンスターだが、無限にも思える空振りと急所に迫る突進のおかげでクラインのHPバーは半分を下回っていた。
例え死んでも「始まりの街」で蘇生するだけだが、またこの場所まで戻るのは面倒だ。せいぜいあと1回が限度だろう。
「どう言えばいいのかな........、1、2、3で構えて振りかぶって斬るんじゃなくて、初動でほんの少しタメを入れてスキルが立ち上がるのを感じたらズパーン!って打ち込む感じで.........」
「ズパーンって言われてもよう.......」
すう、ふー、と深呼吸してから、腰を落とし、右肩に担ぐように剣を持ち上げる、今度こそモーションが検出され曲刀がオレンジ色に輝く。
「おりゃぁー!!」
太い掛け声と共にこれまでとは比較にならない滑らかな動きで左足が地面を蹴った。片手用曲刀基本技「リーバー」が突進に入りかけていた青イノシシのHPを吹き飛ばした。
「うおぉっしゃぁ!!」
クラインは大はしゃぎで喜んでいる。
「初勝利おめでとう、って言ってもさっきのイノシシ、他のゲームじゃスライム相当だけどな。」
「えっ!まじかよ!おりゃてっきり中ボスかなんかだと」
「んなわけあるか」
「「はっはっは」」
2人の笑い声は遠くのフィールドまで響くようだった.....
「さ、俺はそろそろ落ちるぜ、向こうで熱々のピザを予約済みよ!!」
クラインが名残惜しそうにそう言った。
「準備万端だな。」
俺も名残惜しいが、しょうがない。また後で一緒に狩りをすればいいか。
「あれ、ログアウトボタンがねぇ。」
「............は?そんなわけないだろ、もう一度よく探してみろよ。」
「................やっぱりねぇよ。なんかのバグか?ま、じきにGMからアナウンスでもくるだろ。」
直後、世界はそのありようを永久に変えた。
突然、リンゴーン、リンゴーンという鐘のような、あるいは警報音のような音がアインクラッド中に響き渡る。
「んな........!!」
「なんだ!?」
同時に叫んだ俺たちは互いの身体を見て互いに驚いた。俺とクラインの身体を鮮やかなブルーの輝きが包んでいたのだ。
これはベータテスト中にも起きた現象「転移」だ。しかし、俺は今アイテムも使っていなければコマンドも唱えていない。
-------気づけば俺は「始まりの街」の中央広場に立っていた。そうと認知するよりも早く、
「おい、大丈夫か、キリト」
悪趣味なおっさんの声が聞こえる。
「あ、あぁ、大丈夫だ」
「これ、どういうことだ?」
クラインは問い詰めてくる。
「いや、俺にもさっぱり分からん、ベータテストではこんなこと一度も無かった。」
周りでも「どうなってんだ?」「これで帰れんのか?」「早くしろよ!」などが聞こえてくる。
と、不意に
「おい!上を見ろ!」
それらの声を押しのけるように誰かが叫んだ。
上には何やら英語が並んでいた。
【Warning】【System Announcement 】と読める。
『プレイヤーの諸君、私の世界にようこそ』
突如、聞こえたその声におよそ1万人が驚愕しただろう。
そして、次の一言にさらに1万人は驚愕した。
『私の名前は茅場晶彦。今やこのゲームをコントロールできる唯一の人間だ』
「..........なに!?」
俺はその名前を当然知っていた、知らないわけがなかった。数年前まで弱小ゲーム会社の1つだったアーガスが最大手とまで呼ばれるまで成長した原動力となった男。若き天才ゲームデザイナーにして、量子物理学者。
彼はSAOの開発ディレクターであると同時にナーヴギアそのものの基礎設計者でもあるのだ。
『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いているだろう。しかしこれは、ゲームの不具合ではない。繰り返す、これは不具合ではなくソードアートオンライン本来の仕様である。』
「し、仕様だと.......」
隣でクラインがかすれた声で囁いた。しかし俺はそれすらも聞こえないほど上を見上げていた。
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはできない。........また、外部の手によるナーヴギアの停止、あるいは解除も有り得ない、もしそれが試みられた場合........』
わずかな間のあと、
『-------ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる。』
俺とクラインはたっぷり数十秒呆けた顔を見合わせていた。
「はは.......、何言ってんだ、頭おかしいんじゃねえのか?ただのゲーム機で脳を破壊する!?そんなことできるわけねえ!」
クラインは半ばすがるように俺を見てそう言った。
「..........原理的には不可能じゃないけど、でも、ハッタリに決まってる。いきなりナーヴギアの電源コードを引っこ抜けばとてもそんな高出力の電磁波は発生させられないはずだ。大容量のバッテリーでも内蔵されていない.........限り.........」
そこまで言いかけた言葉を、クラインが補填する。
「いや、内蔵してるぜ、ナーヴギアのギアの重さの3割はバッテリセルだって聞いたことがある........、でもそんなの瞬間停電も起こったら全員お陀仏だぜ!?」
そう言ったのが聞こえたのか、上のローブ姿のアバターがその問いに答える。
『正確には、10分間の外部電源切断、2時間のネットワーク回線切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解または破壊の試み-----以上のいずれかの条件を満たすことによって脳破壊シークエンスが開始される。』
その言葉を聞いた直後に俺は行動を開始した。
「ちょっと来い、クライン」
俺はクラインを連れて街の路地まで歩いた。
「クライン、俺と一緒に来い」
「................え?」
「お前も知っている通りMMORPGっていうのはリソースの奪い合いだ、いかに効率よく他人よりリソースを獲得し、自分を強化できるか、それにかかってる。俺はこの辺の地帯なら全部知ってる、だからレベル1の今でも安全に次の街までたどり着ける。」
俺は急かすように、あるいは1人では嫌だと言わんばかりに説明した。
「でも、でもよぉ、俺は他のゲームで知り合ったやつと落ち合う約束をしてるんだ、あいつらを見捨ててはいけねぇ。」
俺は考えた。クライン1人だけならなんとかなるかもしれない、だがあと2人、いや、1人増えただけでも不味い。その1人が死んだ時のクラインの恨むような眼を想像し、途端に恐怖に煽られた。
「................そうか。分かった、ならここで別れよう。なにかあったらメッセージ飛ばしてくれ.............じゃあな、クライン」
俺は足早にその場を去ろうとする。
「................キリト!」
突然呼ばれ、後ろを振り向く。
「おめぇ、ほんとは案外可愛い顔してやがんな、結構好みだぜ!」
なんと心の広い男なのだろう、普通なら恨んでもおかしくないこの状況で。
「お前のその野武士ヅラの方が10倍似合ってるよ!」
そう返し俺は次の街へと全力で走る。
これが悲劇の幕開けとも知らずに。
後書き
どうでしょうか!若干.........というかかなり原作を真似していますが、今後オリジナルにしていく予定です。
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