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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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777部分:第百十九話 神に近い男その四


第百十九話 神に近い男その四

 彼はまだ立っていた。動いてもいる。それまでと全く同じにしか見えない。
 その同じ姿でだ。彼は言うのであった。
「さて、これからどうするのだ」
「天舞宝輪は放ちました」
 言葉は既に過去形だった。
「これで、です」
「それではもう終わりか」
「いえ、終わりではありません」
「では何をするつもりだ」
 技はまだ放たれたままだ。そのうえでの言葉だった。
「次はだ。何をするつもりだ」
「確かに放ちました。ですが」
「ですが、か」
「私の技はまだあるのです」
「まだだと?」
「そう、それこそがこの技です」
 言いながらだった。再び構えを取ってだった。
「一つ言い忘れたことがあります」
「何だ、それは」
「確かにセブンセンシズはありとあらゆる感覚を感じることができます」
 それはだというのだ。
「見ることも聞くこともです。話すことも感じることもできます」
「今の私がだな」
「そうです。それはです」
「それはか」
「しかし私は他にも技を持っています」
 ここでこう言ったのだった。
「他にもです。最大の奥義を複数持っているのは貴方だけではないのです」
「まだあるというのか」
 既に彼の技はシャカを撃っている。だがシャカは倒れはしない。そうしてその中で言葉を続けるのである。マントは攻撃を受けたなびいているがだ。それでもシャカは吹き飛ばされもせず傷を受けてもいない。そのまま立っているのである。
 その中でだ。シャカは言うのだった。
「そう、私のもう一つの最大の技はです」
「何だ、それは」
「天空覇邪魑魅魍魎」
 その技の名前を出したのである。そしてだ。
 無数の悪霊と思わしくものがケーレスを襲う。それは彼とてもかわしきれなかった。
「!?これは」
「さて、どうしますか」
 無数の悪霊を出しつつ問うシャカだった。
「彼等を防ぐことはできますか」
「侮るな」
 これがケーレスの返答だった。
「私にとってはだ。悪霊なぞはだ」
「ではそれを見せてもらいましょう」
 こう返すシャカだった。そのうえでその悪霊を浴びせ続ける。ケーレスはその衝撃に暫くは耐えていた。しかしそれも遂に限界を迎えたのであった。
「うっ・・・・・・」
「限界ですね」
「馬鹿な・・・・・・」
 技も消えていた。そのうえでの言葉である。彼は今両膝をついてしまっていた。
「何故だ、何故神である私が敗れた」
「若しも貴方が万全ならばです」
 シャカはここで言うのだった。その両膝をついた彼に対してだ。
「私もこうなってはいなかったでしょう」
「万全ならばだというのか」
「感覚はただ存在するだけではありません」
「何だと、一つだけではないというのか」
「そうです、一つ一つが力になるのです」
 こうケーレスに対して告げる。
「視覚も聴覚も。存在しているだけで、です」
「しかし貴様は目を」
「はい、閉じていました」
 その開いた目での言葉だ。
 
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