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Blue Rose

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第三十七話 生まれた陰その六

「けれどな」
「それでもよね」
「八条大学目指すさ」
「じゃあ大学でね」
「また会おうな、あと家もだよな」
「姉さんとまたね」
 かつての様にというのだ。
「一緒に暮らすわ」
「元通りにか」
「そうなるわ」
「そうか、待ってるな」
 今度はだ、龍馬は温かい笑顔になって優花に言った。
「その時をな」
「お願いするわね」
「本当に戻って来いよ」
「そうなる様に努力するわ」
「ああ、ただもう御前は女の子だから」
「そう、姉さんと一緒に住んでいても」
 このことはかつてと同じであるがというのだ。
「やっぱりね」
「姉弟じゃないな」
「従姉妹同士ってことでね」
「そういうことにしてか」
「住むことになるわ」
「そうか、それだったらな」
「誰もね」 
 それこそだ。
「わからないから」
「それがいいな」
「実の姉妹とはね」
 こう公にすることはというと。
「どうしても」
「無理だよな」
「だからね」
「従姉妹同士か」
「そういうことにしてね」
 戸籍も抄本まではそうするというのだ、謄本になるとそこまでは出来ない。そもそも戸籍謄本になると役所も本人が頼んでも滅多なことでは出さない。個人情報の核心に関わるからだ。それこそ本人すら知らないことまで記載されている。
「神戸に戻るわ」
「そうか、わかった」
 龍馬は優花のその言葉に頷いて答えた。
「じゃあな」
「それでね」
「待ってるな」
「それじゃあね」
「そうしたらずっと一緒に遊ぼうな」
 微笑んでこうも言った龍馬だった。
「前みたいにな」
「ええ、そうね」
「ただ、今日はな」
「もうすぐね」
「帰ることになるけれどな」
「私がね」
「俺が戻るんだけれどな」 
 彼の場合は神戸にだ、龍馬は笑って言った。
「御前は今のお家に帰るな」
「そうなるわ」
「今は一人暮らしか」
「アパートにね」
「安全には気をつけてくれよ」
 女の子の一人暮らしだからというのだ。
「くれぐれもな」
「そのことも皆から注意されてるわ」
「優子さんもそうしてるしな」
 今の彼女もというのだ。 
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