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Blue Rose

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第三十七話 生まれた陰その二

「それな」
「今日はずっと赤ね」
「そうだな、何かな」
「赤ワインを飲みたいのね」
「白も好きだけれどな」
 それでもというのだ。
「今は気持ち的にな」
「赤なのね」
「ソーセージやイタリア料理だしな」
「それでなのね」
「赤な、もっとも朝はシャンパンだったけれどな」
「やっぱり飲み過ぎよ」
「自分でもそう思えてきた、けれどな」
 笑顔のままでだ、優花に言った。
「久し振りだろ、御前と会って一緒に飲むのも」
「それはね」
「じゃあいいだろ、最近俺家でも飲んでてもな」
 飲むことは飲んでいたのだ、八条町は町の条例で高校生から酒を飲めるのでそれで飲んでいたのである。
「寂しかったんだよ」
「そうだったの」
「俺一人で飲むのはな」
 ここでは顔に寂寥を出していた。
「あまり好きじゃないな」
「そのことに気付いたの」
「せめて居酒屋だな」
 そこで飲めればというのだ。
「違うんだけれどな」
「お家で一人で飲んでいても」
「飲めることは飲めるし美味いさ」
 楽しめることは楽しめるというのだ。
 だがそれでもとだ、龍馬は優花に話した。
「けれど寂しいんだよ」
「一人だと」
「そうなんだよ」
 こう話すのだった。
「だからな」
「飲む時は」
「誰かと一緒で特にな」
「私となのね」
「やっぱり御前とだとな」
「飲んでいてなの」
「楽しいし一番な」
 それこそというのだ。
「美味いからな」
「だからなのね」
「今は飲みたいんだよ」
「そうなの」
「だからいいだよ」
「たまによ」
 少し苦笑いになってだ、優花は龍馬に言った。
「本当に」
「わかってるさ、明日から暫くはな」
「飲まないのね」
「ああ、そうするな」
 優花に約束もした。
「明日帰る時も飲むにしても」
「朝のシャンパンね」
「けれどな」
「もうそれからは」
「殆どな」
「飲まない様にするのね」
「ああ、そうするな」
 こう優花に約束した。
「それはな」
「ええ、お願いするわね」
「飲み過ぎはよくないからな」
「身体にね」
「実際に壊す人多いからな」
「姉さんも」
 楓は酒好きの姉のことにも想いをやった。
「気をつけないと」
「いや、優子さんも最近はな」
「最近は?」
「休肝日も作ってるぜ」
 つまり酒を飲まない日もというのだ。 
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