オズのビリーナ
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第八幕その七
「ドワーフと闇エルフの人達だけれど」
「はい、御覧の通りです」
苦い顔で答えたノームの人達でした。
「もう顔を合わせたら何です」
「どうでもいいことで言い合うんですよ、彼等」
「お互いの何処がいい悪いか、正しい間違ってるか」
「そう言い合うんです」
「毎回毎回」
「もうそればかりで」
「大変ですよ」
こうトロットにお話するのでした。
「それで困ってるんです」
「地下では平和でいて欲しいのに」
「それでもなんです」
「ああして言い合ってばかりで」
「お互いだけなら穏やかなのに」
「顔を合わせると言い合いますから」
「そうだね、ドワーフもエルフもね」
キャプテンも言います。
「お互いに鉢合わせしないと穏やかなんだよね」
「それが、ですよ」
「顔を合わせると言い合いますから」
「殴り合いにはならないですが」
「困ったことです」
「この辺りは私達もいますから平和になって欲しいです」
「それがなんですよ」
「それでだけれど」
ここでトロットが切り出します、見ればビリーナは今は皆の中にいてノーム達からは見えない様にしています、
「私達でよかったら」
「協力してくれますか?」
「彼等の言い合いをなくすことに」
「正直私達では手に余っていました」
「どうにも」
「そうみたいね、ノーム王は何て言ってるの?」
カリコ王のことを聞くのでした。
「それで」
「正直途方に暮れておられます」
「地下でもこうかと言われて」
「どうしたものかと」
「地下が騒がしくなると」
「そうだろうね、困ったことだね」
キャプテンもここまで聞いて頷きます。
「これは」
「しかしここでトロットさん達が来られてです」
「協力を申し出てくれましたから」
「解決しますね」
「これも地下の神々の配剤ですね」
「何かはじめて見る子達もいますが」
「この子達ね」
トロットはノーム達の視線がナターシャ達に向いていることに気付いて応えました。
「この子達は外の世界から来た子達でオズの国の名誉市民よ」
「外の世界からというとトロット王女と同じく」
「アメリカから来た人達ですか」
「左様ですか」
「いえ、アメリカから来た子もいるけれど」
ジョージを見ての言葉です。
「他の国からも来てるよ」
「アメリカ以外の国からも」
「左様ですか」
「ではこの子達から直接聞きたいですが」
「君達はそれでいいかな」
「はい、それでは」
ナターシャが五人を代表して応えてです。五人はそれぞれ名乗りました、そのお国のこともお話して。
その五人の名乗りを聞いてでした、ノーム達は口々に言いました。
「中国にブラジルにロシア」
「日本からも来ているんだね」
「皆今は日本に留学してきていて」
「それで時々オズの国に来ているんだね」
「はい、そうです」
ジョージがノーム達に笑顔で答えました。
「今みたいに」
「それで今回は地下の世界に来ています」
神宝もノームの人達に笑顔でお話します。
「縁がありまして」
「僕達も虹色の菫の種を手に入れに来ました」
カルロスは種のことをノームの人達に言います。
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