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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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744部分:第百十三話 氷の奥義その一


第百十三話 氷の奥義その一

                    氷の奥義
「行くぞ、アクエリアス」
「来るか」
「そうだ、このベリアルのレダ最大の技だ」
 こう言ってであった。その漆黒の炎が沸き起こる。
「黒い炎か」
「このベリアルのレダの炎」
 これはもう言うまでもなかった。
「既に見せているな」
「もうな」
 カミュもこう返した。
「幾度となくだ」
「そうだったな。だがこの炎でだ」
「私を倒す。それも既に聞いている」
「だがあえて言おう」
 言わずにはいられなかった。それが彼の象徴でもあるからだ。黒い炎こそがだ。まさしくそれこそレダを表すものになっていたのである。
「この技をだ」
「来い。ではな」
「受けよ!」
 そしてであった。放った技は。
「ダークネスエンドフレイム!!」
「くっ、炎がか」
「この技、どうだ!」
 技を放ったうえでの言葉だった。
「これがこのベリアルのレダ最大の奥義だ!」
「炎が全てを覆ったというのか」
「それだけではない」
 玄室全体がその漆黒の炎に集まった。それが全てを焼き尽くさんと燃え盛る。黒いその炎の輝きはまさに闇の輝きそのものだった。
「まだだ」
「これだけではないというのか」
「炎はただ燃え盛るだけではない」
 それだけではないというのだ。
「私の技はわかっているな」
「動くか」
「そうだ、私の意のままに動く」
「あの猟犬達と同じだな」
「如何にも。それも今また見せよう」
 無数の黒い武装した兵士達になる。古代のギリシアの戦士達だ。黒く燃え盛る武装した兵士達が炎の中でカミュに迫るのだった。
「さて、どうするアクエリアスよ」
「流石に貴様がここまで出さなかっただけはあるな」
「そうだ、この技を使ったのはだ」
「はじめてか」
「私の技はそれに相応しい相手に出すもの」
 こうカミュに言うのである。
「だからこそだ」
「そういうことだな」
「その通りだ。ではだ」
「この技を私がどう破るか見てみたいのだな」
「見せてもらおう」
 不敵な笑みと共の言葉だった。
「それもまた」
「楽しんでいるな、闘いを」
「闘いは狂闘士の嗜み」
 だからだともいうのである。
「それを楽しまずしてどうだというのだ」
「そういうことか。やはり貴様等は戦いの中に生きるのか」
「魔神とは何か」
 彼等の話にもなる。
「それは戦いの中に生きるからこそだ」
「それが魔神か」
「アーレス様に仕えそして戦いの中に生きそこに喜びを見出す」
 こう言っていく。
「それが我等魔神であり狂闘士だ」
「そうだったな。それが貴様等だったな」
「わかっていた筈だ。それではだ」
「見せてみるのだ」
 また言ったのだった。
「貴様のその技をだ。どうして私のこの技を破るつもりだ」
「炎を破るものはただ一つ」
 カミュはこの状況でも臆してはいなかった。圧倒的なまでの漆黒の炎に囲まれ戦士達の槍が投げられそれを障壁で防ぎながらだ。そのうえで言ってみせたのである。
「氷だ」
「貴様の技だな。やはりそれか」
「氷と水ならば私の右に出る者はいない」
 カミュは絶対の自信を持っていた。そうであった。
「黄金聖闘士であってもだ」
「いないか」
「そうだ、いない」
 彼はまた言ってみせた。
 
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