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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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742部分:第十二話 炎の魔神その三


第十二話 炎の魔神その三

「貴様をここで倒す」
「いいだろう、貴様の炎が勝つか私の炎が勝つか」
 レダもそれを受けてだ。そのうえで言葉を返すのだった。
「それを見極めよう」
「思えば。あの時は真の勝利ではなかったかも知れない」
「そう言えるのか」
「ライブラの武具を使った」
 このことを言う。
「ならばだ。真の勝利ではない」
「いや、あれもまた」
「勝利だというのか」
「貴様はあの時正面から私と戦ったな」
「それが聖闘士だ」
 カミュの言葉も正面からだった。やましいものはない、まさにそうした言葉であった。
「卑怯未練は一切ない」
「そうだな。ではだ」
「あの時も私の勝利だというのだな」
「その通りだ。真の勝利だ」
 敵であるカミュに対してだ。言ってみせたのである。
「アクエリアス、貴様はあの時も私に勝っている」
「敗北を認めるというのか」
「その通りだ。少なくとも私は誇りがあるつもりだ」
「誇りがか」
「そうだ、それがある」
 こうカミュに対して返す。
「それならばだ。敗北、そして強敵を認めることもできるのだ」
「そうだな。誇りはそうしたものだ」
「相手を認める。そして己の不足も認める」
「うむ、確かにな」
 カミュも頷く。
「ベリアル、貴様は八大公に相応しいな」
「そう言うか」
「何度も言う。私の相手に相応しい」
「そうか」
「あの時もそうだった」
 話がここでまた過去のものに戻った。
「貴様は私の相手に相応しい男だ」
「貴様もだな。私の相手に相応しい」
「貴様は黒い炎を出し」
「貴様は氷を使う」
 それぞれの技についても言い合う。
「その優劣を決めるのもまた」
「相応しい相手だからこそ」
「ならばだ」
 カミュの言葉だった。
「あの時の際限だな」
「そういうことになるか。それならばだ」
「来るか」
「行かせてもらう。あの時は貴様を倒せはしなかった」
「ロシアの時だな」
「ロシアでの戦いもまた見事だった」
 レダはここでもカミュを認めてみせた。あの戦いにおいての彼もだ。
「あの時貴様は私の二つの技を破ったな」
「うむ」
「あの二つの技はかつても破られた」
「先の聖戦においてか」
「そうだ、あの聖戦において貴様に破られた」
 二人のやり取りは過去と現在を行き来していた。そのうえで今を語る。過去と現在はここでは複雑に絡み合い一つになっているのだった。
「だが」
「だが、か」
「私の技は一つだけではない」
「そうだな。一つではないな」
「もう一つあるのだ」 
 それを今カミュに対して告げるのだった。
「最大の奥義がだ」
「それで私を倒すのだな」
「そうだ、貴様を倒す」
 まさにその通りだと返す。
「覚悟はいいか」
「そういえばロシアで言ったな」
 カミュもここでレダに言葉を返す。
 
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