秘密のデート
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第三章
映画館に行って映画を楽しんだ後は予定通りにだった。マクドナルドにスターバックスも行った。そのスターバックスの中で。
亜理紗は同じテーブルで向かい合って座る隆也にだ、コーヒーを飲みながらこんなことを言ったのだった。
「実はここに来るのはじめてなの」
「スターバックスに?」
「そうなの」
このことを話すのだった。
「本当にね」
「そうだったんだ」
「マクドナルドは友達と何度も行ったけれど」
「スターバックスはなんだ」
「大人って感じがしない?」
少し戸惑う感じでだ、亜理紗は隆也に尋ねた。
「スターバックスって」
「別に」
「隆也はそう思わないの」
「塾に行く前に少し入ったりしてるんだ」
「あっ、そうなの」
「それでコーヒーを飲んでね」
そうしてというのだ。
「眠気覚まして行ったりしてるから」
「だからなの」
「うん、別にね」
コーヒー、クリープと砂糖を入れたそれを飲みつつ亜理紗に話す。亜理紗は隆也よりもどちらもずっと多く入れてかなり甘くして飲んでいる。
「大人が行く場所とかは」
「思ってないの」
「そうだけれど」
「私の通ってる塾に近くにはないし」
そのスターバックスがというのだ。
「マクドナルドはあるけれど」
「それでもなんだ」
「そうなの、だからね」
「別にね。スターバックス位は」
隆也は自分のコーヒーを飲みつつまた話した。
「普通だと思うよ」
「小学生が入っていいの」
「そう思うよ。あとね」
「あと?」
「コーヒーを飲んだ後は」
「ええ、後はね」
亜理紗はそれからもしっかりと考えていた、それで隆也にこう答えることが出来た。
「百貨店に行ってね」
「買いもの?」
「いや、お金がないから」
だからと答えるのだった。
「見て回るだけでね」
「楽しむんだね」
「そうしない?」
「俺もう少しお金あるけれど」
「いや、それでもね」
自分が持っていないからというのだ。
「見て回るだけでね」
「百貨店は」
「そうしましょう」
こう話してだ、そしてだった。
亜理紗は隆也と二人で今度は百貨店に行った、そのうえで中を巡って見て楽しんでいたがそのうえでだった。
本屋まで来たがだ、ここでだった。
隆也は亜理紗にだ、こんなことを言ってきた。
「コミックス一巻分位なら持ってるよ」
「お金?」
「何か買う?」
「買ってくれるの?」
「そうするけれど」
「別にいいわよ」
すぐにだ、亜理紗は隆也のその申し出を断った。
「そんなこといなくても」
「いや、折角のデートだからね」
それでというのだった。
「遠慮しないで」
「いや、それは」
「嫌なんだ」
「人にお金を使わせるのはね」
そうしたことはなのだ、亜理紗としては。
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