| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

提督はBarにいる。

作者:ごません
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

心ばかりの豆腐尽くし・4


 さて、ナゲットに続く豆腐の揚げ物。それもボリュームのある物を、と来れば『豆腐カツ』を作ろうと思う。読んで字のごとく豆腐のカツだが、ボリュームを出す為には主に2通りのやり方がある。『肉巻きタイプ』か『豆腐サンドタイプ』だ。肉巻きタイプは豆腐を食べやすい大きさに切って豚バラ等の薄切り肉で巻いて揚げる、手軽なやり方。豆腐サンドタイプは豆腐を割って間に任意の具材を挟み、衣を付けて揚げるバリエーションを豊富にしやすいやり方だ。今回は『豆腐サンドタイプ』で作ってみようと思う。個人的に美味しかった挟む具材を4つチョイスして、それらを盛り合わせにするとしよう。

《挟んで楽しい♪豆腐カツ》※分量1人分

・木綿豆腐(島豆腐が用意出来るならそっちの方がGOOD):1パック(400g)

・小麦粉:適量

・卵:適量

・パン粉:適量

《挟む具材》

・とろけるチーズ:1枚

・大葉:4枚

・梅干し:1個

・ひきわり納豆:1パック

・鶏ミンチ:100g

・ニンジン:30g

・シイタケ:30g

・玉ねぎ:80g

・牛豚合挽き肉:100g

・玉ねぎ:1/2個

・マヨネーズ:大さじ1/2

・片栗粉:大さじ1/2

・醤油:大さじ1/2

・酒:大さじ1/2

 まずは豆腐の下拵えから。木綿豆腐は絹ごし豆腐と比べて水分量は少ないが、カツにするには多すぎる。だからしっかりと水切りをする。ザルなどに載せて重石をしてもいいが、レンジを使って手早く水切りする方法があるので紹介しよう。

①豆腐をキッチンペーパー2枚で隙間なく包み、500wの電子レンジで3分加熱。

②レンジから取り出して軽い重石(小さな皿などでOK)を載せ、1時間程冷ます。

※粗熱が取れた辺りでキッチンペーパーを取り替えると更に早く水気が抜けるぞ

 これで水切り豆腐が完成。島豆腐を使うなら水切りは必要ない。島豆腐は沖縄独自の木綿豆腐でな、一般的な木綿豆腐よりも水分の含有量が少なく、豆の味が濃くて歯応えもしっかりとした豆腐だ。ゴーヤチャンプルー等が水っぽくなって困る、という人は島豆腐か水切り豆腐を使ってみる事をオススメする。



……おっと、話が逸れたな。水切り豆腐を4等分にし、更に半分に割っておく。ここからは4つの具材の準備だ。種類としては、

・紫蘇チーズ

・梅紫蘇

・納豆鶏ミンチ

・挽き肉

 の4つの予定だ。

 まずは紫蘇チーズと梅紫蘇。……説明いるか?コレ。半分に割った豆腐に大葉、チーズ、大葉の順序で挟んだのと大葉、梅肉、大葉の順で挟んだの。これだけだ。

 お次は納豆鶏ミンチ。鶏ミンチにひきわり納豆、みじん切りにしたニンジン、シイタケ、玉ねぎを加えてよく練る。納豆は細かい方が粘りも出るし混ざりやすいから、ミンチに混ぜる前に更に叩いて細かくしても良いかもな。後は適量を豆腐に挟むだけ。もしもタネが残ったら、団子状にして揚げておくと、鍋物に入れたり餡掛けにして弁当に入れたりと結構重宝する。

 お次は挽き肉ダネ。牛豚合挽き肉にみじん切りにした玉ねぎとマヨネーズ、片栗粉、醤油、酒を加えてよく混ぜる。なんだかハンバーグっぽいがマヨネーズと片栗粉、それに玉ねぎが生なのがコイツのポイントさ。生の玉ねぎだと加熱した時に肉汁の量がUPしてジューシーになるし、マヨネーズも肉汁UPと程よい酸味と塩気のW効果。そしてつなぎの片栗粉が余分な肉汁の流出を留め、衣はサクッと中はジューシーな仕上がりにしてくれる。これはハンバーグやメンチカツにも応用が利くぞ。入れすぎると大惨事だから注意してな。これも練り上がったら豆腐に挟んで完成。余ったらメンチカツにでもすればいいんじゃねぇかな?

「そういや聞かないで作ってたが、アイオワは納豆大丈夫か?」

「えぇ、大好きよ。美味しいじゃないナットウ!」

 あらま、意外だこと。海外組は大概納豆初チャレンジの時には大惨事だったんだが。……まぁ殆どの奴が後に酒の力で克服した、ってのが何ともウチの鎮守府らしいが。

 具材を挟んだ豆腐が準備できたら、小麦粉と溶き卵、少量の水と塩コショウを合わせてバッター液を作る。律儀に小麦粉→卵→パン粉と付けても良いんだが、こっちの方が楽だしな。バッター液に潜らせて、パン粉をしっかりと付ける。後は180℃に熱した油に入れて揚げるだけだ。普通のカツと違って揚げている物の関係上、揚げ始めに触りすぎるとバラける可能性が高い。最初は触らず、衣が固まってきてから引っくり返したりするように。具材も火の通りやすい物ばかりだから、衣がきつね色になったら油から上げて、盛り付けたら完成だ。

「さぁ、『提督特製豆腐カツ』だ。色んな物が挟んであるから、一口味見をしてからソースやらなんやらかける事をオススメするぜ」

「豆腐のカツレツなんて初めて!どれにしようか……なっ!」

 アイオワはフォークで狙いをすまし、1つのカツに勢いよく突き刺した。あ~ん……と口を開けてガブリ。唇から離すと、中身のチーズがムニューっと伸びる。

「お、紫蘇チーズか。ならオススメはタルタルソースだな」

 カツにタルタルソース!?と最初は戸惑うがこれは豆腐のカツだ。淡泊な豆腐はタルタルソースにも合う。

「チーズとタルタルソースがdeliciousデース!」

 口の端にタルタルソースを付けながら、金剛も口一杯に頬張っている。はしたないぞ、我が嫁よ。そんな事をしている間にアイオワは次のカツに挑んでいる。

「ん~酸っぱい!でもウメボシって美味しいわ」

「今度は梅紫蘇か。そのままで食べるのが一番美味いなそれは」

 梅肉の塩気と酸味はそれだけでソースの代わりになる。寧ろ何も付けない方が美味い。納豆鶏ミンチには醤油が合うし、挽き肉ダネにはソースがマッチする。中の具材もかけるソースも組み合わせはまだまだ沢山ある。




 時間もそろそろいい頃合いだ。歓迎会はそろそろお開きだろう。

「どうたった?アイオワ」

「とっても美味しかったわ!毎日でも来たい位よ」

 そうかそうか、満足してくれたようで何よりだ。まぁウチの店は俺が居なかったり体調不良で無ければやってるから、いつでも気軽に来ればいいさ。

「明日から訓練や演習が始まるから、あんまり飲みすぎないようにな」

 なんて言った翌日から、武蔵や霧島、ビス子などの戦艦飲兵衛組に捕まり、早々に飲兵衛の仲間入りしたのは、また別の話。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧