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垢舐め

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第四章

「それも不潔な感じがするから」
「何でも不潔なんだ」
「全く、昔から学者馬鹿な感じで一人暮らしでどうなってるかと思っていたら」
「予想通りだった?」
「悪い意味でね」
 まさにというのだ。
「こんな生活だと三十までに大変なことになってたわ」
「そこまでだったんだ」
「本当にね、じゃあお掃除開始よ」
 妹は早速動いた、そして兄を動かしてだった。
 掃除道具はすぐに兄に近所のコンビニに買いに行かせ部屋中を掃除にかかった。その手際は極めてよく。
 掃除をはじめた八時前からだ、七時間近く経た昼の三時にはだ。部屋も台所もトイレも風呂場もだった。
 是部奇麗になっていた、そしてそれから休まずにだ。
 妹はスーパーに買いものに行って野菜と豚肉、それに烏賊の足を入れた焼きそばを作って休んでいた耕太にそれを出して言った。
「はい、どうぞ」
「あっ、どうも」
「とにかくこれからはね」
「彩加も一緒に住んでなんだ」
「生活をあらためるから」
「そうするんだね」
「食べたらお風呂よ」
 妹は自分の皿も出しつつ言った。
「いいわね」
「あっ、もう入ったから。歯も磨いたよ」
「私がスーパーに行ってる間に」
「そうしたよ」
「それは何よりね。しかしお風呂場も」
「汚かった?」
「一年お掃除してなかったでしょ」
 焼きそばにいただきますをしてから鬼の顔で言ってきた。
「おトイレもお部屋全体も」
「そうだけれど」
「余計に駄目よ、とにかくね」
「食べた後はだね」
「散髪行ってきてね」
「それで短くするんだ」
「自衛官の人みたいに爽やかによ」
 髪型の注文もつけてきた。
「いいわね」
「ううん、じゃあ」
「そう、ちゃんとね」
 髪型のそれも言ってだ、そうしてだった。
 耕太は実際に食事の後で散髪に行った、夕食は昼は遅かったがそれでも八時にはだった。彩加がカレーを作った。御飯も炊いてそれを二人で食べた。
 兄妹の生活は慌ただしく怒りからはじまった、何はともあれ耕太の生活は一変し清潔かつ健康的になった。彩加は入学してからは陸上部に入ったが。
 生活はしっかりとしていた、家事特に料理はしっかりとしていて。
 耕太にだ、こう言った。ある日共に朝御飯を食べつつ言ってきた。
「今の方がずっといいでしょ」
「生活は」
「ええ、そうでしょ」
 こう言ってきたのだった。
「前よりも」
「そういえば身体の調子が」
「いいでしょ」
「かなりね、研究所にいても」
 勤務先、そこにいてもというのだ。
「快適だね」
「そうでしょ、奇麗で健康的にしてたら」
 そうすればというのだ。
「生活が全然違うのよ」
「そうなんだね、そういえば」
「そういえば?」
「いや、実は前にお風呂に入ったら」
「何時?」
「彩加がうちに来る前だけれど」
 その時の話だというのだ。
「たまにと思ってお風呂に入ったら」
「本当にたまだったのね」
「二週間、その時は一ヶ月だったかな」
「よく勤務先で言われないわね」
「一人でいることが多いから」
 研究所の中ではというのだ。 
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