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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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720部分:第百七話 全てを斬るものその二


第百七話 全てを斬るものその二

「だが。貴様の腕はどうだ」
「俺か」
「果たしてこのジークの技を退けられるか」
「退けてみせよう。是非な」
 技がせめぎ合い続ける。それは暫くの間互角だった。しかしだ。
 やがてシュラのカリバーンが押されだした。僅かであったが明らかに圧迫されていた。それはシュラもジークもはっきりと見ていた。
「どうする?」
「どうするか、か」
「このジークのムーンブレイドが押してきている」
 それを見ながらの言葉である。
「このままでは俺の勝利だ」
「このままいけばな」
「まだそうはならないというのか」
「その通りだ。見るがいい」
 カリバーンの力が強まった。そうしてだ。
 ムーンブレイドを押してきた。そして互角に戻してきたのである。
「戻したか」
「このままいけるかどうかだな」
「生憎だがムーンブレイドも只の技ではない」
 そうなっても自信を維持しているジークだった。
「押されようがそう容易に返されるものではない」
「そうだな。どうやら」
 ここでまた言うシュラだった。
「このシュラとベール、貴様の小宇宙の闘いだな」
「その通りだな。どちらの小宇宙が上か」
 ジークもそれに応えて言う。
「その勝負だ」
「小宇宙で負けることはない」
 シュラもまた自信を見せる。
「このシュラの小宇宙はだ」
「ならば見せよう、このジークの小宇宙もだ」
 こうして二人はその技に小宇宙をさらに込めていく。そのうえで闘い続ける。
 しかしだ。両者がその小宇宙を込めることを最大限にした時だ。勝敗が見えた。
「くっ・・・・・・」
「見えたな」
 ジークがシュラの声の苦悶を見た。
「このジークの勝利だ」
「いや、まだだ」
 だがシュラはこうジークに返す。
「この程度ではない」
「小宇宙はまだだというのか」
「このシュラの命の小宇宙を込める」
 本気だった。まさにそうするつもりだった。
 そしてだ。シュラが実際にその小宇宙をさらに込めた。そしてジークも。
「ならばだ。俺もだ」
「込めるか」
「敗れるつもりはない」
 だからだというのだ。
「俺もまた命を賭ける」
「命をか。いいのだな」
「命を賭けることは当然のことだ」
 それはだというのだ。
「狂闘士にとってはな」
「そのうえで闘い続けるのだったな」
「そうだ、狂闘士は永遠に闘い幾度も死ぬもの」
 既に言っていることをまた言うのだった。
「アーレス様の為にだ」
「そうだな。ではその命、見せてもらう」
「行くぞ」
 技の小宇宙がさらに込められてであった。
「この命、ここで賭けよう」
「俺もだ」
 シュラもであった。互いの身体がそれぞれの小宇宙に包まれていく。
 
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