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Three Roses

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第二十六話 叔父として王としてその三

「難しい、しかしそれでもだ」
「あの方は王族であられ」
「そして姫君であられますね」
「マリー様と同じ」
「そうですね」
「そうだ」 
 王は顔を側近達の方に戻して話した。
「だからだ。決して分け隔てをするな」
「お二方のお話を聞く」
「常に」
「そしてお二方のお話からですね」
「決めるのですね」
「二人を摂政にしたい」
 この国のというのだ。
「私の後にはな」
「王をお助けする、ですね」
「お二方を共にですか」
「摂政とされますか」
「どちらの方も」
「太子が成人するまではだ」
 そして彼自身が政治を見られる様になるまではというのだ。
「二人に任せたい」
「わかりました、それでは」
「我々もその様に致します」
「新教と旧教を代表するあの方々にです」
「摂政としてお仕えします」
「頼む。二人が分かれる様になればだ」
 その時はというと。
「国は終わる」
「新教と旧教が争う様になり」
「その結果ですね」
「国が乱れ」
「そのうえで」
「我々はまだ敵に囲まれている」
 王はこの現実も話した。
「北の王国、島国、半島とは一つになろうとしているが」
「それでもですね」
「三国の中にまだ統一にあがらう者達がいますし」
「旧教徒達を中心としてな」
「その旧教徒達は」
 彼等はというと。
「王国、そして教皇庁の息がかかっています」
「そうだな」
「今次々と失脚していっていますが」
 他には急死者もいる、あくまで『急死』となっている。
「幸いに」
「それは何故だと思うか」
 周辺の三国、北の王国と島国、半島の旧教徒達が何故そうなっていっているのかをだ。王は彼の側近達に尋ねた。
「それは」
「はい、やはりです」
「帝国が手を回しているのでしょう」
「特に太子が」
「あの方が」
「そうだな、だからこそだ」
 王もこのことを察して語る。
「三国の諸侯達の中でな」
「旧教徒のそうした者達は」
「王国や教皇庁の息がかかっている者達は」
「次々と消えていっている」
「そうなっていっていますね」
「そうだ、しかしまだいる」
 その彼等はというのだ。
「まだ少しだ」
「彼等の力が減る必要もある」
「では我々としてもですね」
「彼等の力を削いでいきますか」
「帝国が行うだけでなく」
「そうしていってくれ」
 王は側近達に頼んだ。 
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