提督はBarにいる。
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今からでも遅くない!大人のBar使いこなし講座・その2
さて、約束の金曜の夜になった。意外と知りたい奴が多かったのか、希望者を募ったら結構な数が集まった。一回でやるには数が多すぎたので、今回は暁、雷、電、村雨、夕雲、巻雲の6人に限定させてもらった。
「しっかしまぁ、結構いるモンだなぁ。Barでお洒落に飲みたいって奴が」
「だってやっぱりお洒落じゃない?ムーディなBarで好きな人とお酒を酌み交わすなんて♪」
そう言い出したのは村雨だ。白露型の中でも大人びてるお前が酒絡みの会話してると、キャバ嬢とかホステスに見えて仕方無いんだが。
「まぁいい、とりあえず適当に席に着きな。特別講師はも少し仕度がかかる。その間に俺からの講義といこう」
「あら、特別講師がいらっしゃるんですか?どなたかは知りませんけど、提督だけで事足りるんじゃありません?」
そう口を挟んできたのは夕雲だ。服装は夕雲型の制服だが、化粧がいつもより入念だ。俺を狙ってるとの噂(情報源:青葉)だが、まさかな。
「俺はBarの知識なんかは教えられるが、流石に所作やらなんやかんやはな。同じ女の方が解るだろうしな、そっち方面に明るい奴に頼んである」
まだ誰かは明かさない。どうせならビックリさせたいしな。さて、まずはBarに行った事の無い人達に送るstep1、テーマは『用途に合わせた店選びをしよう!』だ。
「一口にBarと言っても、今は多種多様、色んな種類がある。皆でワイワイ騒ぎやすい店の形もあれば、静かに大人な時間を過ごせる雰囲気のある店もある。今回は俺なりの分析を加えた形で、大きく10の形態に分けてみた。早霜、例の資料を」
「はい、店長」
手が足りなくなりそうだったので、今回は早霜にアシスタントを頼んである。……あぁ、今回はガールズバーは含まれていない。あれはどちらかと言えばキャバクラに近いもの、と俺は捉えているからな。
《提督流分析による、Barの10の店舗形態とその特徴》
・本物を味わうBAR
・音楽を楽しむBAR
・競技を楽しむBAR
・会話を楽しむBAR
・お酒と共に食事を楽しむBAR
・エンターテイメントを楽しむBAR
・専門性の高いBAR
・出会いを目的としたBAR
・趣味をお酒と共に楽しむBAR
・夜景や景色を楽しむBAR
等々、色んな種類のBarが今も増え続けている。
「う~ん……」
「これだけ見ても、イマイチピンと来ないですよぅ司令官様ぁ~」
そう言い出したのは生徒(でいいのか?)の中でもお子ちゃまの部類に入る暁と巻雲。
「まぁ、そうなるよな。んじゃ、1つ1つ解説していくぞ」
※こっからは長いし、俺の個人的主観も入るから注意して読んでくれ。
・本物を味わうBARについて
いわゆる『Bar』と言われて大体の人がイメージするのがこいつだろう。酒の種類も豊富、店の雰囲気も渋い傾向が強い。しかしその雰囲気に圧倒されて、初心者が尻込みしやすいのもこういう店だ。しかし、こういう店にこそ『本物』のプロフェッショナルなバーテンダーは多い。Barという物に他のジャンルの店で慣れてきたら、1度は訪れてみて貰いたい。その辺の居酒屋なんかで飲めるなんちゃってカクテル(失礼)とは別物の、『本当の』カクテルが味わえる。
代表的な店の種類:オーセンティックバー、ショットバー、ミクソロジーバー、ホテルバー等
・音楽を楽しむBARについて
ま、読んで字の如くだな。ミュージックバーとも言ったりするが、店の中にステージや楽器が設置されていたり、マスターの趣味の音楽が常に掛かっていたりと種類は様々。本格的な所だとお抱えのバンドが居たりして生演奏が聞けたりもするぞ。
代表的な店の種類:jazzバー、ピアノバー、ロックバー、レゲエバー等々、音楽の種類で幾らでも増える
・競技を楽しむBARについて
Barってのは本来、酒と会話を楽しむ場だ。……だが、時代と共に仲間でワイワイ楽しむゲームを置く店も増えてきた。ある程度の騒ぎは目を瞑って貰えるが、やり過ぎ注意。ほっぽり出されたりするからな。
代表的な店の種類:ダーツバー、ビリヤードバー、ゴルフバー等
・会話を楽しむBARについて
オーセンティックなBarのイメージのせいか、Barは静かに酒を楽しむ場だと思われがちだが、その実そうでもない。他の客の迷惑にならない程度の会話は普通に出来るし、初めて会う人と会話になったりもする。そういう会話しやすい雰囲気になりやすい店を別にしてみた。結構フレンドリーな客が多いし、店の雰囲気も明るめな所が多いから初心者でも取っ付きやすいかな?ただ、外国人観光客も多かったりするから、突然話しかけられてもビビらない度胸は要るかもな?まぁ、他の客に迷惑にならない程度に盛り上がりたいならオススメかな。
※作者は川崎市に住んでる時にこういう形態の店に行き、横須賀の米兵さんに突然話しかけられて友達になりましたw
代表的な店の種類:アイリッシュパブ、アメリカンバー、スタンディングバー等
・料理と共にお酒を楽しむBARについて
最近の流行りはコレだな。居酒屋よりも小洒落た料理や酒も多く、カクテルの種類も多い。ウチの店はコレが一番近い形態だろうな。個室を設けている店も多く、飲み会も予約次第ではOKな店もある。使い勝手はかなりいい。ただ、当たりハズレも大きいので注意。
代表的な店の種類:ダイニングバー、レストランバー、スパニッシュバル等々
・エンターテイメントを楽しむBARについて
フレアバーテンダーって解るかな?酒瓶やシェイカーをジャグリングして見せたり、音楽に合わせて踊るようにカクテルを作ったりと、『魅せる』バーテンダーの事で世界大会も開かれてる程だ。※いわゆる普通のバーテンダーの味を競う世界大会もあります。
そんなフレアバーテンダーがいたり、マジシャンや芸人、珍しい所だと落語を聞きながら飲める、なんて変わった店もある。酒が飲めなくても楽しめる形態だろうな。
代表的な店の種類:フレアバー、マジックバー等
・専門性の高いBARについて
稀少性の高い銘柄や、珍品、名品等に強い拘りを持つ店も多い。最近だと1種類の酒のジャンルに特化したBarが結構増えてきている。そういう所に来る客はかなりのマニアだからな、同好の士として打ち解けるとかなり仲良くなるぞ。
代表的な店の種類:ワインバー、日本酒バー、焼酎バー、テキーラバー、モルトバー等々
・出会いを目的としたBAR
……説明いるか?これ。最近徐々に人気を博してきた形態でな、店が主催で婚活パーティーやら合コンやらを開いている恋人や友人を見つけたい人向けの店だ。入店の際にはプロフィールカードに記入を求められたりもするぞ(店によっては)。ボックス席が多く、通常営業の時でも相席当たり前。それが出会いに繋がったりもするしな。そういう意味では敷居の高い店だ。ぼっちやコミュ障には地獄だぞ、あそこは。
代表的な店の種類:婚活バー等
・趣味をお酒と共に楽しむBARについて
先に断っておく、かなり特殊だ。鉄道バーと呼ばれる店にはNゲージの巨大ジオラマがあったり、ラジコンバーの店の中央には巨大なラジコンコースがあったりと、大人がハマる趣味に没頭できる店だ。大阪にあるっつーウルトラ怪獣に会える『怪獣酒場』もある意味このカテゴリの中に入るのかな?まぁ、そういう店だ。
代表的な店の種類:鉄道バー、ラジコンバー等
・夜景を楽しむBARについて
こいつも言わずもがな、だな。ホテルの最上階とか、飛行船の中とか、眺めのいい所に店を構えているBarだ。ムーディな所も多いし、女を口説くのならこういう店がいいだろう。ただ、個人的主観だが料金がお高めに感じる。
代表的な店の種類:ホテルのバーラウンジ等
「……とまぁ、ズラズラと説明したが、こんな所が最近は多いかな」
「ふ~ん、Barって言っても色々あるのねぇ」
「勉強になるのです!」
「まぁ、今日はカウンターバーでのマナーを教える。ここを押さえておけば大概の店で粗相はないからな」
なんて会話をしていたら、扉をノックする音が。どうやら特別講師のおでましらしい。
「お待たせしました」
さぁて、駆逐艦達のリアクションが楽しみだぜ。
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