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提督はBarにいる。

作者:ごません
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変わりダネ!おにぎり特集③

 さて、おにぎりの具の準備もご飯の準備も万端。いよいよ握っていくぞ。

「それで?まずは何のおにぎりから作るの?」

「まずはな……。鈴谷に砕いてもらったイカフライを使った混ぜご飯おにぎり3種類を作っていくぞ。」

「あ、マジで使うんだ。イカフライ。」

 今の今まで疑ってたのか、心外だな。俺はからかう事はあっても料理や酒の事で嘘は吐いた事は無いぞ?(酔っ払いの酔い醒ましにノンアルコールカクテルは飲ませたりするが。)てなワケで、ここからはレシピも一緒に載せていく。……と言っても、混ぜて握るだけなので材料と分量だけ書いていくぞ。

《イカフライ×枝豆おにぎり》

・ご飯:1合分

・イカフライ:2枚

・枝豆(塩ゆで):お好み量※握っても纏まらなくなるので入れすぎ注意!

・醤油:少々

・七味:少々

《イカフライ×昆布の佃煮おにぎり》

・ご飯:1合

・イカフライ:2枚

・昆布の佃煮:お好み量

《イカフライ×チーズおにぎり》

・ご飯:1合

・イカフライ:2枚

・ベビーチーズ:1個

・醤油:少々

・七味:少々



 これらの組み合わせで混ぜ合わせて握っていく。ポイントとしては、ご飯を入れる前にイカフライを醤油と絡ませておくこと。こうする事でイカフライに醤油が染み込んで味がぼやける心配がない。後は混ぜ終わったら握る前に一度味見をしておく。塩気が強ければご飯を足したりしないといけないからな。

「あ、美味しい!」

「ホントだ!イカフライってどうなの?って思ったけど、しなしなとパリパリの中間位の歯応えが面白いね。」

 鈴谷め、料理をするからか一丁前の事を言いやがる。醤油を程よく吸ったイカフライが、固すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い歯応えだ。最初は醤油の味が来るが2回、3回と咀嚼するにつれてイカの旨味が出てくる。一緒に混ぜた具材の食感や味もにくい。枝豆はコリコリとした食感を、昆布は濃厚な旨味を、チーズは魚介との素晴らしいマッチングを楽しませてくれる。



「よし、どれも良い味だ。握って成形するぞ。」

「はーい。でも提督、イカフライって色んな味があるけど、どの味がおにぎり向き?」

 おにぎりを握りつつのしおいの問いに、俺は頭を捻る。イカフライはノーマルな醤油味以外に辛子マヨネーズや唐辛子味、黒胡椒味、ワサビ味なんてのも見た事がある。どの味がおにぎりに合うか。

「う~ん……個人の好みってのもあるが、俺はノーマルと辛子マヨネーズ味かな。次点で黒胡椒味。」

 ご飯と醤油味は言わずもがな、マヨネーズとご飯が合うのも最早常識だ。

「ってか、提督のおにぎりデカっ!」

「まさかの1合分を1個にしちゃうなんて……。」

「そうかぁ?ウチの飲兵衛共は平気で食うぞ?」

 ウチの店では〆におにぎりや焼おにぎりを頼む奴が少なくない。俺が握るとこのくらいのサイズなのだが、下手すると2個位ペロリと平らげて帰っていく。オススメは焼おにぎりに鰹だしときざみのり、葱、白ごま散らして出汁茶漬け風だ。

「それに比べてしおいのはちっちゃいなぁ。」

「ホントだ~、一口サイズで可愛いねぇ。」

「だってホラ、潜水艦の皆は少食でしょ?一口サイズでないと色んなおにぎりが食べられないんだよ。」

 成る程な、食べる相手を思いやるってのは美味い料理の第一条件だ。そういう点ではしおいは料理の才能がある。

「でもイカフライがおにぎりの具になるって意外だよねー。他にも合う物ってあるの?」

「イカフライのおにぎりにか?そうだな……ゆかりとか紅生姜…あぁ、塩昆布なんかも合うなぁ。」

 他にも色々な組み合わせを試してみると面白いぜ。さてさて、お次はベビーチーズを使った混ぜご飯おにぎりを何種類か。

《チーズ×おかかおにぎり》

・ご飯:200g

・醤油:小さじ1

・おかか:3g

・チーズ:20g


《チーズ×枝豆のペッパーおにぎり》

・350~400g

・枝豆:適量

・ベビーチーズ:45g(3つ)

・マジックソルト(またはハーブソルト):少々

・ブラックペッパー:適量

《チーズ×かっぱえびせんのおにぎり》

・ご飯:1合

・かっぱえびせん:お好み

・鰹節:お好み

・めんつゆ:お好み

・ベビーチーズ:1個

・七味:お好み



 今回も混ぜて握るだけ。チーズのおかげでこっちは酒にも合う味に仕上がっている。特にペッパーチーズのおにぎりはビールやチューハイなんかにも合うのでBBQの時などにオススメだ。是非試してみてほしい。

「ねぇねぇ、チーズならもっと色んな物があうよね?」

「そりゃあなぁ。俺が紹介してんのは簡単に作れるメニューのみだからな。」

「じゃあじゃあ、他にはどんなのが合うかな?」

「そうだなぁ……、ちょっと待ってな。」

 そう言うと俺は生の生姜の皮を剥き、みじん切りにしていく。分量は……そうだな、大さじ2位で良い。それを耐熱容器に移すと、そこにめんつゆを大さじ1回しかけて混ぜ、ラップをせずに電子レンジへ。500wで2分くらいチン。その間にベビーチーズを細かい賽の目に刻む。これは1個分あればいいだろう。加熱が終わった生姜をめんつゆごと茶碗1杯分のご飯と混ぜ、後からチーズを加えて更に混ぜる。こうしないとチーズが溶けすぎるからな。

「味見してみな。」

 混ぜ終わったご飯を二人に握る前に味見させる。

「お!これはまた新しいカンジ!」

「生姜のシャキシャキ感とピリ辛な所に、チーズがマイルドに絡んで食べやすいね!」

 名付けて『シャキシャキ生姜のチーズおにぎり』だ。……そのまんまのネーミングだが、解りやすくて良いだろ?

「こんな感じで応用は効くからな。後は自分でアレンジしてみろ。」




 さてさて、お次は揚げ玉を使った混ぜご飯おにぎりを幾つか紹介しよう。まずはベーシックな揚げ玉と刻みネギのおにぎりから。

《揚げ玉おにぎり!》

・ご飯:200g

・揚げ玉:大さじ1

・めんつゆ:適量

・刻みネギ:適量

 作り方は簡単、具材を混ぜてからご飯と混ぜるだけなんだが、ポイントは出来るだけ手早くやる事。揚げ玉のカリカリ感が残った方が食感が楽しいので、ご飯と混ぜる時もサッと混ぜる。

「ちょっと天むすっぽいけど、あそこまでくどくないね。」

「うんうん、朝ごはんにお味噌汁とかと一緒に~とか、そうめんとかと合いそう。」

 そうめんか、いいなソレ。少しめんつゆ風味だからそうめんのお供にはもってこいだろうな。さぁて、お次はビックリ別の料理の味付けっぽいおにぎりを。

「お二人さん、こいつを食べてみな?」

 あらかじめ作っておいたおにぎりを、二人に差し出した。

「なんか……茶色いね?」

「ドライカレーのおにぎり?……じゃないよねぇ。」

 鈴谷としおいは興味津々、といった感じで全体を眺め回したりフンフンと匂いを嗅いでいる。

「さぁさぁ、警戒してねぇで一口かじれば解るだろ?」

「じゃあ……、」

「頂きます。」

 恐る恐る、三角形に握られたおにぎりの頂点にかじりついた二人。

「あ、これお好み焼きの味だ!」

「何これ!?不っ思議~!」

 そう、食べてビックリお好み焼き味のおにぎりだ。ご飯と一緒に食べる関西(特に大阪近辺)の人には食べ飽きた味かも知れないが、目先を変えるには良いだろう?

《お好み風おにぎり!》

・ご飯:1合

・干しエビ:大さじ2

・揚げ玉:大さじ2

・青海苔:大さじ1

・中濃ソース:大さじ1

・マヨネーズ:大さじ1

・ほんだし:少々

 これもさっきの揚げ玉おにぎりと一緒。具材と調味料を先に混ぜ合わせ、そこにご飯を入れて更に混ぜる。ポイントは中濃ソースを使うところかな?とんかつソースやウスターソースでも試したが、とんかつソースじゃ濃すぎるし、ウスターソースだとご飯が纏まらなくなる。濃度的に中濃ソースがベストだ。香ばしさをプラスしたいなら干しエビを空煎りしてから加えるといいぞ。

「いや~さすが提督、どのおにぎりも美味しいねぇ。」

「フッフッフ、ナメてもらっちゃ困るなぁ鈴谷。お次は最近流行りの『おにぎらず』を教えるぞ。」 
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