男子高校生、職業【美少女】
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親友はお節介なので
前書き
3話目
男子高校生、[職業(美少女)] 3
俺の名前は早川正太郎(はやかわしょうたろう)高校一年生の年齢=彼女がいない年月という何処にでもいる男子高校生だ。突然だが俺には親友が二人いる。おおっと外野からブーイングが、HAHAHA リア充ですまないなぁ。
おっと、話がそれたな。それで、俺の親友なんだが、
一人は志崎孝助(しざきこうすけ)、同じ高校に通う同級生(彼女持ち)。容姿端麗頭脳明晰、身長180cmの長身で、当然の如く性格もいい。・・・言ってて腹が立ってきたな、まぁ奴のことはいいんだ。問題はもう一人の親友、雪織乃愛のことについてだ。
・・・雪織乃愛(ゆきおりのあ)、・・・現在は家庭の事情で苗字が変わって、鳥居乃愛(とりいのあ)となっているが、こいつも同じ高校に通う同級生・・・のはずなのだが、何があったのか現在、家に引き込もっている。こいつは昔から体が弱くて休みがちだったのだが、学校が始まって1ヶ月、一度も学校に来ないのはおかしいと、俺ら二人は乃愛の家に向かった。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「「ごめんくださーい」」
乃愛は現在、あいつのおじいさんの家に住んでいるらしい。家庭の事情とはいえ、両親が二人とも乃愛を引き取らないって、どういう事情なんだろうな。
玄関の扉を叩いて見みる、ちなみにインターホンはなかった。
しばらくすると足音と一緒に扉が開いた。
「はいはいどちら様ですかね」
扉から出てきたのは50~60代の老人だった。背は高く孝助より少し低い。178cmぐらいだろうか白髪で鋭い目付きでこちらを見ている。おっかねぇなこのじいさん、目付きが鷹みてぇだ。
「こんにちわ、こちらは鳥居さんのお宅でしょうか」
孝助がハキハキと訪ねる。こいつよくこのおっかないじいさんに普通に話せんな、やっぱリア充恐るべしだぜ・・・俺もリア充だったな。
「そうじゃが、なんのようだ」
「こちらに鳥居乃愛君はいらっしゃいますか?」
「いるぞ、それがどうした」
「会わせていただけないでしょうか」
「無理じゃの」
「・・・理由を聞かせていただいても?」
「本人が拒否しているからだ」
「そうですか・・・」
「んじゃあ話だけってのはだめすかね」
「だめじゃの」
「そうですか」
とりつく島もなかった。やはり乃愛は俺達に会いたくなかったのだろうか。なんか・・・やるせないな、俺達はこんなに心配してんのに、あいつはなにも話してくれない。こう、なんだ、友達なんだからさ、相談とかしてほしいぜ。
「ありがとうございました。失礼します。・・・・・・おい、正太郎、帰るぞ」
ずっとその場にたつ俺に孝助が服をひいて変えることを伝えてくる。
「すまん孝助、少し迷惑かけるわ」
そう言って俺は大きく息を吸い込む。
「!?おい!まてっ!」
孝助に制止の言葉を言われるが構わず、吸った息を声に変えて、あらんかぎりの声で叫ぶ。
「乃愛ぁーーーーー!!聞いてるかぁーーー!!聞いてるなら返事をしろーーーーー!!」
大声量で叫んだ声は町に響いて反響する。驚いた孝助とじいさんが止めにかかるがそんなもんじゃおれはとまらまい。
「お前がぁーーーーー!!悩みをもってんならぁーーーーー!!俺がぁーーーーー!!聞いてやる!!だからぁーーーーー!!俺をぉーーーーーー!!会わせろぉーーーーーー!!」
そこまで叫んだところで視界が暗転した。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
起きると辺りは真っ暗で街灯が灯っていた。
体を起こすと隣に孝助がいて、俺に苦笑いを向けていた。
「俺は・・・どうしたんだ?」
「あのじいさんに顎蹴られてぶっ飛んだ」
「・・・マジか」
「大マジだ。なにやってんだよ、お前は」
「さぁな」
孝助の問いかけに、痛みの残る顎を撫でながら呟いた。桜が散り始めた4月の夜空に浮かぶ月が俺を嘲笑っているかのようだった。
後書き
あと少し。
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