転生とらぶる
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ガンダムW
1549話
俺が鍛えている部隊とOZの部隊の模擬戦が行われるという事になってから、数日……いよいよ模擬戦が行われる日が来た。
以前俺が乱入したような大掛かりなものではないのだが、それでもここの演習場には多くの軍人やOZの人員が集まってきている。
それもこれも、やはりノベンタ、セプテム、ベンティという連合軍の最高幹部とも呼べる3人がいるからだろう。
そんな3人が模擬戦を見に来ているのだから、当然他の軍人でも仕事が忙しくない者はやって来なければならない訳で……それが現在のこの状況だった。
驚くべきというか、ある意味連合軍の軍人が集まっている以上は当然だったが、OZの方からもトレーズが来ている。
まだ直接言葉を交わしてはいないが、ゼクスやノイン辺りから俺の話を聞かされていれば、間違いなくこっちに接触してくるだろう。
ちなみに、俺が厄介だと感じているトレーズの狂信者、レディ・アンは今日ここにはいない。
オペレーション・デイブレイクが近づいて来ているという事もあって、今は色々と忙しく動いているのだろう。
トレーズと話しただけで嫉妬してくるレディ・アンとは、出来るだけ接触したくはない。
将来的にもう少しまともになった時のレディ・アンなら、話は別なんだが。
「ほう、君がアクセルか。ノベンタ元帥に取り入って、随分と好き勝手にやっているようだな」
OZのお偉いさんと思われる50代程の男が俺を見てそう告げてくる。
いや、服装がOZの制服じゃないし、結構豪華な服なところを見ると、OZのお偉いさんじゃなくて、ロームフェラ財団の男か?
「好き勝手とは随分な言い草だな。俺は俺に出来る事をやってるだけだ。……まぁ、その好き勝手なのがどれだけのものだったのか、今日のOZの敗北で明らかになるだろうが」
「はっ! OZの兵士が連合軍の兵士などに負ける筈があるまい!」
……おい、オペレーション・デイブレイクが終了した後ならともかく、今のこの状況でそんな事を言ってもいいのか?
俺達の会話を聞いていた、連合軍のお偉いさん達がお前を睨んでるぞ。
まぁ、ロームフェラ財団というのは王侯貴族の集まりだ。
デルマイユのような自分の事しか考えていない者もいれば、サンクキングダムと関わりのあったウェリッジのような者もいる。
中にはこういう典型的な勘違い男がいても……いや、待てよ? なんでこの男は俺にわざわざ絡んできたんだ?
口にした言葉が正しいのであれば、俺がノベンタの下にいるのが気にくわないといったところだろう。
だがこいつの性格から考えて、ノベンタを慕っている……というようには見えない。
そもそもロームフェラ財団の人間にとって、ノベンタというのは邪魔者以外のなにものでもないのだから。
でなければ、オペレーション・デイブレイクでガンダムに殺されるように仕向けたりはしないだろう。
「その辺は結果を見てから言ってくれ……としか言えないな。何、ここでキャンキャン吠えていなくても、結果はすぐに出る」
キャンキャン吠えるという言葉に、目の前の男は不愉快そうに黙り込み、こっちを睨んでくる。
ふむ、挑発としてはもう一押しか。
「そう言えば全く関係ない話だが、どこかの国には弱い犬はよく吠えるという格言があるらしい。……どう思う?」
「っ!? 失礼する!」
顔を真っ赤にしながら叫んだ男は、そのまま俺の前から去っていく。
それに従い、ロームフェラ財団やOZの連中も俺達から距離を取る。
そして逆に、連合軍の人間からの視線は随分と好意的なものになっていた。
……先程までは連合軍の軍人からも俺に向けられる視線は厳しいものがあったのに、ロームフェラ財団の人間をやり込めただけでこうも露骨に変わるとは。
それだけ連合軍にとってロームフェラ財団の人間は好ましく思われていないという証明か。
そんな中、1人の男が俺の方へと近づいてくる。
ロームフェラ財団の人間……というより、OZを率いている、トレーズ・クシュリナーダ。
他のロームフェラ財団の人間は俺から離れていった中、こうしてトレーズが近づいてくるというのはちょっと意外……いや、トレーズの性格を考えれば理解出来ないでもないか。
「やぁ、君がアクセル・アルマーだね。ゼクスから色々と話は聞いているよ。一度こうして会ってみたいと思っていたのだが……存外に早くその機会を得て、嬉しく思う」
笑みと共に差し出された手を、しっかりと握り返す。
「トレーズ・クシュリナーダだ」
「ああ。知ってると思うけど、俺はアクセル・アルマーだ」
俺が名乗ると、トレーズの口元に浮かぶのは嬉しそうな笑み。
こうして見る限りだと、トレーズの人当たりはいい。一種のカリスマ性も感じられる。
原作でトレーズ派という集団が結成されたのも、当然と言うべきか。
純粋にカリスマという一点で見れば、幾多もの世界で戦い抜き、その頂点に立つシャドウミラーを率いる俺よりも明らかに上だろう。
それは認めざるを得ない。
「君は戦士として素晴らしい実力を持っていると聞いている。あの、ゼクスですら乗りこなせないようなMSを容易に乗りこなすとね」
「トールギスか?」
「うむ。……正直なところ、あの機体がOZにあればと思う事もあるがね」
そう言いながらも、トールギスを寄越せといった雰囲気がトレーズには一切ない。
この辺も、他のロームフェラ財団のメンバーと違うところだよな。
潔いというか……トレーズなんだし、この場合はエレガントに、か?
ともあれ、そんなトレーズと話すのは、不思議な程に俺にとっては負担にはならなかった。
いや、寧ろ話していて楽しいと言ってもいい。
他のロームフェラ財団の者達のように高圧的でないというのもあるし、またこちらの事情を何とか口にしようと考えてのものではなく、純粋に俺と話すのを楽しんでいるというのが大きいだろう。
……もっとも、一番大きいのはトレーズと話していれば嫉妬してくるだろうレディ・アンがこの場にいないという事だろうが。
「それでは、アクセルはこれから行われる模擬戦の参加者達の指導をしていたのかね?」
「ああ、そうなる。正直なところ、俺とあいつ等だと技量の差が大きくてな。連戦連敗の状況で自信がなくなりそうだったから、それを防ぐ意味でもこうして今日の模擬戦を企画した訳だ。……まぁ、俺がしたのはアイディアを出しただけで、実際にこうして大掛かりになったのは、連合軍の上層部の方で動いた結果だけど」
「そう、それだ。私としてはOZの皆の実力が認められる場が出来たのは嬉しいのだが、何故こうも大掛かりな事になったのだろうね?」
「いや、だから俺に聞かれても分からないって」
おかしいな。ゼクスやノイン辺りから俺がオペレーション・デイブレイク……OZの反逆について知っているというのは臭わせた筈なんだが、それにしては、この態度はどうなんだ?
もし俺がその辺を知っているというのを聞かされているのなら、今回の件は明らかにOZに対する牽制であると、そう理解してもおかしくない筈なんだが。
そうなると……もしかしてゼクス達がトレーズに報告してないのか?
いや、けど今の状況でゼクスやノインがトレーズにその件を報告していないというのは少し疑問だな。
そんな風に若干混乱しながらもトレーズと話していると、やがて映像モニタに連合軍とOZの部隊がそれぞれ準備を始める。
その中でも特に目立っているのは、やっぱり連合軍……より正確には、連合軍の部隊の中に一機だけ存在しているトーラスだろう。
その姿を見たOZの将兵や、ロームフェラ財団の中でもトーラスがどのようなMSなのかを知っている者達はそれぞれ驚きを露わにする。
……当然、俺の隣でその様子を見ているトレーズは、殆ど驚きを表情に出してはいなかったが。
「ほう、トーラスは本来宇宙用のMS。それを地上用に改修するとは……それも1機だけ? もしや、あの機体にはシャドウミラーのメンバーが乗っているのかな? 確か……そう、アヤコ・ミツヅリだったか。そのような人物がMSの操縦技術を急速に高めているという話を風の噂で聞いた事があるが」
「……へぇ」
やっぱりというか、油断のならない相手だな。
綾子の事は、連合軍の中でもそれ程知られていない。
自分で言うのも何だが、シャドウミラーというのは俺……正確にはトールギスという認識が高い為だ。
そんな中で、しっかりと綾子の名前まで知っているとは……やはりトレーズは侮っていいような相手ではない、か。
「そうだ。最初はMSの操縦技術はそんなに高くなかったんだが、才能があったんだろうな。今では、連合軍の精鋭部隊とやり合えるだけの力を持っている」
「何でも生身でも強いと聞いていたが、MSの操縦技術も高いのかね。それは素晴らしい」
トレーズの口調には侮りの類はない。
本当に、心の底から綾子が腕利きのパイロットなのを賞賛しているように聞こえる。
オペレーション・デイブレイクでは間違いなく強敵になるだろうというのを理解していながら、だ。
貴族趣味、騎士道精神。そんな言葉が似合っているのだろう。
だからこそ、トレーズ派を生み出すだけのカリスマを持つに至った……そう思っても間違いではない筈だ。
トレーズについて考えていると、やがて模擬戦が始まる。
どちらも20機ずつの部隊であり、それなりの戦力と言ってもいい。
そんな中で最初に動いたのは……予想通り、OZの部隊だった。
自分達が精鋭部隊だという自負のあるOZだけに、連合軍を相手に後手に回るというのは考えられなかったのだろう。
隊形を整え、一斉に放たれるチェーンライフル。
だが、その攻撃により連合軍側で被弾したMSは1機もいない。当然綾子の操縦するトーラスもあっさりと攻撃を回避している。
その様子に戸惑ったような動きをしたのは、OZ……ではなく、連合軍側。
まさかこうも簡単に攻撃を回避出来るとは思わなかったのだろう。
だが、それは当然だ。トールギスと模擬戦をしているのだから、この程度の攻撃を回避出来ない方がおかしい。
そしてOZのパイロットであっても決して俺より強い訳ではないと判断したのか、連合軍側が一気に攻撃に出る。
驚いたのは、綾子のトーラスが他の機体と普通に連携を取っていることだ。
勿論トーラスとエアリーズは多少の性能差があっても、そこまで大きなものではない。
そうである以上、連携を取るというのは普通に出来てもおかしくないんだが……それでも一切の遅れもなく、こうも連携を取れるというのは予想外だった。
トーラスの放つビーム砲……トーラスカノンが数機のエアリーズに命中し、撃墜判定を食らったエアリーズが戦場から去っていく。
そしてエアリーズ同士の戦いでも、かなり一方的な戦いが繰り広げられている。
連合軍とOZ。両方のエアリーズが空中を動き回りながらチェーンライフルを撃ちまくっているのだが、それが命中して機体に黄色や赤、青といったペイント弾の花が割いているのは、全てがOZ側。
連合軍側の機体には、まだ一発のペイント弾も当たってはいない。
にしても……エアリーズにはビームサーベルのような近接戦闘用の武装を持つようにアドバイスした筈なんだけどな。
こうして見る限り、どの機体もビームサーベルの類を持っていない。
もしかして、模擬戦という事でお互いに装備を合わせる必要があり、お互いが決められた武器……この場合は初期装備の武器だけしか使用不可能になっているという可能性もあるか。
理由の有無はあれど、ビームサーベルを装備していないというのは良かったかもしれないな。
こうして模擬戦が行われている光景を見る限り、連合軍側が一方的に押しているのだから。
であれば、ビームサーベルはオペレーション・デイブレイクの時の切り札という事にしてもいいかもしれない。……いや、そこまで大袈裟なものではないか。
そんな風に考えながら見ているモニタでは、次々にOZの兵士達が連合のエアリーズに撃墜扱いされていく。
その光景は、もはや模擬戦というよりも蹂躙、または狩りと表現した方がいいだろう。
「お?」
だが、狩りの獲物にされたOZの兵士にも、自分達が精鋭だと認識しているだけに一方的にやられているだけではない。
1機のエアリーズが、連合軍のエアリーズにペイント弾を命中させ、撃墜扱いにしたのだ。……もっとも、次の瞬間には綾子のトーラスが放ったトーラスカノンが命中し、結局撃墜扱いとなったのだが。
結局奮戦らしい奮戦はそれだけで、その後はOZの兵士が一方的に狩られていき……最終的に模擬戦終了の規定時間前にOZの兵士が全滅し、連合軍の完全勝利として終わる。
もっとも、連合軍側も1機撃墜された以上、パーフェクトという訳にはいかなかったが。
「ほう……これは、素晴らしい戦士達だ」
俺の隣でトレーズが楽しそうに呟くその声だけが、耳に残るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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