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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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652部分:第九十三話 襲撃者その七


第九十三話 襲撃者その七

「はじまったな」
「はい」
 シュラに対してアフロディーテが答える。
「いよいよですね」
「そうだな。しかしだ」
 ここでシュラはさらに言うのだった。
「この小宇宙はだ」
「あの神殿の時よりもさらにですね」
「大きくなっている」
 こう言うのだ。言葉はテレパシーである。セブンセンシズがそうした力も彼等にもたらしているのだ。その圧倒的な小宇宙によってである。そうさせているのだ。
「今以上に」
「まさに神です」
「へっ、何か見ているだけで忌々しいぜ」
 デスマスクはその映像を見ながら目を怒らせていた。
「何かよ、ああした連中を見ているとな」
「デスマスクよ」
 その彼にアルデバランが声をかけてきた。そして問うのだった。
「御前は力こそ正義ではなかったのか?」
「ああ、そうだぜ」
 この考えは彼自身も認めることだった。
「結局力がないとどうにもならないだろ」
「その通りだ」
「全くもってです」
 シュラとアフロディーテも彼のその考えに賛同した。
「それはだ」
「真実です」
「それはどうかと思うがな」
 アルデバランは彼等三人とはまた違う考えでありそれについても言いたかった。しかし今はそのことにはあえて言わずこう言ってみせたのである。
「だが」
「それで何だってんだよ」
「アーレスの考えには賛同しないのだな」
「あの血生臭い野郎にかよ」
「そうだ。アーレスとその僕達の考えもまた力だ」
 それは言うまでもなかった。アーレスといえばまず力を尊ぶ。そしてそれによって絶対的なまでに人を治め永遠に戦いと破壊、そして流血の世界を築き上げる。これこそが彼の理想とする世界なのだ。
 しかしである。デスマスクはそのアーレスの僕達にはっきりとした嫌悪を見せていた。アルデバランはその考えに対して言うのである。
「しかしそれにはだ」
「俺はな」
 デスマスクはアルデバランのその問いに対して答えるのだった。
「確かに力こそ絶対の正義だって思ってるさ」
「うむ」
「けれどな。傲慢な神様ってのは嫌いなんだよ」
 ここでこんなことを言ったのである。
「アーレスの野郎にしろあそこにいる神様連中もな」
「嫌いか」
「アテナがそんなこと言われるか?」
 そしてこうも問うのだった。
「言われないだろ。絶対にな」
「その通りだ。アテナはそうしたことは言われぬ」
「そういうことさ。あの連中は人間を完全に見下してやがる」
 嫌になるまでにわかることだった。
「そういう相手にはな」
「賛同しないというのだな」
「俺は人間なんだよ」
 デスマスクは人間という言葉も出した。
「その人間として戦ってるんだ。誰がアーレスの奴隷になるかよ」
「その通りだな」
 カミュもここで言うのだった。
 
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