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提督はBarにいる。

作者:ごません
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出撃・礼号作戦!~決戦、集積地棲姫!②~

 
前書き
だから決戦とか言ってるのに料理k(ry 

 
 さて、次の調理に入ろうとした時に通信機に着信が入る。

「ハイ、こちら執務室。」

『こちら霞。清霜が小破しちゃったけど、敵の集積地に取り付けそうよ。』

「OK解った、第二艦隊は先に帰投させてくれ。」

 一旦通信機を切り、今度は金剛に繋ぐ。

「支援艦隊は配置についたか?」

『バッチリ、スタンバイ済みネー。』

「よし、間もなく第一艦隊が突入する。旗艦同士で通信を繋いでタイミングを合わせろ。」

『了解ヨー。戦闘終わったらまた連絡するネー!』

「任せたぞ。晩飯は差し入れてやるから頑張れよ。」

 そう言って通信を切った。キッチンに戻ると鹿島がむ~……と膨れっ面をしている。

「もう!折角の二人っきりだったのにぃ~…」

「いやいや、仕事なんだから無茶言うなって。そもそも、デートでも何でもねぇのに、二人っきりだとかそんなの気にする事じゃねぇだろが。」

「もぅ、判ってないし提督さんたらぁ~っ!」

 顔を真っ赤にして怒っている鹿島。可愛らしいとは思うが、今はそれに構っている暇はない。

「さぁて、チャッチャと調理を進めていこうか。肉で2品、野菜で4品作ったからな。そろそろ魚介といくか。」

 ……おっと、砂肝の銀皮忘れてたな。ポン酢と水を1:1で割った煮汁に銀皮を投入。中弱火で15分程煮込んだら長葱の青い所を小口切りにした物(青ネギでも可)をたっぷりと。ネギにもサッと火が通ったら完成、『銀皮ポン酢・ネギまみれ』だ。食べる時はお好みで七味とか振ってもウマイぞ。



 話が逸れたが、今度こそ魚介の煮込み料理といこう。まずは和食から。

 使うのは鰯。マイワシの方が食べ応えがあるがセグロイワシでも大丈夫だ。イワシは頭を落として腹を開き、内臓を取り出して腹を流水で洗って血を落としておく。調味液は大量だとわかりづらいからイワシ6匹分に合わせた量を載せておく。

イワシ:6匹

水:1カップ

めんつゆ(3倍濃縮):1/3カップ

砂糖:小さじ1

生姜(千切り):10g

梅干し:1個


 梅干しは潰して梅肉にして入れてやり、煮崩れしないように弱火で30分。アルミホイルでふわりと落し蓋をしてコトコトと炊いてやる。まぁ梅干し入ってるから解るよな?今作ってるのは『鰯の梅煮』だ。梅干しの酸味が苦手ならハチミツ梅なんかでもいけるぞ。

「提督さん、私もやっぱり手伝います!」

 先程まで拗ねていた鹿島も戻ってきた。んじゃ、和食の次はイタリアン風のアレンジスープといこう。

「じゃ、材料を刻んでいくぞ。えぇと分量は……」

玉ねぎ:1/2

セロリ:1/3本

赤パプリカ:1/3個

黄パプリカ:1/3個

マッシュルーム:4個くらい

ズッキーニ:1/2本

人参:1/3本

 ここでアレンジ、タコを使う。大体200g位かな?足だけじゃなく、食間を楽しみたいなら頭も使ってOKだ。タコは大きめの一口大にカットし、野菜は全てみじん切り。

「もしかして……『ミネストローネ』、ですか?」

「ご名答。野菜を刻み終わったら、鍋に多めのオリーブオイルをひいて、刻んだにんにくをこれまたガッツリ入れる。」

 点火してにんにくが炒まって香りが出てきたら玉ねぎとセロリを投入して炒めていく。

「でも、ミネストローネにタコなんて初めて聞きました。」

「そうか?でもな、ミネストローネってのは日本でいう所の味噌汁みたいなモンだ。季節によって入る野菜は変わるし、パスタを入れたり米を入れたりして作ったりもするんだ。特に決まった作り方は無いからな、別にタコが入っても良いのさ。……おっと、玉ねぎとセロリがいい感じに火が通ったな。ここに塩・胡椒をして…と。」

 要はウマけりゃ良いんだよ。玉ねぎとセロリが透き通って来たら、塩・胡椒適量で味付け。ここまで来たら残りの野菜とタコも鍋に入れて炒めていく。全体が混ざって具材に油が回ったら、

「鹿島、ホールトマト出して潰してくれ。」

「はーい♪でも、カットトマトじゃダメなんですか?」

「ホールトマトとカットトマトじゃ使われてるトマトの品種が違う。ホールトマトのは火を通してもあまり風味が損なわれない。煮込み料理とかスープに向いてるんだ。」

 逆にカットトマトは酸味が強く、みずみずしいからさっぱりとした味。冷製パスタとかドレッシングなんかに向いてるぞ。

 潰したホールトマト1缶、水300cc、あればブラックオリーブの実を25g位加えて、塩・胡椒・顆粒コンソメを適当に。あればローレルも1、2枚加えて煮ると香り高くなって美味しくなるぞ。

※パスタや米を加えるなら水を入れるタイミングで。その場合、水はここに書いてある量よりも多く加えて、様子をみながら適宜足してくれ。

 最初は強火で酸味を飛ばし、一度味見。丁度よくなったら弱火にして30分位コトコト煮よう。そうすれば、

「タコ入りミネストローネ、『タコストローネ』の完成だ。」

 我ながらネーミングセンスは無いな、とつくづく思う。



 うーん、おかずは十分だとおもうが、汁物がタコストローネだけじゃなぁ。……そうだ!手軽で食べ応えもあるポトフを作ろう。メインは……玉ねぎだ。

《野菜ゴロゴロ!ガッツリポトフ》(分量2人前)

玉ねぎ:1個

さつまいも:1/2本(100g位)

ブラウンマッシュルーム::6個位

ベーコン(ブロック):100g

ウィンナー(太めのオススメ):4本(180gくらい)

顆粒コンソメ:大さじ1

水:500~600cc



 (小さい鍋でやる場合)下準備は超簡単。皮を剥き、頭と根っこを落とした玉ねぎに、縦に切り込みを入れる。十字になるように深さは半分より少し深い位。こうする事で玉ねぎの甘味や旨味がスープに出やすくなるし、コンソメを吸い込みやすくなる。さつまいもは縦に4つに割り、ベーコンは角切りか賽の目切り、厚みを意識して食べ応えを出すように。

 具材を切ったら一人鍋用の土鍋を用意。鍋の真ん中に玉ねぎを置き、周りに散らすようにさつまいも、ベーコン、マッシュルーム、ウィンナーを鍋に入れる。顆粒コンソメを鍋全体に行き渡るようにパラパラと撒いたら、具材がヒタヒタになるくらいまで水を入れたら、後は火にかけるだけ。野菜に火が通ったら完成だ。

「ふぅ。こんなもんかな。」

 時間を見ると昼を回って13時半。少しばかり熱中しすぎたらしいな。

「提督さん?コーヒー淹れたので少し休しましょう♪」

 見ると、鹿島がマグカップを2つ持って微笑んで立っていた。

「おぉ!気が利くな。早速頂くよ。」

 芳しい焙煎と豆の香り。かなりいい豆だ。

「ブルーマウンテンです。少し奮発しちゃいました♪」

 一口含む。口の中一杯に香りが膨らみ、鼻腔に抜けていく。特徴である繊細な味も舌を楽しませてくれる。美味い。有名ブランドの豆なだけはある。一気に飲み干してしまった。

「いや~、美味かった!御馳走さま。」

「うふふ♪提督さんに喜んで貰えてよかったです♪」

 と、疲れが溜まっていたのか強かに眠くなってきた。

「すまん、鹿島……少し仮眠をとっていいか…?」

「どうぞ、提督さん。鹿島の膝枕で……ゆっくりお休みになって下さい♪」

「助かる……出撃部隊から通信入ったら…起こして……くれ…」

 俺はそれだけ言うと意識を手放した。

  ー数時間後ー

「うぅ……ん?はっ!?今何時だ?」

 窓の外は真っ暗。随分と熟睡してしまっていたらしい。

「今は19:00です。鹿島さんから話は聞いてあります。」

 室内には霧島が立っていた。

「戦闘は?どうなった。」

「戦闘は15:00に敵棲姫を撃破。一度帰投してから再度出撃。二度目も見事に撃破した、との通信が入りました。」

「そうか……。作った料理は?」

「それも既に遠征部隊を組織して運んでもらいました。お姉様達、とても喜んでいたようですよ?」

 そうか、それは何よりだ。……しかし、寝た筈なのに身体に気だるさが残っている。まるで、ナニかした後のような……。

「あ、それと。もうご結婚なさっているんですから盛り過ぎるのはどうかと思いますよ、『お義兄さま』?」

 え、まさか。少し薄ら寒い感覚を覚えながら、俺は業務に戻った。 
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