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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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646部分:第九十三話 襲撃者その一


第九十三話 襲撃者その一

                    襲撃者
 聖域にサガ達が戻って来た。そしてシオンからことの一部始終を報告した。そしてそれと共に聖域で起こったことも聞いたのであった。
 聞くのは教皇の間であった。そこで話を聞くとであった。
 まず口を開いたのはムウであった。
「何と、この聖域にですか」
「そうだ」
 シオンは彼に対して静かに述べた。
「攻めて来たのだ」
「しかもこの十二宮にですか」
「やはり神だけはあると言うべきでしょうか」
 ミロも深刻な顔で述べた。
「十二宮に攻め寄せて来るとは」
「この十二宮はだ」
 シオンは今度はミロの言葉に応えて言った。
「確かに相当な結界を張ってある」
「我等黄金聖闘士もまた」
「その結界になっている」
「しかしだ」
 ここでシオンはさらに言うのだった。
「神ともなるとその結界を破ることも可能だ」
「それだけの力があるからだってやつですね」
 デスマスクはいつもの軽い調子だったがその顔は苦々しげなものだった。
「それはまたお偉いことで」
「デスマスク、それはまたえらくシニカルだな」
 カミュがその彼に言った。
「それだけ腹が立っているのか?」
「俺はな。自分以外に威張った奴が嫌いなんだよ」
 こうカミュに返す。その苦々しげな顔は変わってはいない。
「例え神様だろうが何でもな」
「だからだというのか」
「そうさ。そういう奴は見ても聞いても頭にくるぜ」
 実に彼らしい言葉であった。
「四柱、復讐の女神エリスを入れて五柱だったな」
「そうだ」
「なら全員倒してやるぜ」
 カミュに対して言葉を返す。
「全員だ。このデスマスクが相手をしてやるぜ」
「いや、御前はそういう訳にもいくまい」
 カミュはそのデスマスクにこう返した。
「御前はあのベルゼブブを倒さなくてはならない筈だ」
「だからな、あいつだけじゃなくて他の奴等も全員俺が倒すっていうんだよ」
 これがデスマスクの言いたいことだった。彼はあえてこう言ってみせたのである。
「どいつもこいつもな」
「言うものだ。全て自分で背負い込むこともあるまい」
「へっ、俺はそんな殊勝な奴じゃねえよ」
 自分ではこう言う。
「ただ戦いたいから戦う、それだけさ」
「そうだといいうのだがな」
 デスマスクの本心はわかっていたのでカミュも今は静かに受け流した。だが彼は同時にこうしたことも言うのだった。
「それは私も同じだがな」
「おいおい、御前もかよ」
「私もまたできるならあの五柱の神は全て倒しておきたい」
 カミュの言葉が剣になった。それはまさに氷の剣であった。
「この私の手でな」
「そういう御前はベリアルの奴が相手だろ」
「無論あの男も倒す」
 デスマスクと殆ど同じことを言うのだった。
「そのうえでだ」
「あいつも倒すってのかよ」
「そういうことだ。私もまた同じだ」
「あの四闘神、尋常な小宇宙ではなかった」
「確かにな」
 今度はシュラとアルデバランが話す。
「まさに神に相応しい小宇宙だった」
「だからこそか。聖域の結界を破れたのか」
「となるとだ」
「これからどうするべきかだ」
 アルデバランの顔が考えるものになっていた。彼は決して浅慮ではなかtった。むしろかなり思慮深い性格であることがここで出ていた。
「我等としてはだ」
「攻めるか、それとも」
「守るかだ」 
 アルデバランはこうシュラに告げた。
 
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