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亜人學園

作者:ponde-ma-lion
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家無き男

【実家】


 コレコッチデ ソッチモッテクレ ガンガンガンッ


 男「」ガサッ

 亀娘「入れない」

 後輩「工事中ッスね」

 男「帰宅したら帰る家がなかった」

 亀娘「ウチくる?」

 後輩「自分ちもあるッスよ!」

 男「優しさが目に染みるよ…」ホロッ


 作業員「あーすんませんね、すぐ終わらしますんで」


 男「あっ、あのこれは一体…」


 作業員「あぁ、とある方のご依頼でしてね?なんでも『今日中に増築してくれ』だそうで」

 作業員「なんとも無茶を言いなさる!アッハッハッハ!」

 男「ある方って…」

 作業員「それ以上はあっしの口からは言えやせんね」

 作業員「ま、詳しくは聴いてませんが家主さんの許可も頂いてますぜ?」

 男「みんなが?」

 作業員「いくらなんでも許可なしじゃできやせんからね」


 作業員「とりあえずこの件に関してはウチのプライドにかけてやり遂げますが…」

 作業員「しばらく時間潰してきて頂けると助かりやす」

 男「なら先に亀娘ちゃんの家でご飯作ろうか」

 亀娘「もう歩きたくない」

 男「お茶くらい出すつもりだったんだけど、ごめんね…」

 作業員「なんならお荷物預かっときましょうか?」

 男「いいんですか?」

 作業員「お安い御用でさ」

 亀娘「おんぶ」

 男「どうぞ」スッ

 後輩「大丈夫ッスか?」

 男「そんなに遠くないから大丈夫だよ」

 後輩「なら食材は自分が持つッスよ」

 男「ありがとう、っと」スクッ

 亀娘「少し寝る」モゾ

 男「着いたら起こすね」

 後輩「んじゃ行きましょうッス」


【マンション前】


 オーライオーライ キヲツケロヨ- 


 男「着いたよ」

 亀娘「ん…」モゾ

 後輩「なんか騒がしくないッスか?」

 男「誰か引っ越しするみたいだね」


 引っ越し業者「あ、ご令嬢とその家政婦さんですね?」


 男「?何で知って…」

 業者「親御さんのご依頼で…話は伺っております。ちなみにお留守のようだったので勝手に始めさせて頂きました」

 業者「それと…ご連絡です」ppp スッ

 亀娘「……?」prrr

 pi『――?――――――。―――――――』


 亀娘「……ん、わかった」


『――――』pi


 亀娘「ん」スッ

 業者「…お預かりします」


 男「ご両親から?」

 亀娘「お母さん」

 男「契約について何か言ってたり…」

 亀娘「継続」

 男「そっか。なら良かったよ」


 業者「…では引っ越し先へはお車を用意しております。お乗りください」

 男「…あの、失礼ですがあんまり遠くだと…」

 業者「ご安心ください。よくご存じの場所ですから」

 業者「ご学友の方もお乗りください」

 後輩「そんじゃお邪魔するッス」


【自宅】

 後輩「まあ案の定っすよね」

 男「タイミングが合い過ぎてたからね。もう並のことじゃ驚かないよ」

 亀娘「…二度手間」

 後輩「亀娘先輩はおんぶしてもらってたんだからいいじゃないッスか」


 作業員「おお!ちょうど今終わったとこですぜ!」

 後輩「ほんのちょっとしか経ってない筈ッスけど…ほんとにできちゃうなんてすごいッスね」

 作業員「まあちっとばっかし片づけは残ってますがね。もうお部屋は使えやすよ」

 男「ご苦労様です」


 業者「ならここからはうちの仕事ですね」

 業者「片付けも手伝いますよ」

 作業員「助かりやす」

 業者「それではリビングを優先的に済ませておきますね」

 男「すいません気を使わせて」

 業者「いえ、手間は同じなので」


「おや?もうすんだのか」

 秘書「それにみんなもお揃いのようだね」

 男「秘書姉、隠してたのってこれのこと?」

 秘書「隠してたとは人聞きの悪い、尋ねられたら答えたさ」

 秘書「パンツと引き換えに」

 男「聞かなくてよかったと心の底から思うよ」

 後輩「もしアネゴ達が通りかかってたら血の海ッスもんね」


 亀娘「……この変態だれ?」

 秘書「容赦ないね」

 亀娘「お互い様」

 男「姉さ…理事長の秘書さんでこの人も昔からの知り合いなんだ」

 亀娘「……そういえば初日に見た気がする…」

 秘書「これからは毎日見ることになるだろうね」

 亀娘「…………」

 男「…やましいことはございません……」

 秘書「健全なお付き合いをさせてもらってるよ」

 男「間借ししてるだけですッ!」

 亀娘「……大丈夫なの?」

 後輩「アネゴ達も居るし大丈夫ッスよねえ?」

 秘書「君達ボクを何だと思ってるんだ」

「「変態(ッス)」」

 秘書「おかしいな否定の言葉が見つからない」


「無い物を探したところで見つかるわけないでしょう」

 男「ヴァ姉お帰りなさい」

 ヴァ姉「ただいま」

 ヴァ姉「それにしても……ろくなことをしないとは思っていたけどここまでとはね」

 男「ヴァ姉も知らなかったの?」

 秘書「間違いなく怒られるのわかりきってるし言うわけないだろうね」

 ヴァ姉「呆れて何も言えないわ」


「お前ら玄関で何して…」

 狼姉「ってうおぉいッ!?家が?!家がナンデ!?」

 秘書「そういえば君にも言ってなかったか」

 狼姉「ここ我が家だよな?!何があった?!」

 男「それが…」

「説明しよう!」

 狼姉「原因お前だろ絶対!」

 理事姉「まだ何も言ってないのに…」

 ハピ姉「考えなくてもアンタでしょ」

 理事姉「決めつけるの良くない」

 ハピ姉「いや一部始終知ってるし事実じゃないの」

 男「みんなお帰りなさい」

 理事姉「たっだいまーッ!」ギュ

 ハピ姉「ごまかせてないわよ」

 ヴァ姉「一から説明してくれるかしら」

 狼姉「勝手に改築とか何考えてんだ!?」

 理事長「遮ってたくせに!なんて自分勝手な!」

 狼姉「お前にだけは言われたくないわ!!」

 
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